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オプション取引の特徴や留意点など解説

目次

オプション取引とは

 オプション取引とはある有価証券や指数についてあらかじめ定められた期日(満期日)にあらかじめ定められた価格(権利行使価格)で買い付ける、または売り付ける権利を売買する取引です。「売る」権利のことを「プット・オプション」、「買う」権利のことを「コール・オプション」といいます。

 オプションの売り手と買い手は満期日までに、オプション市場において買った(買建)オプションを売る(転売)、売った(売建)オプションを買う(買戻)という反対売買によって決済することが出来ます。

 オプションの買い手は権利を売るために売り手に「プレミアム」と呼ばれるオプション料を支払い、売り手はこのオプション料を受け取ることになります。

 日本国内では日経平均株価を参照する日経225オプション取引が主に行われています。日経225オプションは個人投資家でも取引可能です。大手ネット証券であれば、ほとんど取り扱っています。またトヨタ自動車などの個別銘柄の株価を参照した有価証券オプションの取引も行われていますが、こちらは個人投資家向けに取り扱っている証券会社も少なく出来高も少ないマイナーな存在です。米国等の海外市場でも同様のオプション取引市場が存在します。

オプション取引の特徴やメリット

損失限定

オプションの買い手は自分の有利なときだけ権利を行使することが出来ます。つまり、自分の予想とは反対に価格が動いてしまった場合には、権利を放棄することによってその損失をオプションの買い付けのために支払った金額(オプション料=プレミアム)に限定できます。

ヘッジ手段

保有している有価証券の値下がりリスクや購入予定の有価証券の値上がりリスクに対するヘッジ手段としても有効です。

少ない資金から取引できる

オプションの買い手は、プレミアムの金額だけで、売り手は証拠金だけで取引に参加できます。日経225オプションの場合、1単位当たりの取引金額はプレミアム×1,000円です。つまり単価10円のオプションであれば10,000円(10×1,000円)から取引ができます。売建のための証拠金は取引対象とするオプションの銘柄や市場環境によって異なります。傾向として、①価格が高くなればなるほど、②満期日が遠くなればなるほど、③市場のボラティリティが上がれば上がるほど、オプションの売建に必要な証拠金は大きくなります。

資金効率の向上

相場が動かない時でもオプションを売り建てることによって利益を出すことが出来ます。また対象となる有価証券を売買するのと同様の効果をレバレッジが効いた少額の資金で得ることが出来ます。レバレッジ(Leverage)は「てこの原理」という意味です。金融取引においては借入を利用することで自己資金の運用効率を高めることを指します。例えば、日経平均株価が25,000円の時に、行使価格が25,000円の日経225のオプションを500円で1枚買い建てたとします。この場合50万円(=500×1,000円)で、日経平均株価2,500万円分(=25,000×1,000円)相当のポジションを保有した場合と同じ効果を得ていることになります。つまり50倍のレバレッジをかけている状態です。

多彩な投資が可能

現物株式や先物取引、あるいはオプション同士の組み合わせで様々な相場環境に合わせた投資が可能になります。

4つの基本的な取引方法

オプションには4つの基本的な取引方法があります。

  1. コール・オプション(買う権利)の買い
  2. コール・オプション(買う権利)の売り
  3. プット・オプション(売る権利)の買い
  4. プット・オプション(売る権利)の売り

 

コールとプット、それぞれを買いからも売りからも取引することが出来ます。日経225オプション取引を例に4つの基本的な取引を説明していきます。

コール・オプション(買う権利)の買い

コール・オプションの買いは、日経平均株価が今後上昇すると予想するときに使います。

例えば、日経平均株価が27,100円のときに、権利行使価格27,000円、プレミアム500円のコール・オプションを1枚買い建てたとします。

損益分岐点=27,000円+500円=27,500円

満期日に日経平均株価が、27,500円を超えていれば利益になり、日経平均株価の上昇に比例し利益が拡大します。日経平均株価が27,500円以下に下落した場合は損失となりますが、損失上限はプレミアムの50万円(500円×1,000)に限定されます。

コール・オプション(買う権利)の売り

コール・オプションの売りは、日経平均株価が一定の株価以上には上昇しないと予測するときに使います。

例えば、日経平均株価が27,100円のときに、権利行使価格27,000円、プレミアム500円のコール・オプションを1枚売り建てたとします。

損益分岐点=27,000円+500円=27,500円

満期日に日経平均株価が、27,500円を下回れば利益になり、このときの利益はプレミアムの50万円(500円×1,000)が上限となります。プレミアム代金は決まっているので、株価がどんなに下がっても利益の上限は変わりません。

一方、日経平均株価が27,500円以上になった場合、損失は日経平均株価の上昇に連動して無限大に大きくなる可能性があります。

プット・オプション(売る権利)の買い

プット・オプションの買いは、日経平均株価が今後下落すると予想するときに使います。

例えば、日経平均株価が27,100円のときに、権利行使価格27,000円、プレミアム500円のプット・オプションを1枚買い建てたとします。

損益分岐点=27,000円-500円=26,500円

満期日に日経平均株価が、26,500円を下回れば利益になり、日経平均株価の下落に比例し利益が拡大します。日経平均株価が26,500円を上回った場合は損失となりますが、損失上限はプレミアムの50万円(500円×1,000)に限定されます。

プット・オプション(売る権利)の売り

プット・オプションの売りは、日経平均株価が一定の価格以下には下落しないと予測するときに使います。

例えば、日経平均株価が27,100円のときに、権利行使価格27,000円、プレミアム500円のプット・オプションを1枚売り建てたとします。

損益分岐点=27,000円-500円=26,500円

満期日に日経平均株価が、26,500円を上回れば利益になり、このときの利益はプレミアムの50万円(500円×1,000)が上限となります。プレミアム代金は決まっているので、株価がどんなに上がっても利益の上限は変わりません。

一方、日経平均株価が26,500円以下になった場合、損失は日経平均株価の下落に連動して無限大に大きくなる可能性があります。

多様なオプション取引

 上記のオプション取引は基本的な例であり、実際のオプション取引戦略は多種多様です。例えば、上記の4つの基本取引はオプションを満期まで保有する前提で解説していますが、実際は満期到来前に時価で売買することが出来ます。オプションの時価は市場環境や満期までの残存期間によって大きく変動します。オプション自体も満期日や権利行使価格が異なる多くの銘柄が取引されています。複数の種類のオプションや現物株式、ETF、先物等と組み合わせてポジションをとることも可能です。

オプション取引の留意点(特にハイリスクな高レバレッジ取引となる可能性)

 オプション取引において注意するべき点として高レバレッジが掛かっている状態になりやすいことが挙げられます。取引する銘柄や総資産におけるオプションが占めるポジションの割合にもよりますが、最大で数百倍のレバレッジを掛けた状態と同じ効果を得ることも可能です。オプション取引は高レバレッジによって資金効率を高めることが出来る反面、ハイリスクとなる点に注意が必要です。

オプション取引における高レバレッジ取引の例

日経平均株価が25,000円のとき、権利行使価格が30,000円、プレミアム2円のコール・オプションを1,000枚買い建てたとします。

投資金額は200万円(2円×1,000×1,000枚)です。

このオプションのプレミアムが2円→4円に上昇すれば、200万円の利益([4-2]円×1,000×1,000枚)です。

一方でこのオプションのプレミアムが2円→1円に下落すれば、100万円の損失([1-2]円×1,000×1,000枚)です。

 このように100万円の元本を短期間で数倍に増やすことも可能である一方で、投資資金を一瞬で失うこともあり得ます。株式の信用取引のレバレッジが最大で約3.3倍、日経平均先物取引のレバレッジが最大で約20倍です。オプション取引のレバレッジが最大で数百倍というのがいかにハイリスクか想像して頂けるかと思います。

またオプションの売り建ての場合についても注意が必要です。まずオプションの売り建ては「4つの基本的な取引方法」で解説したように理論上の損失が無限大です。実際の取引ではオプションの売り建てで含み損が拡大するとロスカットが発動されます。ロスカットとは、未確定(決済前)の損失である含み損が一定の水準に達したときに、ポジションを自動的に強制決済する仕組みのことです。そのため投資資金がマイナスになるという事態は基本的に発生しないのですが、急激な相場変動に際して当初の想定以上に損失が膨らむ可能性があります。オプション取引のようにレバレッジを掛けた投資を行っている場合、ロスカットが行われると損失が確定し証拠金として差し入れることができる元本が減少してしまいます。そうすると以前と同じ規模のポジションをとることが出来なくなります。すなわちロスカットの発動後に再度ポジションを取り直して相場の回復まで持ちこたえたとしても、ポジションの総量が減少しているため全ての損失を取り戻すことが困難になります。

オプションの売り建てにおける損失拡大の具体例

日経平均株価が25,000円のとき、権利行使価格が23,000円、プレミアム50円のプット・オプションを5枚売り建てたとします。

このオプションを売り建てする際に、1枚当たり30万円の証拠金が必要です。

すなわち投資金額は50万円(100円×1,000×5枚)、必要証拠金は150万円(30万円×5枚)です。なお用意していた投資資金は200万円とします。

日経平均が24,000円まで下落し、それに伴いこのオプションのプレミアムが150円になった時点でロスカットが発動したとします。このとき、このオプションを売り建てする際の必要証拠金も1枚当たり60万円に増加しています。

ロスカットにより損失は50万円([50-150]円×1,000×5枚)で確定します。

日経平均株価の下落率は-4%(25,000円→24,000円)であるにもかかわらず、オプションの売り建てによる投資元本の損失は-25%(200万円→150万円)にもなります。

さらにあらためて同じオプションの銘柄でポジションを取り直そうとしても、今度は2枚しか売り建てることが出来ません。

投資資金が150万円なので、プット・オプションの売り建て2枚分の必要証拠金120万円(60万円×2枚)しか賄えない計算です。

仮に今後日経平均株価が25,000円まで戻り、その状態で満期を迎えたとしても利益は30万円(150円×1,000×2枚)にとどまります。

つまり、日経平均は23,000円を下回らないという想定の下にプット・オプションの売り建てを行い、その想定通りになったにも関わらず途中でロスカットされたことで全体では20万円の損失となった状態です。

当初の投資金額200万円→ロスカット発動150万円→プット・オプションの満期180万円

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この記事を書いた人

IFA転職を運営し、IFA専門転職支援サービスを展開。創業から100名以上のIFAへの転職を支援。また、アドバイザーナビ経由でのIFAになった方の転職者のコミュニティ「Club IFA」も運営しており、IFA業界の転職市場に精通している。

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