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宅建の難易度と学習のポイント

宅地建物取引士(以下宅建)は、不動産取引の際、重要事項の説明や契約書等への記名押印をするのに必要な国家資格だ。直接的には不動産取引に関わらない職種であっても不動産取引に基本的な考え方を広く網羅していることから、勤務先より取得するよう指導されるケースも多い。

宅建の資格試験としての概要については、「宅建とは?資格のメリットや試験概要を解説」をごらんいただきたい。

本稿では、宅建の難易度に焦点をしぼって説明する。今後の学習の参考になれば幸いである。

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目次

2021年の合格率は17.67%

2021年の合格率は17.67%だった。宅建には受験資格がない。誰でも受験できるが、実際の受験者は不動産、金融、建設業界に勤める社会人が大半だ。仕事の合間をみつけてしっかり勉強した人が合格していると考えられる。

2021年 宅地建物取引士資格試験の合格率

実施受験者数合格者数合格率
2021年合計234,714人41,471人17.67%
12月24,965人3,892人15.59%
10月209,749人37,579人17.92%
出典 12月実施:一般財団法人 不動産適正取引推進機構「令和3年度宅地建物取引士資格試験(12月実施分)結果の概要」10月実施:一般財団法人 不動産適正取引推進機構「令和3年度宅地建物取引士資格試験(10月実施分)結果の概要」

出典 10月実施:一般財団法人 不動産適正取引推進機構「令和3年度宅地建物取引士資格試験(10月実施分)結果の概要」https://www.retio.or.jp/exam/pdf/result.pdf(2022年6月調査)

宅建と他の国家資格との合格率を比較したのが下の表だ。これらの資格と比較すると宅建の合格率はかなり高い。そして、受験者数が圧倒的に多い。

17.6%の合格率は決して高いとはいえないものの、多くの人が宅建合格に向けて取り組んでいることがわかる。

2021年に実施された国家試験の合格率比較

資格受験者数合格者数合格率
宅地建物取引士234,714人41,471人17.67%
行政書士47,870人5,353人11.18%
マンション管理士12,520人1,238人9.89%
社会保険労務士37,306人2,937人7.87%
司法書士11,925人613人5.14%

出典:一般財団法人 行政書士試験研究センター「令和 3年度行政書士試験実施結果の概要」(2022年6月調査)

出典:公益財団法人マンション管理センター「令和3年度マンション管理士試験の結果について」(2022年6月調査 )

出典:厚生労働省「第53回社会保険労務士試験の合格者発表」(2022年6月調査)

出典:法務省「令和3年度司法書士試験の最終結果について」

200~300時間の勉強が必要

宅建合格に必要な勉強時間は200〜300時間といわれている。800~1,000時間程度の勉強が必要といわれる「行政書士」「社会保険労務士」と比べると半分以下ですむことになる。とはいえども初学者であれば500時間程度は必要であろうし、複数回受験している人や日常的に不動産仲介に携わっている人であれば、100時間程度の勉強で合格できるだろう。

科目ごとの難易度・学習のポイント

宅建は、「宅地建物取引業法(以下、宅建業法)」「権利関係」「法令上の制限」「税・その他の関連知識」の4科目が成り立っている。ここからは、科目ごとの難易度および学習のポイントを説明する。

宅建業法

全出題数50問のうち20問がこの宅建業法から出題されている。しかしながら難易度は低い。難易度が低い理由は、問題数に対し出題範囲が狭いからだ。学習のポイントは過去問題を解くこと。着実な得点源にしたい。

宅建業法は、宅地や建物の取引に関するルールを定めた法律。不動産取引の際にあつかう、重要事項説明や37条書面(契約書)などについて定められている。試験対策としての勉強と考えるのではなく、実務に直結する知識としてインプットしたい。

権利関係

「権利関係」は、宅建業法に続いて出題が多い科目だ。例年全出題数50問のうち14問が権利関係から出題されており、うち10問が民法から出題されている。難易度は高い。

難易度が高い理由は出題範囲が広い点にある。とくに民法は日常生活にも広く関係している法律であり、カバーしている範囲が広い。苦手としている受験者も多く、差がつく科目といえよう。権利関係には、民法のほか借地借家法、区分所有法、不動産登記法も含まれる。

学習のポイントとしては「民法を効率的に学習すること」、高得点を狙うのではなく「最低限の得点は稼げるようにしておくこと」の2点だ。

法令上の制限

例年8問が「法令上の制限」から出題されている。難易度は普通。なぜなら、暗記で勝負できるからだ。用語の意味を正しく把握できていれば速やかに回答できる問題がほとんどだ。

また、直近に法改正が行われた箇所は出題されやすい傾向がみられる。宅建業務に係る法改正は適宜行われている。新しい情報をキャッチし、学習に反映させるよう心がけたい。

学習のポイントは2つ。「用語の暗記」と「直近の法改正をカバーすること」だ。

税・その他の関連知識

  「法令上の制限」と同様、例年8問が出題されている。「その他の関連知識」となっていることからわかるとおり、本来の出題範囲は広い。しかし実際に出される内容は限られている。そのため、難易度は「普通」としたい。

統計データに関する内容も出題されることがある。土地や建物に関するデータはチェックしておこう。

学習のポイントは「効率重視」。問題数が少ないわりに、出題範囲が広い。過去問題を中心に、内容を絞った学習が効果的だ。

まとめ

勤務先によっては、宅建合格者に対し、資格手当が毎月2,3万円支給されるケースもある。今年の頑張りが今後の収入に反映されると思うと頑張りもきくのではないか。

仮に1年目で合格できなかったとしても、まじめに勉強すれば次の年に合格できるだろう。

幸いなことに、書店には宅建に関する参考書や問題集がたくさん並んでいる。通信講座の種類も豊富だ。各自に合う書籍や講座が必ずや見つかるはずだ。自身のペースで学習し、合格を掴んでいただきたい。

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この記事を書いた人

IFA転職を運営し、IFA専門転職支援サービスを展開。創業から100名以上のIFAへの転職を支援。また、アドバイザーナビ経由でのIFAになった方の転職者のコミュニティ「Club IFA」も運営しており、IFA業界の転職市場に精通している。

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