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TOEICの成績は転職で有利になるのかを考える

国際化が叫ばれて久しい今、英語に関する需要と関心は非常に高い状態にある。2020年からは小学校でも営業教育が必須とされていて、3年生から外国語の学習が始まり、5年生からは英語が必須の科目として取り入れられている。

このような状況で、英語の能力を計る指標のうちのひとつである「TOEIC」は、どれくらい転職に役立ってくれるのだろうか。

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目次

TOEICとは

まず、「TOEICとは何か」について解説していこう。

TOEIC(トーイック、トイック。以下、特段の事情がない限りは、「TOEIC」と記述する)とは、世界160か国で実施されている英語の試験である。世界共通のテストであり、英語を通して人と意思の疎通をはかることを目的として設定されたものだ。なおTOEICには5つの種類があるが、一般的に「TOEIC」とする場合は「TOEIC Listening & Reading Tests(聞く力と読む力を問うもの)」を指すことが多い。

TOEICは、「合格・不合格がないこと」でもよく知られている。満点は990点で、「スコアはいくつか=何点取れたか」で評価されるのが特徴だ。
なお、各スコアが示す英語力の目安は、おおむね以下の通りである。

  • 400点~500点……中学英語レベル。「転職」を希望する年齢ならば、履歴書には書かない方が良い点数。
  • 500点~600点……平均レベル。日本人の平均的なスコアがここに位置する。プラスの印象もマイナスの印象も与えない。
  • 600点~700点……平均よりも上位の成績であり、ある程度の英語力があると認められる段階。履歴書の資格欄に書きたいのならば、これくらいの点数は取っておきたい。
  • 700点~800点……いわゆる「英語が得意」と言えるレベル。履歴書に書いておくとプラスととらえられやすい。
  • 800点~900点……ビジネスの場で十分に使えるだけの英語力を持っていると認められる段階。このスコアならば、英語を日常的に使う業種への転職もチャレンジしやすい。
  • 900点~990点……ネイティブとほぼ等しい英語力を持っていると評価される。英語を生かした業界への転職時において、非常に強いアピールポイントになる。

上記を踏まえたうえで、「それではTOEICは転職活動に役に立つか立たないか」について考えていこう。

役に立つこともあれば、役に立たないこともある

結論からいえば、「TOEICのスコアは、転職時において役に立つこともあれば役に立たないこともある」となる。

TOEICの活用状況について問うたアンケートがあり、そのなかで企業に対して「採用の際に、TOEICの点数を要件または参考にしているかどうか」という設問があった。

新規採用に関しては44.5%が「要件にも参考にもしていない」と答えている。また、英語を使用する部署への中途採用(転職)であってすら、「要件にも参考にもしていない」と答えた層が38.4%もいる。さらに、「今後要件や参考にするかもしれないが、現時点ではしていない」と答えた層を合わせると、前者では50.8%と過半数を超え、後者でも45.8%と半数近くになる。

ただし、「英語を使用する部署への中途採用(転職)の場合は、TOEICのスコアを要件としている」と答えた層は1割を超えている。また、新卒の場合でも4.2%がこれを要件としている。参考にしている層はもっと厚く、新卒の場合は44.9%、英語を使用する部署への中途採用(転職)の場合は43.6%となっている。

なおこのデータでは「昇進昇格にTOEICは関係するか」「海外赴任者を選ぶときにTOEICは関係するか」も聞いている。前者では「関係しない」と答えた層がどの役職でも過半数を超えている。しかし後者の場合は、「関係しない」と答えた答えた割合は40%を切っている。

このデータを見ていくと、TOEICを必要としている企業と必要としていない企業がほぼ拮抗していることが分かる。また社内人事においては、「昇進に関わってくる可能性は低めではあるが、海外赴任には関わってくる可能性がある」ということが示されている。

このようなことから、冒頭で述べた通り、「TOEICのスコアは、転職時において役に立つこともあれば役に立たないこともある(そして、社内人事においても考慮されることもあれば考慮されないこともある)」という結論になるのだ。

英語力が求められる業界と、働き方について考える

上記を踏まえたうえで、「それではTOEICは、実際の現場でどのように生かされているか」について考えていこう。

英語が使用されている業界で活躍するのであれば、TOEICのスコアが高いことは十分な強みとなるだろう。たとえば電機・精密機器を取り扱う企業では英語が日常的に使われているし、情報通信や通信サービスの業界でも英語はよく使用されている。

商社のなかには「そもそも英語ができないと働くことも難しい」とするところもあるだろう。また、ユニクロを傘下に持つ株式会社ファーストリテイリングでは、「日本国内であっても、幹部以上はすべて英語を使う」としている。

このように英語を当たり前に使用できることが求められる業界は、決して少なくない。そしてTOEICは、その英語力を判断する指標となりえる。

しかし、「英語だけができればよい」と考える企業が非常に少ないのもまた事実だ。実際の現場においては、「英語ができることは当然として、それ以外の別のスキルを求める」としているところが多く見られる。また英語を日常的に使う企業であっても、「英語を使える人材はほかにもいる。求めるのは、(英語以外の)専門分野の高い技術力と知識であり、それがあるのならば英語はまったくできなくても構わない」としているところもある。

これらを合わせて考えると、「TOEICに代表される英語力は、たしかに転職や社内人事においてプラスに働くこともあるが、それだけで勝負していくことはなかなかに厳しい」という現状があるといえるだろう。

魅力的に見えるアピール方法」を知っておきたい

TOEICは有用な資格のうちのひとつではあるが、これ一つだけで戦うにはかなり難しい資格である。転職活動において重要なのは、「TOEICと掛け合わせて売り出せる強みは何か」「TOEICの資格取得をする過程で、何を得たのか」「前職でどのように英語力を使ってきたのか」をアピールする技術である。

このような技術を習得するためには、キャリアコンサルタントのアドバイスを受けるのが有用だ。彼らは、資格や強みをどのように履歴書(やそれに続く面接)に反映させるかを指導してくれるだろう。

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この記事を書いた人

IFA転職を運営し、IFA専門転職支援サービスを展開。創業から100名以上のIFAへの転職を支援。また、アドバイザーナビ経由でのIFAになった方の転職者のコミュニティ「Club IFA」も運営しており、IFA業界の転職市場に精通している。

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