変化の激しい昨今において、自身の働き方を考え直したり、新たなキャリア形成のために行動したりする人も多いだろう。
近年では個人の投資に対する考え方が変化しつつある状況で、資産運用のアドバイスを求める需要も増えている。
この記事では、名古屋を拠点に活動するIFAへの転職を検討している人に向けて、IFA業界の現況や法人の探し方、おすすめの法人をまとめた。
IFA業界はこれから成長・拡大が期待されており、転職に関する情報がまとまっていないことも多い。
本記事を参考に、IFAへの転職を成功させてほしい。
各地でIFAが拡大する背景
そもそも日本にIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)が生まれたのは2004年とされている。
当時は金融商品仲介業者に登録していた人の数は約30名とされており、着々と増えている状況だ。
2023年には約6,500名まで増え、2030年には11,000人を超えると予測されている。
人数規模だけで見るとまだまだ市場は未熟で、これからさらなる成長を見込んでいるのがIFA業界である。
なお、アメリカを中心に、IFAは資産運用のアドバイザーとして個人から確固たる信頼・地位を獲得しており、一生涯のパートナー・相談役として関係性を構築している状況だ。
個人が投資に対して積極的に考え始めている昨今の事情を踏まえると、資産運用に関して相談できる人の需要は増えていくものと推測される。
IFA業界の規模は上記のとおりだが、以下ではIFAがさらに拡大していく背景について、3つの観点で解説しよう。
- 証券会社の方針変更
- IFA業界のサービス体制の拡充
- 異業種からの進出
それぞれの内容を踏まえ、IFAの現況とこれからを理解しておこう。
証券会社の方針変更
従来から存在感のあった大手証券会社は、新型コロナウイルスによる行動自粛や生活様式の変化により、大きな苦戦を強いられた。
オフラインの対面による営業活動に強みがあり、大手証券会社の売上は軒並み減少傾向にある。
一方、ネット証券会社は手続きの簡便化や利便性などからシェアを拡大している状況だ。
このような背景から、従来型の大手証券会社では、営業部門の業務縮小に着手している。
そこで、証券会社で活躍してきた営業担当者の次なるキャリアとして、IFAに注目が集まっているのだ。
サービスの利便性だけで差別化を図ることは非常に難しく、付加価値をいかにして生み出すかが証券業界で生き残る鍵を握っている。
そこで、個人の資産運用を長きにわたってアドバイス・サポートできるIFAとして、真に寄り添ったサービスの重要性が増しているのだ。
企業としては今後の生き残りをかけて、削れる人員は削りたいと考えるのも当然であり、言い換えると、働き方の選択肢が増えた状況だからこそ、IFAが一つのキャリアとして注目されているのである。
IFA業界のサービス体制の拡充
IFA業界全体としてサービス体制が徐々に拡充しているのも、規模拡大にプラスにはたらいている。
最近になって、IFA向けの各種支援サービスがようやく生まれ始めている。
- 顧客になりうる投資家や個人を紹介する営業支援サービス
- IFAのさまざまな業務に関する効率化を支援するサービス
- IFA法人と求職者をつなぐ転職エージェントサービス
業界内のインフラが着々と整備されているのが現在の状況で、IFAになりやすい環境が整いつつあると言える。
また、IFA法人各社においても、所属するIFAへの各種サポートも充実している。
- 不在時の電話対応
- 郵送物の処理
- システムへの入力作業
- 資格取得の支援体制
- 自己研鑽のためのセミナー・研修の開催
企業によって異なるが、IFAのスキルアップや働きやすさをサポートする体制も整っている。
業界全体だけでなく、各社の取り組みにおいても、サービス体制が拡充していることは覚えておこう。
異業種からの進出
IFAを目指す人は、証券会社出身者だけではない。
アドバイザーナビが218名のIFAに実施したアンケート調査によると、前職の内容と割合は以下のとおりだった。
- 証券会社:69%(大手45%、外資2%、その他22%)
- 銀行系:7%(メガバンク4%、その他3%)
- 保険系:16%(保険会社6%、保険代理店10%)
- その他:8%(不動産会社1%、税理士1%、その他6%)
全体の7割が証券会社出身だが、約3割は証券会社以外からIFAになっている。
保険業界からIFAを目指す人が次に多いが、各種生命保険やライフプランの提案は資産運用と関連性が高く、顧客にトータルな提案ができるという意味でもメリットが大きい。
金融に関する広範な知識が必要である以上、現職が広義の金融業界であれば、IFAとして活躍するチャンスが広がっていると言える。
IFAの数自体もまだまだ少ないため、業界におけるポジション取りの観点からしても、IFAへの転職はおすすめである。
名古屋でIFA活動をする方法
IFAとして活動するには、IFA法人に転職する、またはIFA法人を設立する必要がある。
IFA法人に転職する際も、業務委託契約を結んでフリーランスとして働く場合と、雇用契約を締結して正社員として働く場合の2つに分けられる。
ここでは、名古屋でIFAとして働く方法について詳しく解説しよう。
名古屋で拠点のあるIFA法人を探す
名古屋でIFAとして活動するなら、拠点が名古屋にあるIFA法人を探すのが最も王道のパターンだ。
令和5年11月30日時点における金融商品仲介業者への登録数は678で、うち、愛知県に本店等を構えている事業者数は45社であった(個人登録を除く)。
東海財務局に事業者登録しているのは合計72者で、半数以上が愛知県内であることがわかる。
選択肢は限られるかもしれないが、言い換えると、その中から選ぶしかないためむしろ行動しやすいだろう。
登録事業者一覧の上から順番に公式サイトを閲覧して、興味のあるIFA法人に転職できないかアプローチすることをおすすめしたい。
名古屋に拠点はなくともリモートで働けるIFA法人を探す
愛知県に本店等がある事業者は45社しかないが、名古屋に拠点がないとしても、リモートで働けるIFA法人も存在するため選択肢は豊富にある。
関東財務局に事業者登録している数は合計316者で、全体の約半数は東京を中心とした都心部に拠点を構えている。
これらのIFA法人のなかには、全国展開している法人もあるうえ、名古屋に拠点はなくともリモート勤務が可能な法人も多い。
IFAへの転職を希望する際は、まずは大手のIFA法人から検索して、名古屋に支店がないか確認してみるとよいだろう。
大手の場合はリモート勤務にも柔軟に対応していることが多いため、条件にマッチする転職先が見つかるはずだ。
所属するIFA法人を探す際の選定ポイント
IFAへの転職を考える際、どのような基準で法人を比較検討すべきか悩む人は多いだろう。
一般的な転職活動と同じような基準で企業を選定しても差し支えはないが、IFA業界ならではの意識したいポイントがある。
なかでも、以下の3点は特に注目すべきだ。
- 提携証券会社
- 法人規模
- インセンティブ率
それぞれについて、具体的に解説していこう。IFA法人を比較検討するヒントにしてみてほしい。
提携証券会社
IFA法人を選定する際は、提携している証券会社に着目しよう。
IFAになったからと言って、世の中に存在するあらゆる金融商品を提案できるわけではない。
IFAは「金融商品仲介業者」として国から登録を受けていることからもわかるように、証券会社と個人投資家などを仲介する役割を果たしている。
その際、IFA法人が提携している証券会社の金融商品でなければ取り扱えないため、提携先の確認は極めて重要なのだ。
提携している証券会社に限りがあると、その分提案できる金融商品も限定的になる。
逆に、さまざまな証券会社と提携していれば、顧客のニーズに最適な商品を提案しやすい。
ほかにも、保険業界からIFAに転職するのであれば、生命保険の取り扱いも可能か併せて確認すべきだろう。
自身が強みとする商品を扱えない場合、活躍のチャンスを失いかねない。
IFA法人各社の会社概要ページを見れば提携先が一覧になっているため、所属先を検討する際は必ず確認しておこう。
法人規模
IFA法人の規模も必ず確認してみてほしい。
2023年時点におけるIFAの数は約6,500名であり、金融商品仲介業者として登録をしている事業者の数は678者だ。
これらの数からもわかるように、多くのIFA法人は小規模な組織体制で運営されている。
大手のIFA法人の場合でも従業員数は200名ほどであり、数十人でも十分な規模であることは覚えておこう。
そもそも、IFAの認知度はまだまだ低いのが現状であり、IFAとして活躍していくなら規模の大きな法人に所属し、集客力を借りるのがおすすめである。
世間からは「FPとの違いが何か分からない」「自己利益を優先した商品を提案されそう」などと認識される状況であるのは否めず、信頼をいかにして獲得するかが重要だ。
この点、規模の大きなIFA法人のほうが活動の基盤も整備されているため、必ず確認しておきたい項目と言えるだろう。
インセンティブ率
IFA法人の比較検討で最も重要な項目の一つが、インセンティブ率である。
インセンティブ率とはバック率とも呼ばれ、要するに、契約できた金額に対して何%が報酬として支払われるかの割合のことだ。
インセンティブ率を考える前に、IFA法人に転職する際は、業務委託契約または雇用契約を締結することになるのは冒頭で解説したとおりである。
業務委託契約を結んで働くスタイルは、要するにフリーランス型の働き方で、完全歩合制でインセンティブ率は総じて高い。
一般的に、フリーランス型の場合のインセンティブ率は50〜70%に設定されており、収入の上限は青天井に近いのが特徴である。
一方、雇用契約を結んで働くスタイルは正社員型の働き方であり、多くの人が現在選択している働き方と同じだろう。
正社員型の場合、インセンティブ率は総じて低く設定されているが、そもそも固定給や賞与が支払われる特徴がある。
正社員型の場合のインセンティブ率は30%前後となっていることが多く、収入が跳ね上がるケースはないに等しい。
なかには報酬形態がハイブリッドなタイプもあり、正社員型よりも固定給は低いが、インセンティブ率が30〜50%に設定された歩合制も採用するケースがある。
どちらも一長一短あるが、フリーランス型の働き方を選べば、IFA法人の所在地が東京や大阪などであっても名古屋で働けるだろう。
しかし、収入の安定性は低くなるため、顧客の確保や駆け出し時期をいかに乗り越えるかが鍵を握る。
名古屋で活動のできるIFA法人例
ここでは、名古屋で働けるIFA法人を3つ紹介しよう。
- CSアセット
- ひびきFA
- ジャパンウェルスアドバイザーズ
上記はあくまで一例であるが、法人研究の参考にしてみてほしい。
CSアセット
「CSアセット」は、2012年に設立された名古屋に本社を構える比較的歴史のあるIFA法人で、東海地方では最大規模を誇る。法人概要は下表のとおりだ。
設立 | 2012年11月 |
本社所在地 | 愛知県名古屋市中区丸の内3-17-29 丸の内iaビル4F |
支店数 (本社除く) | 19 |
従業員数 | 223名(2023年6月時点) |
雇用形態 | 業務委託型 |
提携業者 | ・楽天証券株式会社・あかつき証券株式会社・株式会社SBI証券・オリックス生命保険株式会社・SOMPOひまわり生命保険株式会社・メットライフ生命保険株式会社・アクサ生命保険株式会社・ジブラルタ生命保険株式会社・日本ペット少額短期保険株式会社・日本生命保険相互会社・はなさく生命保険株式会社 |
CSアセット株式会社は、顧客からの預かり資産総額が1,000億円を超える大手のIFA法人である。
雇用形態は業務委託型で、設備の利用費やオフィスの利用料といった在籍料が一切かからないのも特徴だ。
- パソコンやモニター
- 電話
- デスク
- 名刺
上記などの備品類も無償で提供されるため、経費を抑えながらIFAとして働けるのは大きなメリットになるだろう。
ひびきFA
ひびきFAは、大阪で創業し、100年以上の歴史があるひびき証券と楽天証券が2012年2月に共同出資して設立したものである。
証券会社の対面リテール事業部門を金融商品仲介業者へ業態転換させた日本で初の会社で、ひびきFAも国内では歴史のある法人だ。
ひびきFAの会社概要は下表のとおりである。
設立 | 2012年2月 |
本社所在地 | 東京都品川区東品川2丁目3番14号 東京フロントテラス13階 |
支店数 (本社除く) | 7 |
従業員数 | 50名超(2021年12月現在) |
雇用形態 | 社員、業務委託型 |
提携業者 | ・楽天証券株式会社・日産証券株式会社・株式会社SBI証券・あかつき証券株式会社・東海東京証券株式会社・三井住友海上あいおい生命保険株式会社・楽天生命保険株式会社・SOMPOひまわり生命保険株式会社・大樹生命保険株式会社・ソニー生命保険株式会社・日本生命保険相互会社 |
ひびきFAは東京に本社を構えているが、名古屋にも支店がある。雇用形態も正社員と業務委託を選択できる。
正社員型の場合は固定給プラスインセンティブ報酬で、業務委託型(契約外務員)の場合は完全インセンティブ報酬だ。
ひびきFAは金融商品の仲介以外にも、相続対策やM&Aなど幅広い業務を扱っているのも特徴で、2018年度の預かり資産額は300億円弱だったが、2021年度には600億円まで増加しており、成長著しい法人と言えるだろう。
ジャパンウェルスアドバイザーズ
ジャパンウェルスアドバイザーズ株式会社は、顧客重視の金融サービスを実現し、伴奏できる金融アドバイザーを目指すことを主眼に置く法人だ。
会社概要は下表のとおりである。
設立 | 2019年9月 |
本社所在地 | 東京都中央区日本橋小舟町8-1 |
支店数(本社除く) | 1 |
従業員数 | 不明 |
雇用形態 | 業務委託型(原則) |
提携業者 | ・あかつき証券株式会社・株式会社SBI証券・マネックス証券株式会社 |
ジャパンウェルスアドバイザーズが創業されたのは比較的最近で、IFAの募集を積極的に行っている。
営業ノルマや会社都合の転勤はなく、業界最高水準のインセンティブ率とサポート体制で、働きやすさが魅力的だ。
原則として委任契約を締結することになるが、各種社会保険も完備(要相談)しており、IFAとしての第一歩を踏み出すにはおすすめと言えるだろう。
IFAを選ぶ際の相談先
IFAへの転職を検討する際は、第三者から客観的なアドバイスを受けることでスムーズかつ後悔なく転職活動できるだろう。
IFAを選ぶ際の相談先として挙げられるのは以下の通りだ。
- 勤務先の上司や同僚
- 知り合いのIFA
- 転職エージェント
相談の内容にもよるが、IFA業界はまだまだ未成熟な市場であり、情報が整備されているとは言い難い状況である。
上司や同僚に相談しても的確なアドバイスをもらえるとは限らず、身近な存在にIFAがいるのも稀だろう。
やはり、転職活動を効率よく進めるには転職エージェントの力を借りるのがおすすめである。
ただし、転職エージェントにおいても情報量に違いがあり、より的確なアドバイスをもらうならIFA業界に特化したエージェントを利用しよう。
「IFA転職(アドバイザーナビ)」は、IFAへの転職に特化した転職エージェントである。
キャリアコンサルタントはIFAを経験しており、求職者のヒアリングや希望を満たす求人の案内ももちろん可能だ。
提携しているIFA法人の数も豊富であるため、名古屋で働きたい人も「IFA転職」にぜひ相談してみよう。
まとめ
IFA業界は現時点でまだまだ未成熟であるが、これから成長が期待される業界だ。
証券会社や異業種からの転職も含めて、活躍のチャンスが十分見込めるため、転職を検討している人も多い状況である。
IFA法人を比較検討する際は、以下の3つに着目しよう。
- 提携証券会社
- 法人規模
- インセンティブ率
そもそもIFA法人によって雇用形態も異なるため、自身の理想とする働き方を踏まえて、さまざまな角度でIFA法人の研究・リサーチを進めて欲しい。
IFA法人への転職に関する相談がある際は、転職エージェントの利用がおすすめだ。
なかでも、「IFA転職」なら、IFAを経験したキャリアコンサルタントが親身になって相談に乗ってくれる。
転職に関する悩みもスムーズに解決できるのはもちろん、理想的な法人に出会える確率も高まるだろう。
IFAとして名古屋で働きたいと考えている人は、ぜひIFA転職に無料相談することから始めよう。