働き方の自由度が高いIFAは、多様な働き方を実現できる職業のひとつである。
ワークライフバランスへの意識が高まっている現在では、IFAへの転職を選ぶ女性が増えている。
本記事では、IFAへの転職に女性が向いている理由や現状の課題について解説していく。
IFAに転職する人の属性
アドバイザーナビ株式会社では、現役IFAの活動内容に関するアンケート調査を行っている。
アンケートの対象となった218名の男女別の割合は下記の通りだ。
IFAは男性が88%を占めており、女性は12%と少数派であることが分かった。
IFAはまだ新興業界であることから、積極的に転職を考える女性が少ないのかもしれない。
しかし、IFAへの転職は実は女性の働き方と相性がよいといえる。次項では、その理由についてくわしく見ていこう。
IFAへの転職に女性が向いている理由
IFAへの転職に女性が向いている理由として、次の3点が挙げられる。
- 働き方の自由度が高い
- 転勤がない
- 数字や時間に追われない
それぞれくわしく解説していこう。
理由①働き方の自由度が高い
IFAの大きな特徴として、働き方の自由度が高いことが挙げられる。
業務委託型のIFAは個人事業主として働くため、勤務時間や顧客とのアポイントメントなどを自分でスケジュールすることが一般的だ。
仕事量も自分で調整できるので、子育て中の女性でも仕事と家庭を両立しやすいメリットがある。
また、IFAは基本的に営業から事務作業まで自己完結することが一般的であるため、「自分の仕事を誰かに引き継ぐ」ということが発生しにくい。
そのため、子どもの発熱などで急に仕事を休むときでも、自分で仕事の調整を行えばよいので同僚や上司に気を使う必要がない。
「子どもが小さいうちは仕事をセーブしながら働きたい」、「金融営業は好きだけど、証券会社でこれまでのように働くのは難しい」という場合は、ぜひ業務委託型のIFAへの転職を検討してみよう。
理由②転勤がない
証券会社ではおよそ3年周期で転勤を経験するが、IFAでは生涯担当性がとられているため会社都合で転勤することがない。
たとえば、結婚や出産などでライフスタイルが大きく変わると、転勤を受け入れるのが難しくなることがある。全国転勤ともなるとなおさらだろう。
その点、IFAは会社都合での転勤がないため、ひとつの拠点で働き続けることが可能だ。
定期的に引っ越しが生じる心配がないのは、子どもがいる家庭にとってはメリットが大きいといえる。
理由③数字や時間に追われない
IFAは、営業ノルマがないことも大きな特徴だ。
証券会社では半期ごとに手数料収入や販売件数などの営業目標を課されるため、「今月中にあと◯◯万円獲得しないといけない」と常に数字に追われてしまう。
もし子育てと両立するとなると、限られた時間の中で営業ノルマを達成する必要があるため、これまで以上に時間や数字に追われることとなる。
その点、IFAは金融機関から独立した立場であるため、所属先から営業ノルマを課されることがない。
本当に顧客に必要なものだけを販売しながら、自分のペースで営業活動を行えるので、子育てとの両立も可能である。
「育休後に元のポジションに復帰する自信がない」、「子どもと過ごす時間を増やしたい」という場合は、IFAへの転職を検討することもひとつの選択肢だ。
女性がIFAへの転職を考えるきっかけ
女性がIFAへの転職を考えるきっかけとして、次の3つのケースが挙げられる。
- 育休明けのケース
- 結婚がきっかけとなるケース
- 転勤が受け入れられないケース
それぞれくわしく紹介していこう。
育休明けのケース
証券会社では産休・育休の制度や福利厚生は整っているものの、「再び営業ノルマをこなす生活に戻る自信がない」という人も多いだろう。
金融市場は刻一刻と変化しているため、「育休中のブランクが怖い」と感じることもあるかもしれない。
たしかに一般的に激務とされることが多い証券営業では、育休明けに仕事に戻ることに不安を感じるのは仕方がないことともいえる。
一方、IFAでは営業ノルマがないことや、自分で仕事のスケジュールを立てられることから、子育てとの両立もしやすい環境が整っている。
「マイペースに仕事が続けられる」という点では、育休明けの女性の復帰場所に向いているといえるだろう。
結婚がきっかけとなるケース
結婚もIFAへの転職を考えるきっかけのひとつだ。
たとえば、結婚を機にパートナーの住む地域へ引っ越す場合、証券会社で異動願いが通らなければ退職の選択肢を選ぶしかなくなる。
しかし、「引き続き証券営業を頑張りたい」と考えている人にとっては、退職が不本意に感じられることもあるだろう。
そこで、転職先のひとつとして考えられるのがIFAだ。IFAは証券会社と業務内容がほとんど同じであることから、今までのキャリアや経験を活かすことができる。
「結婚を機に今の証券会社を退職することになった」という場合は、IFAでそのキャリアを活かすことを検討してみよう。
転勤が受け入れられないケース
証券会社では、およそ3年周期で転勤することが一般的である。
会社によっては、「全国どこに転勤するか分からない」ということも珍しくない。
独身で働いているうちは問題がなかった転勤生活でも、結婚や子育てなどでライフスタイルが変化すると「今までのような転勤を続けることは難しい」というケースもあるだろう。
頻繁に転勤があるとなると、パートナーと別々に暮らすことになったり、子どもが何度も転校を繰り返したりすることにもつながる。
家族の生活拠点が増えれば、その分生活費がかさんでしまうのもデメリットだ。
その点、IFAは会社都合の転勤がないため、家族がバラバラになる心配がない。
ひとつの拠点で働き続けられるため、転勤を受け入れられない人でも安心して働くことができる。
女性がIFAへ転職することへの課題
IFAは多様な女性の働き方と相性のよい職業であるが、一方で次のような課題も抱えている。
- モデルケースが少ないことがある
- 業務委託型は子育てや出産に対する制度が整っていない
- 産休・育休中の担当顧客の取り扱い
それぞれくわしく解説していこう。
モデルケースが少ないことがある
IFAは新興業界であることに加えて、前述のアンケート調査で見た通り男性の多い業界である。
したがって、転職を検討した際にモデルケースとなる女性がいないことも考えられる。
身近にIFAへ転職した女性がいなければ、「上手くやっていけるだろうか」、「家庭と両立ができるのか」と不安を感じてしまいかねない。
今後、IFA業界が成長していくに従って女性のIFAの数も増えていく期待があるが、現時点では目指すべきモデルケースが見つけられない可能性はあるだろう。
業務委託型は子育てや出産に対する制度が整っていない
これから子育てや出産を考えている女性にとっては、関連制度も気になるポイントだ。
特に注意したいのが業務委託型で働く場合である。業務委託型のIFAは個人事業主として働くため、産休や育休制度を利用することができない。
育休中は収入がゼロになることもあるため、家庭の収支計画や仕事復帰の時期の計画をよく練っておく必要がある。
会社員で出産する場合とは利用できる制度も手当ても大きく異なるため、あらかじめよく理解しておくことが大切だ。
ただし、IFAは業務委託型だけでなく正社員型として働くこともできる。
今後出産を予定している場合は、正社員型のIFAを雇用しており、福利厚生が整っているIFA法人を選ぶとよいだろう。
産休・育休中の担当顧客の取り扱い
産休・育休を取得する場合、担当顧客の取り扱いについても考えておきたい。
IFAは生涯担当制がとられており、自分の顧客は今後も長く担当していくこととなる。
加えて、IFAは基本的に仕事を自己完結することが求められるため、「他のIFAの担当顧客を引き継ぐ」ということはあまり見られない。
しかし産休・育休のような長い期間休暇を取る場合、「その間担当顧客を放置する」ということは当然できない。
顧客に引き続きサービスを提供するためには、社内のIFAに産休・育休中だけの引き継ぎを依頼することが必要不可欠だ。
IFA法人を選定する際は、「育休中はどのような取り扱いをしているか」、「IFA同士の横のつながりはあるか」といったことをたずねておくようにしよう。
IFA業界特化の転職エージェントを活用するメリット
IFAへの転職では、業界特化型の転職エージェントを活用することがおすすめだ。
そのメリットとして、次の4点が挙げられる。
- 業界の情報量が多い
- モデルケースを教えてもらえる
- 条件を交渉してもらえる
- 非公開の求人情報を保有している
それぞれくわしく解説していこう。
メリット①業界の情報量が多い
業界特化型の転職エージェントでは、業界に精通した担当者から業界情報を提供してもらえることが大きな魅力だ。
業界情報は自ら収集する方法もあるが、IFAのような新興業界では、自ら得られる情報量に限界がある。
転職活動に有効な情報を仕入れるためには、業界特化型の転職エージェントのサポートを受けることがおすすめだ。
メリット②モデルケースを教えてもらえる
転職エージェントではこれまで多くの転職者をサポートしてきた実績があるため、多くのモデルケースも有している。
たとえば、「子育てと両立しながら働きたい」、「時間の融通が利く環境で働きたい」という場合、同じような意向を持って転職した人のケースについて教えてもらうことが可能だ。
自ら転職活動に取り組む際、近くにモデルケースがいなければ「本当に家庭と両立できるのだろうか」と不安を抱えながら所属先を探すこととなる。
しかし、転職エージェントを利用すれば、自分と同じような環境で働いている人の情報を得られるので、安心して転職活動に取り組むことができる。
IFAとして活躍する女性同士のつながりを深められるのも嬉しいポイントだ。
メリット③条件を交渉してもらえる
転職エージェントでは、就労条件を交渉してもらえるのも大きなメリットである。
たとえば、報酬体系などに不満があったとしても、なかなか自分からは伝えづらいこともあるだろう。
その点、転職エージェントでは求職者と企業の間を取り持ってもらえるので、要望に沿って条件を交渉してもらうことが可能だ。
直接は伝えづらいことも依頼できるため、よりよい条件で所属先を探すことができる。
また、転職エージェントでは面接の日程なども調整してもらえる。
1人で転職活動を行う場合、応募先の企業と直接やり取りをしなければならないため、現在の勤務先の業務と折り合いをつけながら調整を行う必要がある。
応募先の企業からの電話に出る際、「上司にバレないようにするのが大変」ということもあるだろう。
一方、転職エージェントでは希望の日時などを伝えておくと先方と調整してもらえるため、現在の勤務先の業務をこなしながらでも転職活動に取り組みやすい。
メリット④非公開の求人情報を保有している
転職エージェントでは、非公開の求人情報を多く保有している。
求人情報はWebサイトやハローワークなどで公開されるものもあるが、好条件の求人情報は非公開とされることが多い。
多くの応募が募ってしまうと、採用に時間がかかってしまうためだ。
そのため、好条件の求人情報は一部の人にだけ公開されるように、転職エージェントへ依頼することがある。
よりよい転職先を見つけるためには、転職エージェントを利用することがおすすめだ。
IFAへの転職で女性の多様な働き方を実現しよう
働き方の自由度が高いIFAは、女性の多様な働き方を実現できる環境が整っている。
結婚や出産などでライフスタイルが変化して転職を考えている女性は、ぜひそのキャリアをIFAで活用することを検討してみよう。
当サイト「IFA転職」では、IFAへの転職を検討されている方へさまざまなアドバイスや業界情報を提供しております。
ぜひお気軽にご相談ください。