MENU

銀行の平均年収~大手行と第二地銀とでは200万以上の差~

多くの若手銀行員が、以下のような気持ちを抱きながら仕事に取り組んでいるのではないだろうか?「業務内容に対して、もらっている給料が低いと思う。実際、みんなはどうなのだろう・・・・」「この銀行に勤めていて、収入は上がるのだろうか。」「同じような仕事で、もっと収入をあげられないだろうか・・・・」

これらの悩みに、本稿ではデータで回答する。結論からいえば勤続年数が長くなれば収入は一定程度上昇する。また、同じ仕事であっても、勤務する銀行の規模によって収入は異なる。

いくつかのデータを目にすることで、客観的に今の状況が認識できるはずだ。この記事を読み、迷いなく目の前の仕事に邁進できる環境をご自身で整えられたら嬉しい。

IFAを検討する際のおすすめの転職サイト

アドバイザーナビ株式会社が運営するIFA特化の転職エージェント。野村證券出身者が立ち上げたサービスで、IFAへの転職利用満足度No.1、金融機関勤務者が転職に使いたいサービスNo.1を獲得。

会員数8万名以上、日本最大級のハイクラス転職サイト。テレビ・新聞・雑誌など多くのメディアで紹介されている。

目次

高い年収に加えて、充実の福利厚生

銀行員の平均年収は高い。東京商工リサーチの調査では国内87銀行の平均年収は606万6,000円だった。国税庁調査の平均年収は433万1,000円だ。年間で137万5,000円、月平均で14万円以上も銀行員の収入は高いことになる。

銀行名平均年収前年
銀行の平均給与606.6万円607.3万円
全業種の平均給与433.1万円436.4万円
出典 銀行の平均給与:東京商工リサーチ「「平均年間給与」調査 銀行トップは三井住友銀行 842万2,000円」全業種の平均給与:国税庁「令和2年分 民間給与実態統計調査 」

高待遇は、年収だけではない。転勤を伴うコースであれば、独身寮や借り上げ社宅、家賃補助制度が整っている。仮に給与が低い場合でも、住宅費をおさえられるので、実質的な可処分所得が高くなる。

大解剖!銀行員の平均年収比較

ここからは銀行の平均年収について、くわしく分析していく。

大手行と第二地銀とでは200万以上の差

年収は第二地銀、地方銀行、大手行の順に高くなる。第二地方銀行と大手行では200万以上の差異がある。これは、規模が大きい方が、システムなど固定費負担が相対的軽くなること、利益率が高いこと、預金・貸出・為替以外の業務収益源が確保できていることなどが考えられる。

銀行規模別の年収比較

銀行名平均年収前年
銀行平均給与606.6万円607.3万円
大手行767.3万円762.5万
地方銀行620.0万円620.2万
第二地銀548.5万円551.2万
出典 銀行の平均給与:東京商工リサーチ「「平均年間給与」調査 銀行トップは三井住友銀行 842万2,000円」

次に、前年と比較する。大手行以外は、前年より軒並み年収を下げている。現在の傾向が続くと、大手行とそれ以外の格差はますます広がることになる。

別会社級の高年収「総合企画部」

さらに、コース別・職種別に年収をみていきたい。以下のデータは20代、30代を中心とした自己申告データを、国内最大級の社員クチコミ数を有する転職サイト「openwork」から作表した。

まず、職種に着目したい。見出しにもあげたが「企画」の高さが際立つ。その銀行の平均年収より各行とも200万円以上高い。

理由としては、年収の低い新入行員が配属される部署であること、各行選りすぐりのエリート行員が集まる部署であることが考えられる。いわゆる「総合企画部」といわれる部署で略して「そうき」と呼ばれることも多い。

銀行・職種別の年収比較

会社名平均年収営業総合職一般職企画事務
三菱UFJ銀行722万円702万円782万円407万円970万円505万円
三井住友銀行701万円658万円778万円395万円915万円451万円
みずほ銀行660万円681万円673万円421万円973万円424万円
横浜銀行603万円575万円642万円956万円420万円
埼玉りそな銀行466万円473万円421万円371万円
千葉銀行523万円543万円510万円440万円※445万円
北洋銀行467万円483万円333万円333万円416万円
京葉銀行452万円457万円383万円415万円
みなと銀行435万円452万円456万円
出典:OpenWorkの各銀行の情報ページより

※千葉銀行の「一般職」の値は、「窓口」として掲載されていた値を転載

低い水準に留まる「事務」

「堅確な事務」を大事にしている銀行において意外なことに「事務」は各行とも低い年収に抑えられている。

低年収に抑えられている原因は2つある。1つ目は、転居を伴う転勤のないコース(いわゆる一般職など)で採用された行員の担当業務であることが多い点だ。2つ目は獲得件数や成約・実行金額など加点項目が多い営業職などに対し、事務は加点項目が少ない点だ。

おすすめの転職サイト

アドバイザーナビ株式会社が運営するIFA特化の転職エージェント。野村證券出身者が立ち上げたサービスで、IFAへの転職利用満足度No.1、金融機関勤務者が転職に使いたいサービスNo.1を獲得。

会員数8万名以上、日本最大級のハイクラス転職サイト。テレビ・新聞・雑誌など多くのメディアで紹介されている。

年収を軸に考える、これからの銀行員のはたらき方

前章では銀行員の年収に関するデータを複数紹介した。本章では、これからのキャリアプランを5つのパターンに分け、それぞれの年収について深掘りする。

なお、銀行員のキャリアパス全容については、「銀行出身者のキャリアパスとは|転職先やキャリアプランを紹介」の記事をごらんいただきたい。

今の銀行でキャリアを積む

特別な理由がなければ、勤続年数に応じて年収は、一定程度まで上昇する。周りに先輩がいるので、将来の年収や生活水準もある程度イメージしやすい。

営業店での業務が合わない場合、他部署への異動希望をだしてみるのもよいかもしれない。前述の「総合企画部」はもとより、フィンテック関連業務を担当する部署や、フリーランス向け貸し出し商品の開発など、新しく生まれるだろう業務もある。

現実には希望をだしても、すぐには異動にならないことが大半だろう。だからこそ、その時間を利用して、希望部署に関連する知識を習得したり、資格取得をすれば異動への確度は高まる可能性がある。

一方、事務の機械化と高齢化社会を背景に、コミュニケーション能力(とくに年配者との)の重要性は見直される可能性がある。高齢者に対する丁寧な接遇、家族との同意を経た取引獲得などは、「人間ならではのスキル」だ。高い収入は期待できないものの、支店勤務の一般職で社会的存在意義を感じながら業務に取り組むのも一つの選択肢だろう。

独立・起業に挑戦する

一度しかない人生だからこそ、独立・起業に挑戦も視野に入れたい。銀行出身の実業家はたくさんいる。
楽天グループ創業者の三木谷浩史さん、日本興業銀行(現みずほ銀行)出身、元参議院議員でタリーズコーヒージャパンの創業者の松田公太さんは三和銀行(現三菱UFJ銀行)出身、メガネブランド「JINS」を展開する株式会社ジンズ創業者の田中仁さんは前橋信用金庫(現しののめ信用金庫)出身だ。

地元志向を貫きつつ転職

地元志向を貫いて「独立・起業」もできる。しかし、会社員から、いきなりの独立・起業はハードルが高いと感じる場合もあるだろう。生まれ育った地域の地方銀行・第二地方銀行に勤務している場合は、公務員への転職や、取引先への転職なども一つの選択肢だ。とくに取引先への転職は、業種や職種は異なる会社であっても入社時にはすでに経営者との信頼関係が築けている為、相応にはたらきやすい環境でスタートがきれるだろう。収入面は転職先の業績次第であるが、地元での人脈や、家族ぐるみの付き合いなど、プライスレスな価値が見出せるかもしれない。

規模の大きい銀行へ転職

前述のとおり、第二地銀より地方銀行の方が、地方銀行よりメガバンクの方が年収は高い傾向にある。規模の大きい銀行に転職することで年収があがるだろう。銀行文化や仕事内容への理解がある銀行員であれば、採用担当者も安心して採用できるはずだ。

営業スキルを活かしてIFAへ転職

営業店で資産運用コンサルティング業務についていた場合は、そのスキルと経験を活かしてIFAに転職する選択肢もある。

IFAは現状増加傾向にあり、2019年年末には4,000人を越した。IFAの多くは証券会社出身者である。そこで「銀行出身」を前面に打ち出すことで他社との差別化を図っているIFA法人もある。IFA法人の社員になった場合の報酬は、固定給+手数料売上の実績に応じたボーナス、というのが一般的だ。また社員ではなく、IFA法人と業務委託契約を締結した場合の報酬額は、手数料売上の実績に応じた完全歩合制だ。実績次第で、銀行員時代の年収を上回る可能性も高い。

IFAの報酬についての詳細は「IFAの報酬制度とは?利益発生の仕組みや業務委託・正社員の違いを解説」をご覧いただきたい。

  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

IFA転職を運営し、IFA専門転職支援サービスを展開。創業から100名以上のIFAへの転職を支援。また、アドバイザーナビ経由でのIFAになった方の転職者のコミュニティ「Club IFA」も運営しており、IFA業界の転職市場に精通している。

目次