不動産業界での経験で得た知識は、金融業界への転職で活かすことが可能だ。金融業界は不動産業界と親和性が高いといわれることが多く、実際にキャリアチェンジに成功した人も多く見られる。
本記事では、不動産業界から金融業界へ転職するメリットについて解説していく。
不動産業界から金融業界に転職可能?
不動産業界と金融業界には業務の共通点も多く、経験を活かした転職が可能である。
金融業界への転職は、20代〜30代前半の若年層であれば今後の伸びしろを評価される可能性が高い。特に営業職の場合は、不動産業界での営業経験を活かせる期待もある。取り扱う商品は異なるが、顧客との折衝力やコミュニケーションスキルは十分活用可能だ。
また、金融業界では不動産に関する業務も多く取り扱っている。30代後半以降であれば、不動産業界で磨いた知識や経験を活かして、専門職として転職することも可能である。
不動産業界から金融業界へ転職するメリット
不動産業界から金融業界へ転職するメリットとして、次の4点が挙げられる。
- 不動産業界で得た知識が活用できる
- 事務の正確性が身についている
- 営業ノルマに耐性がある
- 不動産業界で得た資格が活かせる
それぞれ詳しく解説していこう。
不動産業界で得た知識が活用できる
金融業界の業務は専門用語が多く、異業種から転職した人がつまづくポイントでもある。まずは用語の勉強から始めなければならないため、「いつまでも業務に慣れない」と心が折れてしまう人も珍しくない。
しかし、不動産業界と金融業界は接点も多いことから、不動産業界出身者であれば「担保設定」や「短期プライムレート」、「債権」といった専門用語に対する理解がある。
そのため、転職後に「専門語が難しく、業務がなかなか理解できない」といった心配も少ないだろう。
事務の正確性が身についている
金融業界は業務の性質上、事務の正確性が求められる。全ての業務に事務手順が定められており、ささいなミスも許されない。
異業種から転職した場合、業務の細かさに戸惑う人も多く、「ここまでチェックが必要だとは思わなかった」と感じる人も少なくない。
しかし、「正確性が求められる」という点では不動産業界も同様だ。
不動産業界の業務で取り扱う契約書などの書類は、小さな記入ミスも許されず、細部まで確認する必要がある。不動産業界出身者は、丁寧な事務手順が身についているため、金融業界での業務にも抵抗なく馴染みやすいといえる。
営業ノルマに耐性がある
不動産業界で営業職に就いていた人は、営業経験を活かせることもメリットだ。金融業界では半年ごとのノルマが課され、目標の達成に向けた継続的な努力が求められる。
営業社員は日々新規先の発掘や、既存顧客との深耕に取り組む必要があり、ハードワークな業務としても知られている。
そのため、営業未経験で転職した場合は「なかなか目標を達成できない」、「プレッシャーが辛い」と悩むことも珍しくない。
しかし、不動産業界出身者であれば、同じような環境下で営業をこなしてきた経験があるため、「顧客とリレーションが図れない」「営業がうまくいかない」と悩む可能性も低いといえる。
営業進捗の管理力や、案件の組成力を活かせる場面も多いため、スムーズに業務に取り組めるだろう。
不動産業界で得た資格が活かせる
転職にあたって、「今まで取得した資格を無駄にしたくない」と考える人も多い。特に苦労して取得した資格であればなおさらだ。
金融業界への転職は、不動産業界で取得した資格が活かせることが多い。「宅地建物取引士(宅建)」や「ファイナンシャル・プランニング技能士」などは金融業界でも取得が奨励されており、転職時だけでなく業務でも役に立つといえる。
また、不動産関連の専門職で転職する場合は、「不動産鑑定士」や「土地家屋調査士」などの資格保有者が重宝される。
不動産業界出身者が金融業界で活かせるスキル
不動産業界で磨いた知識やスキルは、金融業界でも活用可能だ。特に、次の3点は金融業界でも評価されやすい。
- 営業スキル
- コミュニケーション能力
- 不動産に関する専門知識
それぞれ詳しく解説していこう。
営業スキル
金融業界と不動産業界では取り扱う商品は異なるものの、これまで身につけた営業スキルが無駄になることはない。
不動産業界のように金額の大きい商品を取り扱う営業では、「顧客のニーズを引き出す力」や「顧客から信頼を得られる専門知識」が必要不可欠だ。自己研鑽なくして務められる業務ではないことから、営業スキルを身につけるためにこれまで多くの努力をしてきたはずである。
そういった経験で得た営業スキルは、金融業界でも十分転用できる。金融業界では無形商材を取り扱うため、顧客から信頼を得る営業力がなくてはノルマを達成することも難しい。
不動産業界からの転職は未経験でのチャレンジではあるが、商品性さえ習得できれば金融業界のトップセールスとして活躍することも可能だ。
コミュニケーション能力
コミュニケーション能力も金融業界で役に立つスキルだ。
前述の通り、金融業界では無形商材を取り扱うため、顧客からの信頼がなくては営業活動も成り立たない。中でも銀行や証券会社ではリスク性のある金融商品も取り扱うことから、顧客と信頼関係を築いていなければ営業成績を上げることが難しい。
その点、不動産業界出身者は、顧客と深耕を図るコミュニケーションスキルがしっかりと身についている。「まずは顧客との信頼関係を第一に考える」という姿勢があれば、金融業界でも十分活躍できるといえる。
不動産に関する専門知識
不動産で得た専門知識は、金融業界の業務で役に立つことも多い。例として、次のような活用場面が考えられる。
- 住宅ローンの新規申し込み、借り換え申し込み
- 不動産の担保設定
- 不動産投資へのファイナンス
金融業界の業務は不動産分野とも関わりが深く、既に不動産業界の知識を持っていることは大きな武器になる。前述の通り、業務に関する専門用語にも理解があるため、転職後の業務にもスムーズに取り組みやすいだろう。
金融業界への転職にはエージェントの利用がおすすめ
不動産業界から金融業界への転職を目指すのであれば、転職エージェントの活用がおすすめだ。
転職エージェントでは求人情報の紹介を受けられるだけでなく、面接対策や応募書類の添削などのサービスも利用できる。特に業界特化型のエージェントを活用すれば、業界動向や転職の傾向といった情報も得られる。
業界特化型のエージェントには、その業界出身のキャリアアドバイザーが在籍していることもあるため、より実情に即したアドバイスが受けられることも魅力だ。
また、企業との日程調整や条件交渉なども代行してくれることから、忙しい不動産業界の業務と並行して転職活動を進める人はぜひ活用したい。
金融業界への転職にチャレンジしよう
不動産業界で得た知識や経験、資格は金融業界でも活用可能だ。金融業界への転職は未経験でのチャレンジではあるものの、業務に共通点も多いことから転職後に大きなギャップを感じる可能性は低い。
また、不動産業界出身者は金融業界で使われる専門用語にも馴染みがあるため、業務への理解もスムーズに進められる。「不動産業界での経験を活かした転職をしたい」と考えている人は、ぜひ金融業界への転職を検討してみよう。
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