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IFA法人が海外で増えている背景を日本の状況と比較しながら解説

顧客の資産運用にまつわるアドバイスを金融機関から独立して担うIFAは、社会的なニーズの高まりから世界で増え続けている。日本でも金融資産への投資熱が高まる中で、IFAは注目されてきた。

IFA法人が世界でどのように注目を集めているか、諸外国と日本で比較して解説する。IFA法人が世界でどのような存在かを通して、日本ではIFA事業をどのように推進していく必要があるかを考えるきっかけにしてほしい。

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目次

アメリカではIFAの登録者数が増え続けて存在感を増している

アメリカのIFAは、顧客資産の構築を目的に株式や証券の売買を手伝うアドバイザーと、RIAの2つに分かれる。RIAは顧客資産の活用方法を助言しながら適切な資産形成に導く投資顧問に近い存在である。みずほ総合研究所株式会社の調査によると、およそ12.7万人がIFAとしてアメリカでは活動している。

アメリカでは、アドバイザーとRIAを兼ねた 「ハイブリッドRIA」として活動している場合もある。

証券業界全体のアドバイザー人口は、過去6年間で1万人減少している。証券業界全体の人口が減少しているものの「ハイブリッドRIA」として活動するアドバイザーは9000人も増えている。

なぜアメリカではIFAの存在が台頭し続けているのだろうか。アドバイザーの登録者数が増えている理由としては、大きく分けて3つある。

  • 大手証券会社による個人投資家離れ
  • IFA事業のサービス向上に伴う証券会社離れ
  • アドバイザーの金融機関離れ

それぞれの要因について確認しておこう。

大手証券会社による個人投資家離れ

IFAの存在感を強めた要因に、大手証券会社が個人投資家への取引を縮小した点が挙げられる。2008年の金融危機が起きて、証券会社は収益と利益を回復させるために、顧客ターゲットを富裕層へシフトした。

小口投資を行う個人投資家との取引を縮小させたことで、投資家の受け皿が必要となりIFAが台頭したと考えられている。

IFA事業のサービス向上に伴う証券会社離れ

IFA事業のサービスの質が向上した点も押さえておきたい。証券会社が富裕層をターゲットにした対応は、一部の個人投資家たちの反感を買う形となった。

その間、IFA事業の営業支援サービスやプラットフォーマーとしての機能が強化されたため投資家の関心はIFAに移り始めた。結果的に投資家のニーズを満たすほど高いサービスが提供されていると感じられてニーズが高まったと考えられている。

アドバイザーが金融機関から離れている

アドバイザーの金融機関離れも影響していると考えられる。顧客へ適切な資産運用をアドバイスしたいアドバイザーと企業の経営方針にギャップが生じている点が原因である。

大手証券会社「ワイヤハウス」に所属しているアドバイザーは、2019年に4.7万人と過去6年で4000人も減少している。つまりアドバイザーが所属している企業の方針や理念にコミットできないと考えるアドバイザーが一定の割合でいたと考えられる。

日本でも同様の理由で、証券営業出身者がIFAに転職している傾向が強まっている。詳細については下記の記事も参考にしてほしい。

>IFAに転職する証券営業者が多い理由

IFA法人が提供するサービスの質が高まり、既存の金融機関と同じレベルのサービスが提供できるようになった。加えて、アドバイザーが特定の金融機関から干渉を受けたくないと感じている。

以上の背景からアドバイザーのIFAへの転身が進んだ形となっている。

イギリスでは地域個客への資産形成に重要な役割を担う存在

みずほ総合研究所の調査結果によると、イギリスのIFAは約2.6万人で事業法人は5281社と発表している。イギリスのIFAは地域社会に密着して活動しており、顧客の資産活用について社会的に意義ある存在である。

イギリスのIFAの特徴には大きく分けて2点ある。ポイントは「小規模で活動している点」と「投資家からのフィーで構成されている点」の2つである。それぞれの特徴について確認していこう。

小規模で活動している

イギリスでは、アドバイザーが多数の構成員で組織化せず地域で小さい集団で活動している。実際にアドバイザーが1人で活動している企業が5281社のうち2466社あり、ほぼ半数に近い企業が少数精鋭で展開している。全体の89.1%がアドバイザーの人数が5人以下で構成されている点が特徴である。

IFAの報酬は個人投資家からのフィーで構成される

IFAの収益構造は、イギリスの場合顧客からのフィーで構成されている。イギリスでは、過去に投資家への不適正に金融商品が過度に販売されたり、回転売率が不当に高くなり問題視されていた。

以上の背景から、2012年にコミッションによる収益体制からのモデルチェンジが図られた。英国FCAにより、コミッションにおける手数料の全廃を決定したRDR(Retail Distribution Review)の施行により報酬体系がフィーに限定される形となった。

フィーの課金方法には「イニシャル(初期)/単発」と「継続」の2種類がある。「イニシャル/単発」は、サービス提供前に報酬をフィーとして支払う。「継続」は投資額等に応じてアドバイス料を定期的に顧客から受け取る方法だ。

地域に密着した顧客対応で報酬体系もフィーが中心であることから、IFAとして抱くイメージに近い形で運用されているといえる。

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日本でも存在感が高まるが投資家のイメージと乖離している可能性も

日本証券業協会によれば、IFAとして登録している者は5141名おり、800以上の登録業者が存在している。金融庁が定めている「顧客本位の業務運営」を目指す観点において、IFAは注目されている。

ただしイギリスのIFAのように収益構造にはなっていない。日本資産運用基盤の調査によると、収益構造では証券の仲介手数料が全体の36%に対して、相談料や顧問料での報酬は8%にとどまっている。

フィーによる報酬の水準がコミッションよりも低い体系で運営されているため、投資家のイメージしたIFAとミスマッチが生じているケースも考えられる。日本のIFAの実態として事業者は増えているものの、実態や課題について今後も継続して向き合う必要がある。

IFAとしてどのような活動ができるのかをしっかりと把握する

IFAは世界中で注目を浴び続けている。顧客に資産活用についてアドバイスする役割は、社会的にも大きな役割を持つ。実際に、金融機関からの過干渉が原因でIFAに移籍するアドバイザーも海外にいる。

イギリスのように報酬体系がフィーで限定されていないので、コミッションありきの提案やコンサルティングになる懸念もある。事前に情報を収集して自分にマッチする法人があるか把握しておくことが望ましい。

IFAを検討する際のおすすめの転職サイト

アドバイザーナビ株式会社が運営するIFA特化の転職エージェント。野村證券出身者が立ち上げたサービスで、IFAへの転職利用満足度No.1、金融機関勤務者が転職に使いたいサービスNo.1を獲得。

会員数8万名以上、日本最大級のハイクラス転職サイト。テレビ・新聞・雑誌など多くのメディアで紹介されている。

おわりに

転職活動中の若者

IFAになる際に、基本的にはどこかの法人に所属する形を取ることになる。
しかし、全国には約650社ものIFA法人があり、情報を取ることや比較することが難しい。

また、

「どのぐらい収益があれば生活が安定するのか?」

「皆どのようなビジネスをしているのか?」

等、IFAになること自体に対する不安の声も多い。他にも、転職する上で勤務地で法人を探すにどうすればいいのか悩んでいる方もいるだろう。
IFAへの転職に悩んでいる方は、ぜひIFA特化型の転職エージェント「アドバイザーナビ」に相談してみて欲しい。
外資系プライベートバンカー、大手・中堅証券会社のリテール、銀行の資産運用担当者(FA・FP)の方まで多数の支援実績があり、業界のことを非常に熟知している。
また、弊社のメンバーは大手証券出身者であるため実務に関しても非常に詳しい。まずは情報収集をしたいといったカジュアルな形からでも無料で面談ができるので、お気軽に相談してみてほしい。

最近は異動時期や賞与の時期が近いということもあり、毎日多くのご相談をいただいている。
現在、弊社代表も現場に出て転職エージェントとして面談をしているが、面談予約枠に限りがあるので早めの申し込みをおすすめする。

面談のお申し込みは下記フォームからお申し込みを。

参考文献

日本証券業協会 協会員の従業員数等 金融商品仲介業者の登録外務員数

一般社団法人 投資信託協会 資産運用に係る投資家及び IFA アンケート調査結果(1)―信頼関係の観点から―「金融機関担当者への意識との比較 」

みずほ総合研究所株式会社 独立系フィナンシャルアドバイザー(IFA)に関する調査研究  令和元年 7月 「FAが独立系FAへの移籍を決める理由」

日本資産運用基盤グループ 日本におけるIFAビジネス~アドバイザーとプラットフォーマーにとって儲かるビジネスなのか~ 2020年12月9日

三菱UFJ国際投信株式会社 米国IFAから考える日本版IFAの道 

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この記事を書いた人

IFA転職を運営し、IFA専門転職支援サービスを展開。創業から100名以上のIFAへの転職を支援。また、アドバイザーナビ経由でのIFAになった方の転職者のコミュニティ「Club IFA」も運営しており、IFA業界の転職市場に精通している。

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