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証券会社のシニア層でもIFAへの転職は可能?

人生100年時代といわれる現在は、定年退職後も働き続けることが一般化している。

証券会社で働いているシニア層も、役職定年が近づくことで今後の働き方や収入の変化について考えることが増えるだろう。

そこで現在注目されているのが、証券会社からIFAへ転職するシニア層である。

本記事では、証券会社のシニア層がIFAへ転職するメリットや、IFAとして活躍している人の特徴について解説していく。

目次

証券会社勤務のシニア層が抱える課題

証券会社のシニア層が転職を考える理由として、次のような課題を抱えていることが挙げられる。

証券会社のシニア層が転職を考える理由
  • 役職定年後の収入減
  • 営業ノルマへの疲弊
  • 転勤

それぞれくわしく解説していこう。

役職定年後の収入減

証券会社に限らず、役職定年を迎えると役職を離れることから収入が減少していく傾向にある。

しかし、「まだまだ働き盛り」と感じている人にとっては、役職定年がモチベーションの低下につながってしまうことも少なくない。

これまで証券営業としてバリバリ働いてきた世代にとって、「定年退職まで時間を持て余す」という状況は刺激がないと感じるかもしれない。

また、人生100年時代といわれる現在では、「元気なうちはなるべく働き続けて収入を得たい」と考えている人も多いだろう。

役職定年を迎えて収入が減少するのであれば、「もう少し収入が期待できるところへ転職したい」と考える人が増えるのも仕方がないことだといえる。

営業ノルマへの疲弊

証券会社での仕事は、営業ノルマと切っても切れない関係がある。

若いときからずっと半期ごとの営業ノルマをこなしてきているとはいえ、年齢を重ねた今「毎期営業ノルマに縛られるのが苦痛だ」、「若いときと同じように働くのは難しい」と感じることもあるかもしれない。

また、経験を積んで自らの営業スタイルが確立された結果、会社の営業方針と合わないと感じることが増えることもある。

「このお客さんには別の商品のほうが向いているのに」、「新商品ばかり紹介するのは気が引ける」など不満を感じながら働くのは、精神的にもストレスが大きい。

証券営業として働く限りは、会社の営業方針や営業ノルマと付き合っていくことになるため、「この生活が続くなら、違うところへ転職して働き方を変えたい」と考える人もいるだろう。

転勤

転勤も証券会社で働く宿命のひとつである。証券会社ではおよそ3年周期で転勤があるため、ひとつの拠点で暮らし続けることが難しい。

これまで何度も転勤を経験して慣れているとはいえ、3年周期で環境がガラリと変わるのは営業ノルマ同様に大きなストレスだ。

特に、家族から離れて単身赴任をしている場合は、「家族と一緒に暮らしたい」、「家族と過ごす時間をもう少し増やしたい」と感じる人もいるだろう。

また、セカンドライフに向けて、生活の拠点を決めたいと考える人も多い。

そのため、「セカンドライフを過ごす土地で仕事を見つけておきたい」という理由から転職を考える人もいるようだ。

証券会社のシニア層が転職でぶつかる壁

証券会社のシニア層が転職活動を行う際、次のような壁にぶつかってしまうことがある。

証券会社のシニア層が転職でぶつかる壁
  • 収入の壁
  • 業務内容の壁
  • 福利厚生の壁

それぞれくわしく解説していこう。

収入の壁

転職の際に大きなポイントとなるのが収入だ。

当然のことながら、転職をするなら同程度以上の収入はキープしたいと考える人がほとんどだろう。

しかし、証券会社を含む金融業界は他の業種に比べて平均給与が高い傾向にある。

業種平均給与(千円)
金融業、保険業5,905
不動産業、物品賃貸業4,147
サービス業3,172
医療、福祉3,409
全体平均3,896
出典:国税庁「令和4年民間給与実態統計調査結果」

上記表を見ると、業界全体の平均給与は約390万円であるのに対し、金融業・保険業は590万円となっており、200万円ほど上回っていることが分かる。

異業種へ転職する際は、現在ほどの給与水準を求めていると、なかなか転職先が見つからないこともあるかもしれない。

業務内容の壁

異業種への転職は、業務内容が壁になることもある。

たとえば、経理職に就いている人であれば、異業種への転職であっても事務スキルを活用できる可能性が高い。

一方、証券営業では金融商品やマーケット、税制などに関する知識は得られるものの、異業種で活用できるようなスキルについては身につかないことが多い。

「金融業界はつぶしが効かない」といわれるのはこの点で、異業種へ転職する際はゼロからのスタートとなることも十分ありえる。

これまで何十年と築いてきたキャリアが活用できないのは、転職の際の大きなハードルになるだろう。

福利厚生の壁

転職の際は、福利厚生についてもよくチェックしておきたいポイントだ。

休暇制度や諸手当、健康に関するサービスなどの福利厚生は、企業によって大きく異なる。

証券会社は福利厚生が充実していることが多く、無意識のうちに恩恵を受けていることも多い。

もし、今の会社と同じような福利厚生を求めてしまうと、なかなか転職先が見つからないことも十分あるだろう。

転職先を選定する際は、今と同程度の福利厚生を求めるのではなく、「これだけは譲れない」という点を決めてその制度が整っている企業を選ぶようにしよう。

全ての壁を解決しうるIFAのメリット

証券会社からの転職にはさまざまな壁があるが、それらを解決しうるのがIFAへの転職だ。

IFAへ転職することには、主に次のようなメリットがある。

IFAへ転職することのメリット
  • 収入アップが狙える
  • 業務内容がほとんど変わらない
  • ライフプランに合わせて働ける

それぞれくわしく解説していこう。

メリット①収入アップが狙える

IFAには、「業務委託型」「正社員型」「ハイブリッド型」の3つの働き方があるが、業務委託型は収入が青天井になる特徴がある。

業務委託型は個人事業主として働く形で、手数料収入の一部を還元してもらう報酬体系がとられている。

バック率は50〜70%ほどが平均で、仮に70%のバック率で年間1,500万円の手数料収入を得た場合、1,050万円の報酬を受け取れる仕組みだ。

アドバイザーナビ株式会社が実施したアンケート調査によると、前職からの収入の変化は下記の通りだ。

出典:アドバイザーナビ株式会社「独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)に関する調査報告書2023」

同程度以上と答えた人は全体の73%にのぼり、転職によって収入が減少している人は一部であることが分かる。

業務委託型のIFAでは自分の頑張りが収入に直結するため、場合によっては証券会社に比べて収入がアップする可能性もある。

「転職後も同程度以上の収入を維持したい」という人にとっては、嬉しいポイントといえる。

メリット②業務内容がほとんど変わらない

IFAは、証券会社と業務内容がほとんど変わらないのも大きなメリットだ。

前述のアンケート調査によると、現役IFAが取り組んでいる業務内容は下記の通りとなっている。

出典:アドバイザーナビ株式会社「独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)に関する調査報告書2023」

最も割合が大きいのは債券や株式、公募・私募ファンドなどのブローカレッジ業務である。

業務内容としては証券会社とほとんど変わらないため、これまでのキャリアで培った経験や知識をそのまま活用することが可能だ。

「転職したいが、経験ゼロの異業種にチャレンジするのは抵抗がある」、「これまでのキャリアや経験を活かしたい」という場合は、IFAへの転職を検討してみるとよいだろう。

メリット③ライフプランに合わせて働ける

業務委託型のIFAは、働き方の自由度が高いことも魅力のひとつだ。

業務委託型は個人事業主として働くため、勤務時間や出社頻度を自由に決められる。

最低限の出社頻度が定められていることはあるが、基本的には自分のペースでスケジュールを組むことができる。

これまで証券会社でノルマや時間に追われていた人にとって、マイペースに仕事を進められるのは大きな魅力といえるだろう。

また、業務委託型のIFAは自分でリタイアの時期を決められることも特徴だ。

個人事業主は会社員のように定年退職がないため、60代、70代になって働き続けることもできる。

「体が元気なうちは働き続けたい」という人は、IFAとして活躍し続けるのもひとつの選択肢だ。

IFAで活躍している人の特徴

IFAで活躍している人にはどのような特徴があるのだろうか。

ここでは、前述のアドバイザーナビのアンケート調査の結果をもとに、IFAとして活躍している人の特徴について解説していこう。

前職

アドバイザーナビのアンケートでは、IFAとして活躍する人の前職に関する調査が行われている。結果は下記の通りだ。

出典:アドバイザーナビ株式会社「独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)に関する調査報告書2023」

現役IFAのうち69%が証券会社出身で、そのキャリアを活かしている人が多いことが分かる。

その他にも銀行系や保険系が続いており、IFAは金融業界出身者の転職先として選ばれている。

IFA転身後も同じようなキャリアを持つ人と働けるので、大きなギャップを感じることも少ないだろう。

年齢

現役IFAとして働く人の年齢分布は下記の通りとなっている。

出典:アドバイザーナビ株式会社「独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)に関する調査報告書2023」

最も多いのは30代で、全体の45%を占める結果となった。

しかし、次いで多いのが56〜60歳のゾーンで定年退職前後の人も多く活躍していることが分かる。

60歳以上の人も13%いるため、年齢にとらわれず働くことができる業界といえる。

外務員としての活動期間

同調査では、外務員としての活動期間についてもアンケートが行われている。

出典:アドバイザーナビ株式会社「独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)に関する調査報告書2023」

最も多いのは10年以上のキャリアを持つ人で、全体の28%を占めている。

次いで「15年以上」、「20年以上」と答えた人が多くなっており、外務員として長いキャリアを積んでいる人がIFAへ転職している結果となった。

IFAは基本的に仕事を自己完結することが求められるため、豊富な経験を持つベテラン勢にとっては働きやすい環境といえる。

IFAとして安心して活動するために大切なこと

IFAとして安心して活動するためには、次の3つのポイントを押さえておく必要がある。

IFAとして安心して活動するために大切なこと
  • 条件交渉
  • 収入が変化することへの覚悟
  • 情報収集

それぞれくわしく解説していこう。

条件交渉

IFAとして安心して活動するためには、転職時によく条件を交渉することが重要だ。

IFAは多様な働き方があるうえ、報酬体系もIFA法人によって大きく異なる。

より働きやすい環境を築くためには、IFA法人へきちんと交渉する必要がある。

とはいえ、「自分で条件交渉する自信がない」という人も多いだろう。

その場合は、転職エージェントを活用することがおすすめだ。

転職エージェントでは代わりに条件交渉を行ってくれるため、自ら転職先とやり取りを行う必要がない。

現職と並行しながら転職活動を進めるためには、転職エージェントのサポートを受けることを検討してみよう。

収入が変化することへの覚悟

先ほどIFAは収入アップが狙えることを紹介したが、それは収入が減少するリスクも含んでいる。

アドバイザーナビが行ったアンケートでは、実際に半分以下に収入が減少した人も見られ、必ずしも収入が増えるとは限らない状況だ。

自分の頑張りが収入に直結するということは、市況などの要因によっては収入が減少する可能性があるということをよく理解しておこう。

情報収集

転職活動の際は、業界に関する情報収集を行うことが重要だ。特にIFAでは多様な働き方が選べるため、さまざまなモデルケースを調べ、自分に向いている働き方を考えておく必要がある。

また、転職エージェントを活用すると、自分では得られないような業界情報を提供してもらえるメリットがある。

効率よく転職活動を進めるためには、業界特化型の転職エージェントをぜひ活用してみよう。

シニア層からの転職はIFAがおすすめ

シニア層の証券会社からの転職先には、働き方の自由度が高いIFAがおすすめだ。

業務委託型のIFAはマイペースに仕事を進められるうえ転勤もないので、これまでとほぼ変わりない業務を続けながら時間にゆとりを作ることができる。

また、業務委託型の場合は定年退職もないので、「なるべく働き続けたい」という人にもおすすめの転職先である。

当サイト「IFA転職」では、証券会社からIFAへの転職活動をサポートしております。

転職をご検討されている方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

IFA転職を運営し、IFA専門転職支援サービスを展開。創業から100名以上のIFAへの転職を支援。また、アドバイザーナビ経由でのIFAになった方の転職者のコミュニティ「Club IFA」も運営しており、IFA業界の転職市場に精通している。

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