- IFA法人と提携している証券会社の特徴が知りたい
- IFAに転職する際の注意点がわからない
- 転職すべきIFA法人を見極めるポイントが知りたい
IFAとは、金融機関から独立した立場で、顧客へ資産運用など金融サービスに関する助言を行うアドバイザーのことを指す。
近年、IFAの人気は高まっていて、転職者数も増加している。
実際に2014年6月末に3,022名だったIFAの数は2023年6月末には6,544名となり、10年足らずで倍増している。
IFAに転職するには、金融商品仲介業者(以下、IFA法人)へ所属する必要がある。
法人が提携している証券会社によって実際に業務を行う際に取り扱える商品は変化する。
転職後の業務に関わってくるため、提携する証券会社の特徴を知りたい人も多いだろう。
そこで本記事では、IFA法人と提携している証券会社の紹介と、IFAに転職する際のポイントについての解説を行う。
IFAの仕組みと証券会社の立ち位置
IFAは、IFA法人に所属し、顧客利益を優先した提案を行う独立系ファイナンシャルアドバイザーだ。
IFAの特徴は主に3つある。
①金融機関に所属せず、独立している
②ノルマがなく、顧客に沿った提案が可能
③会社都合での転勤がなく、長期間の担当が可能という3点だ。
IFAはIFA法人に所属し、特定の金融機関からは独立した存在である。
また、IFAの成り手となる人材は多種多様だ。
例えば、証券会社や銀行などの金融機関出身者だけでなく、税理士や不動産業界などの金融機関外から転職してくる人もいる。
金融機関の経験がなくても、IFAになることは可能なのである。
IFAは金融機関に所属していないため、ノルマが存在せず特定の商品を売る必要がない。
つまり、顧客の要望に合わせた商品を会社のしがらみなく提供できる。
これはIFAになる大きなメリットとなる。
これは各証券会社でも強調されており、例えば楽天証券の公式サイトでは、「IFAの目的は営業利益の達成ではありません。
お客様の利益を第一に優先し、適切なアドバイスを提供することです。」と明言されている。
また、金融機関であれば不正防止や社員に経験を積んでもらうという都合から、どうしても転勤が多くなる。
顧客との関係性を構築し始めたところで転勤となり、また一からやり直しか、と落胆したことがある人も多いだろう。
一方、IFA法人では転勤がないため、長期間にわたって顧客の資産形成を支援することができる。
深い関係を築いていきたいと考える人にとっては、IFAになるメリットは大きいと言えるだろう。
IFA法人と提携している証券会社の特徴
IFAになった後で重要になるのが、所属するIFA法人がどの証券会社と提携しているかという点だ。
IFAが顧客に提案できるのは、所属している法人が提携している証券会社の商品に限られる。
IFAになったからには、自信を持って顧客におすすめできる商品を提案したいと考える人が大半だろう。
そこで本章では、IFA法人と提携している主な証券会社の特徴を紹介する。
本章を読み込めば、IFAとしてどの証券を利用すべきかが見えてくるはずだ。
楽天証券
最初に紹介するのは、楽天証券だ。SBI証券とならんでおすすめ度が高く、多くのIFA法人が取り扱っている。
一番の特徴としては、「管理口座コース」を利用できることが挙げられる。
これは、顧客から預かった資産残高を元に手数料が決められる制度のことだ。
通常の証券会社であれば、売買に応じて手数料が発生し、取引回数が多くなれば手数料も高くなりやすい。
この点、管理口座コースであれば手数料は資産残高の1.1%で済む。
さらに、資産残高が増えればIFAの報酬も増えるため、両方に得がある制度となっているのだ。
また、IFAが業務で利用するシステムが使いやすい、というのも嬉しいポイントだ。
他の証券会社と比べても分かりやすいという声が多く、提携しているIFA法人を優先的に探すべきと言えるだろう。
SBI証券
次に、SBI証券について紹介する。特徴として、
①PO・IPOの取り扱い銘柄数が多い
②IFAが業務で利用するシステムの使い勝手が良い、という2点が挙げられる。
SBI証券は、公募・売出であるPOと新期上場株式であるIPOの取り扱い数が他社と比較しても圧倒的に多い。
特にIPOについては2021年度時点で117社であり、当時上場した会社が120社だったため、全体の97.5%を網羅していた。2位の日興証券が63.3%であることを考えれば、驚異的な数値となっている。
さらに、SBI証券のシステムはIFAが利用しやすいものとなっている。
楽天証券と並び、業務における利便性は大きなメリットと言えるだろう。
顧客の利益につながる提案がしやすく、IFAも使いやすいSBI証券は人気が高い証券会社と言えるのだ。
- 参考:SBI証券「国内株式」
あかつき証券
あかつき証券は、外国債券や仕組債など債券に関する取引状況をリアルタイムで確認できる独自のシステムが存在する。
これは、他の証券会社と比較しても唯一無二のものだ。
特に、外国債券については2023年6月に新システムが導入された。
IFA専用サイトから、顧客の約定単価や清算金額の試算機能や勧誘にあたっての必要書面抽出機能などをまとめて利用可能だ。
また、楽天証券やSBI証券はオンラインによる対応のみだが、あかつき証券は対面による顧客支援を行っている。
支援体制が手厚いため、IFAが安心して顧客へ紹介できる証券会社と言えるだろう。
東海東京証券
東海東京証券は、富裕層向けのサービスが手厚いという特徴がある。(ここでの富裕層とは、保有金融資産が1億円以上5億円未満の人々を指す。)
主な富裕層向けサービスとしては、独自ブランド「オルクドール」と証券担保ローンの2種類が挙げられる。
オルクドールは富裕層向けブランドの総称であり、ソサイエティとエコシステムの2種類にわけられる。
ソサイエティでは経営者間の交流が図られ、様々なイベントが執り行われる。
交流の場として実際に使われているのが、オルクドール・サロンである。東京と名古屋の2箇所にあり、高級料理やワインを原価で味わうことができる。
利用するには一定以上の資産を預ける必要があるが、本人だけでなく家族も利用できるため非常に人気があるサービスとなっている。
また、エコシステムでは健康や趣味などビジネスを含む多面的な支援が行われる。
証券担保ローンとは、自社の株を担保にして融資を受けることができるサービスである。
借入は300万円から可能で、最大6ヶ月借りることができる。
対象となる自社株は国内であれば株式・投資信託・債券、外国であれば外国株式と米国国債が該当する。
富裕層が最も信頼している資産である自社株を利用して資金調達が可能な点から、人気が高い制度となっている。
ただ、IFAが利用するシステムの使い勝手は悪く、楽天証券やSBI証券と比べると利用率は下がっている。
富裕層の顧客がいる場合は、優先すべき証券と言えるだろう。
マネックス証券
最後に、マネックス証券について紹介しよう。特徴的なのは、「ON COMPASS+」というサービスだ。
ON COMPASSは、ロボ・アドバイザーが顧客に代わって投資運用を低コストで行うサービスである。
ここにIFAによるコンサルティングが入るのが、「ON COMPASS+」だ。運用方針が決まれば自動で資産運用が行われるため、売買の判断をする必要はない。
また、途中で運用方針を変えることも可能なため、自分主体で運用を進めながらAIに助けてもらうこともできる。
投資の初心者から手慣れた人まで、サービスの対象者範囲は広いと言えるだろう。
ただ、提携しているIFA法人は少なく、そのため実際に利用しているIFAの数も少ない。
SBI証券やあかつき証券と比べると、優先度は下がるだろう。
IFAになる際に留意すべき点
ここまでの説明で各証券の特徴を理解し、IFAになった後の業務をイメージしやすくなった人も多いだろう。
ただ、実はIFAの業務は金融商品の紹介にとどまらない。IFA法人によっては、複数種類の業務を取り扱う可能性があるのだ。
本章では、主にIFAの業務面で注意すべき点について解説する。
保険代理店登録の有無
そもそもIFA法人の業務開始時には、金融機関以外の者であるなど条件を満たす必要がある。
条件を満たすことで、内閣総理大臣からIFA法人としての登録を受けることができる。
登録後に業務を執り行うには、第一種金融商品取引業者または投資運用業者の登録、金融機関からの業務委託のいずれかが必要だ。
これらの流れを経て、IFAが顧客に対して資産運用等のアドバイスができるようになる。
IFA法人の中には、金融商品の仲介業務以外にも生命保険代理店として業務登録をしている法人もある。
登録があれば、生命保険のコンサルティング業務を取り扱うことが可能だ。
有価証券だけでなく生命保険も顧客に案内したいという場合は、保険代理店登録がなされているかを事前に確認しておこう。
その他提携事業者のラインナップ
IFA法人が提携しているのは金融事業者のみにとどまらない。
顧客に提案できる選択肢が広がるため、その他提携事業者のラインナップについても確認する必要があるだろう。
IFA法人であるYSKライフコンサルタンツを例に挙げて解説する。
同社はM&Aの仲介業者や、税金対策など会社経営に関するコンサルティング業者と提携している。
IFAが顧客に資産運用のアドバイスをしている中で、必要になるであろうサービスを備えているのだ。
上記以外にも、不動産仲介会社や税理士法人と提携しているIFA法人も存在する。
金融サービス以外の事業も取り扱いたいと考えていれば、証券会社以外に提携している事業者がないかみておくべきだろう。
どのような基準でIFA法人を選ぶべきか
所属するIFA法人を選ぶには、いくつか抑えるべきポイントが存在する。
本章では、IFA法人を選ぶ基準を3点解説する。
提携証券会社
まず、提携証券会社の中に楽天証券とSBI証券のいずれか、あかつき証券の2種類が含まれているかどうか確認しよう。
前述したように、楽天証券とSBI証券のシステムは他の証券会社と比較して利便性が高い。
また、特に楽天証券は提供している商品の種類も多く、顧客へ幅広い選択肢の中から提案できる。
どちらかの証券を取り扱うIFA法人に所属することで、業務の幅も広がるだろう。
また、あかつき証券ではIFA専用のポータルサイトを利用することで、外国債や仕組債などの債券取引を細かく確認することができる。
どちらの債券も利回りの高さから顧客の利益に繋がりやすく、IFAからの人気も高い。
ただ、その分損失も高額になる場合が多いので注意すべきとも言える。
あかつき証券が提携先にあれば、顧客に対して魅力的な提案をすることができると言える。
顧客との信頼関係を構築するためには、紹介できる商品の質を高めることも大切である。
所属するIFA法人の提携先は、必ず確認が必要だ。
規模
IFA法人の規模によって、雇用形態も変化する可能性があるため、重要な要素と言える。
IFAの雇用形態には、正社員型・業務委託型・ハイブリッド型の3種類が存在する。
それぞれの違いについて以下の表にまとめた。
正社員型 | 業務委託型 | ハイブリッド型 | |
特徴 | 収入が固定収入+賞与で支払われる。 | 収入が完全歩合制で支払われる。 | 収入が固定収入+歩合制で支払われる。 |
メリット | 会社員として安定した収入を得ることができる。 IFA法人の福利厚生制度が活用可能。 | 個人事業主として自由に働くことができる。 働き方次第で、正社員型よりも収入が高くなることがある。 | 安定した収入を得ながら、自由な働き方も追求することができる。 |
デメリット | 法人の方針に合わせなければならない場合がある。 バックオフィス業務など、本業以外の業務をしなければならないこともある。 | 契約が取れなければ、収入が安定しない。 社会保険料が全額自己負担となる。 | 業務委託型と比較して、収入は低くなる。 |
IFAになり、顧客に寄り添った提案がしたいのであれば業務委託型を選ぶ人が多くなると予想される。
その場合、規模が小さいIFA法人を選ぶとサポートスタッフが存在せず、事務面を一人で全て行わなくてはならない場合がある。
顧客と面談したいが、業務量が増えて一人一人に時間を割くことができなくなってしまっては、転職する意味がなくなってしまう。
顧客と関わる時間を確保したければ、20名以上が在籍するIFA法人を選ぶと良いと言えるだろう。
インセンティブ率
IFA法人へ加入する場合は、バック率やインセンティブ率も確認しておくべきだ。
バック率とは、IFAが顧客と契約した際の支払手数料の取り分を表したものとなる。
50%〜70%の割合で設定されていることが多く、歩合制の収入の参考となる。
例えば、買付手数料が2%の投資信託を顧客が2,000万円分購入した場合を想定しよう。
支払手数料は40万円となり、IFA法人のバック率が50%の場合は20万円がIFAに支払われる。
正社員型の場合は、バック率が賞与を表すインセンティブ率に変化する。
各社30〜50%で設定されていることが多く、できる限りインセンティブ率が高いIFA法人を探しておくべきと言えるだろう。
自分に合ったIFA法人を探すには
自分に適したIFA法人を見つけるには、雇用形態や規模、提携している証券会社など様々な条件を吟味する必要がある。
しかし、全国には650社以上のIFA法人があり、一つ一つ比較をしていくのには多くの時間と労力がかかる。
また、「預かり資産はどれくらい必要か?」「金融機関のように情報収集のしやすい環境で働くことはできるのか?」というように、IFAとして働く上での不安を抱える方も多いだろう。
どのIFA法人に転職すべきかわからない方は、ぜひIFA特化型の転職エージェント「アドバイザーナビ」に相談してみて欲しい。
IFA法人に関する疑問を解消することができるだろう。
また、これまでに100名以上のIFAへの転職支援実績があるため、信頼度も高い。
無料で面談ができるので、とりあえずIFA法人の情報だけでも聞きたいという方は、お気軽に相談してほしい。
面談予約枠に限りがあるため、早めに申し込むことをおすすめする。
面談のお申し込みは下記フォームから。あなたが理想のIFA法人を探し出す手助けができれば幸いだ。