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証券アナリスト資格を取得後のキャリアとは

CMAとは、Certified Member Analyst of the Securities Analysts Association of Japanの略称で、「日本証券アナリスト協会認定アナリスト」を意味する。協会の定める所定の教育講座(以下、CMA講座)を受講した上で、それに基づく試験に合格し、一定の要件を満たすことで認定される資格であり、⾦融・投資のプロフェッショナルの証である。

CMA資格の取得を通して得た知識を活用できる範囲は、証券アナリストという職種だけにとどまらない。株式や債券による資産運用、自社の財務戦略や新規ビジネスといった事業戦略、M&Aなどの投資戦略の策定など、その活用範囲はかなり幅広いものとなる。CMAは、深い専門知識と高い職業倫理観を身につけた金融・投資のプロとして、様々な分野で活躍している。

本記事では、CMA取得後に考えられるキャリアパスについていくつかのパターンを紹介する。

目次

資格を活かして転職する道、副業や自己の資産運用に活かす道

日本証券アナリスト協会「CMAとは」より引用

上記の表は、2022年9月末現在でのCMA取得者の所属内訳である。

金融・投資のプロを謳う資格だけあって、銀行や証券会社、投資運用等の金融関連の業界がその内訳の多数を占める

以下は、CMA取得者の多数が金融業界において従事する具体的な役職である。

  • リサーチ・アナリスト(企業・産業調査)
  • エコノミスト(経済分析)、ストラテジスト(投資戦略)
  • クオンツ・アナリスト(計量分析)
  • クレジット・アナリスト(企業の信用評価)
  • ファンド・マネージャー(投資運用)
  • ベンチャー・キャピタリスト(企業育成)
  • インベストメント・バンカー(企業金融)

CMA取得者は上記のようにその専門的な知識を発揮できる仕事につく割合が高い。

参考までに日系証券アナリストの平均年収は約651万円であり、外資系証券アナリストの平均年収は約800万〜1500万円とかなり高年収である。

また、証券会社の平均年収は約660万円、投資信託会社は約650万円、生命保険会社は約630万円、金融機関全般は約640万円と、CMA取得者が多数在籍する業界はそもそも業界自体の年収が高水準にある傾向にある。

これらは日本の平均年収である445万円(2022年数値)と比べても高く、かなり稼げる仕事である。そのため、転職で給料を上げるためにこうした業界を志す人にとってCMAはかなりおすすめの資格であると言える。

また、金融関連以外の業界においてもCMAの資格を活かすことは十分に可能である。

例えば事業会社において必要不可欠な財務担当やIR担当として活躍したり、深い金融知識に立脚したコンサルタントとして活躍する道も考えられる。

上記のように金融全般の業界において強みを持つCMA資格であるが、その取得のためには試験合格後に実務経験を3年間積む必要がある。

そのため、もともと金融業界に所属していた上で転職を志す場合でない限り、実際にCMAを取得した状態で転職活動を行えることはほとんど稀である。

しかし、試験合格を勝ち取った時点で金融業界への深い理解度と高度な数学知識を有し、高い分析力を備えていることを実績としてアピールすることが可能である。CMA試験の合格によって、他の転職希望者と差別化を測りながら転職活動を進められる。(参考として、第2次試験に合格し、かつ実務経験が3年に満たない場合は、検定会員補に登録することができる。検定会員補に登録した場合、登録料・登録継続費を支払う必要があるが、大学・大学院在学中に第二次試験に合格した学生は25歳に達するまでは免除の対象となるため、入会しておいて損はない。また、実務経験が3年に達した後は検定会員としていつでも入会申込が可能である。)

転職を行わない場合であれば、証券アナリストを副業に活用する道も考えられる。クラウドソーシングサービスで金融系記事作成や経済関連のデータ分析など金融系案件の受注を試みる際、CMAを保有していると受注率の向上が見込める。

特に金融系記事作成の案件は豊富にあり、中には高単価の案件もあるがそうした案件は希望者が多いために受注することが難しい。

証券アナリスト資格の保有を証明することによって他の受注希望者と差別化を測ることで受注率をアップし、副業で効率的に収益を上げることが可能である。

また、証券アナリストで学習する知識は、自身で株式や国債投資を行って資産運用をする際も大きな効果を発揮する。

例えば経済に関しての項目を学ぶことで、政府の行う経済政策がどのように市場にマクロ的な影響を及ぼすか理解することができる。財務分析の項目では決算資料の読み解きに加えて数学や統計に基づいたリスク分析を学ぶことができるため、ミクロに個別の企業に投資する際もしっかりとした判断軸で評価を行うことが可能になる。証券分析の項目では投資のリスクや効率的な株式運用、運用ポートフォリオの組み方等、投資を行う際に自己資金を如何に配分して立ち回るかについて学ぶことができる。

CMAを取得することは漠然と投資するリスクを抑え、理論に基づいた判断の上で投資を行うことに繋がるため、運用成果の向上を見込むことができる。

別分野の資格や上位資格の受験を行う道

最後に、別分野の資格取得を目指したり、CMAより更に上位の資格の受験を目指す道もある。

プライベートバンカー資格

例えばCMA資格を取得すると、プライマリーPB(プライベートバンカー)資格の受験料が割引になり、またシニアPBの受験資格が付与される。プライベートバンカーとは、 富裕層、準富裕層と呼ばれている概ね資産5千万円以上の人々を対象に、中小企業オーナー、医師、地主、弁護士等専門職等の顧客の立場にたって、一族の資産保全・承継の支援を行うために、 包括的な金融サービスをするプロフェッショナルのことを指す。

日本における高齢化、少子化、そして金融資産等の高齢層への集中、グローバル化の進展等の状況の中で、真に顧客の立場にたってプロフェッショナルなアドバイスができる、「プライベートバンカー」へのニーズは急速に高まっている。

CMAの勉強を通じて金融知識の全般的な理解と財務・経済に関する分析力を身に着けた後は、プライベートバンカーとしてより狭義な領域に関して深く実践的な知識を身につけ、富裕層、準富裕層向けの金融サービスを提供しながら活躍する道も開ける。

アナリストの上位資格

CMAに合格した後に更に上位の資格を目指す場合は、CMAの上位に位置する国際公認投資アナリスト(CIIA)と米国証券アナリスト(CFA)の二つの道が考えられる。

まずCIIA(Certified International Investment Analyst)の受験が考えられる。

CIIAはACIIA(Association of Certified International Investment Analysts)によって運営される証券アナリスト資格であり、国際的に通用する証券アナリスト育成を目的とした難関資格である。

CIIAは日本語もしくは英語で受験が可能である。

本資格は証券アナリスト試験(CMA)に合格し、登録していることが条件となるため、証券アナリストに合格していなかったり、未登録である場合は受験することができない。

CIIAの日本における会員数は2826人とCMAの1/10ほどしかおらず、この資格を有することはCMA資格取得者よりも更に金融知識や分析力の面で差別化を測ることに繋がる。

晴れてCIIAの試験を突破し、協会に登録すると30を超える国・地域それぞれの証券アナリスト協会に入会することが可能になる。

CIIAに合格していれば、FCA(英国金融行為監督機)やSFC(香港証券及期貨事務観察委員会)等で一部試験を免除されるため、特定科目合格のみでそれら協会の会員になることが可能である。

次に米国証券アナリスト(Chartered Financial Analyst)を取得する道が考えられる。

一般的に「CFA」と言われるこの資格は、金融業界において最も価値のある資格と言われている。
本資格の受験資格はCIIAと違って四大卒であることのみを条件とするにも関わらず、日本における会員数は1400人しか存在しないため、名実ともに最難関の資格であると言って良い。
試験内容が英語であり、論述を含めた3回の試験を突破しないといけないことがその難易度の理由である。
本試験はCFA協会が50年以上に渡って実施している試験であり、歴史ある資格でもある。
この試験はCFA Instituteが1963年から実施しており、CIIA試験よりも歴史がある。

取得者数はCIIAの1/2程度とかなり少ないが、本資格を保有していることは金融業界においてトップレベルの国際性と専門性を有していることの何よりの証明になる。

CIIAは会員数が日本で約2800人、CFAは会員数が日本で約1400人と、どちらの資格も取得者がCMAと比べて格段に少ないため、これらの資格を取得していれば、金融関連の業務に従事する場合にかなり高い評価を持って受け止められる。

特にCFAは試験が英語でありながら論述を含めて3回の試験を突破しなくてはならないこと、日本での取得者がCIIAの1/2ほどの超難関資格であること、金融の中心が米国を考えると、どちらかを選ぶ場合はCFAの勉強を進めることがおすすめである。

上記のように、CMAは転職、所属先での配置転換や業務効率化、更なる上位資格の受験など多様な道を切り開くための取っ掛かりになる資格であることは疑いようがない。また、CMAの勉強を通じて全般的な金融知識を身につけることは受験者に有意義な学びを提供するものであるため、とっておいて損のない資格であると言える。

参考文献

 日本証券アナリスト協会「CMAへのステップ」

https://www.saa.or.jp/cma_program/step/index.html

日本証券アナリスト協会「CMAとは」

https://www.saa.or.jp/cma_program/step/about/index.html

 がむしゃら不動産経営

「証券アナリスト(CMA)取得後、目指すべきはCFAか、CIIAか」

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この記事を書いた人

IFA転職を運営し、IFA専門転職支援サービスを展開。創業から100名以上のIFAへの転職を支援。また、アドバイザーナビ経由でのIFAになった方の転職者のコミュニティ「Club IFA」も運営しており、IFA業界の転職市場に精通している。

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