本稿では、転勤なしであり成果報酬に近い給与形態であることからIFAとの違いの質問が多い証券会社FA職とIFAの違いについて見てみよう。
FA職とIFA
IFAとは
IFAとは「Independent Financial Adviser」の略称であり、証券会社などの金融機関から独立して顧客への資産運用のアドバイスを行っている者を指す。

FAとは
大手証券FA職「Financial Adviser」の呼称で、転勤制度がなく、地域密着型の働き方として大手証券を中心として長い間設計されていた職種である。
転勤及び昇格がない他には、一般的に自身の業績に連動した給与形態をとられていることが多く、その代わりとして全国転勤型社員にあるような昇格がない。中途入社でFAとしてチャレンジするアドバイザーも多く、異業種からの転職が多い。顧客基盤も当初は必要とされず整備された育成体制のもと、自ら顧客基盤を作っていくことが一般的である。
雇用形態は正社員が多いので当初数年間は固定給与の割合が多く支払われる。
直近求人や募集は見かけなくなったものの、大手証券会社の育成体制や信用度を活用することが出来る、という点で証券業界への挑戦の一歩として有効な手段と捉えられてきた。
大手証券FA職とIFAの違い
双方を簡単に比較したのが下記の表である。
転勤 | 知名度 | インセンティブ率 | 商品ノルマ | 出社頻度 | 証券会社 | 対応エリア | |
大手証券FA職 | なし | あり | 10-15%程度 | あり | 毎日 | 一社 | 固定エリア |
IFA(業務委託の例) | なし | なし | 40-70%程度 | なし | リモート対応可 | 複数社 | 全国対応可 |
転勤
大手証券FA職も、IFAも転勤は基本的にはなく
自分の出身地等好きなエリアで働くことが出来る。
知名度
知名度はIFA法人と比較して大手証券の方が圧倒的に高く、
顧客の新規開拓の際等、やりづらさを感じているIFAもいるようだ。
一方大手証券の場合、「全く知らない」ということは稀であり有利にはたらくと言えるだろう。
インセンティブ率
大手証券FA職の場合、会社や制度により違いはあるものの多くは
手数料に対して10-15%程度に該当する金額が賞与として支給されることが多い。
それに対して業務委託型のIFAの場合、手数料に対して40-70%程度が報酬となり、大手証券FA職よりも高いと言える。
商品ノルマ
大手証券FA職の場合、投資銀行部門や、運用会社等の関係から募集商品のノルマが課されることがある。
比較し、IFAの場合は投資銀行部門を持っていないため商品ノルマのようなものはない。そのため、顧客に合わせた提案を自身が自由に決めることが出来る。
出社頻度
大手証券FA職の場合、顧客とのアポイント等がない場合も朝から会議等のために出社をする必要があるがIFAの場合、業務といえば顧客対応が大半を占めるため
顧客対応の予定がない場合の出社義務等はない。
大手証券の時よりも余った時間を家族との時間にあてるIFAもいれば、顧客との関係構築や銘柄研究等にあてるケースもあり、時間の使い方が重要となる。
証券会社
大手証券FA職の場合は所属証券会社の口座及び取り扱い商品のみを顧客に提案することとなるが、IFAは証券会社に所属しないため、提携証券会社全ての口座及び取り扱い商品を活用し顧客に対し提案することが出来る。
対応エリア
大手証券は、各都道府県やエリアに支店があり、主に所属する支店エリアの顧客のみを対応することになる。
IFAも所属支店はあるものの大手証券と異なり顧客の対応エリアに特段の制限はなく、東京/名古屋/大阪といった感じで県やエリアを跨ぎ顧客対応をしているケースも珍しくない。
FA職からIFAへの転職相談
現在、証券ではFA職の廃止や職種転換が相次いで起こっている。
弊社ではFA職の皆様がIFAになる際のポイントなどをより精緻にまとめてご案内させていただいている。
もし、ご関心がある方は下記フォームからお気軽にご相談のお申し込みをください。