信用金庫で身に付くスキルは専門的であり、転職は難しいと考える人が多い。
しかし信用金庫では転職市場で高く評価されるスキルが身に付くため、比較的転職しやすいことが特徴だ。
本記事では、信用金庫から転職しやすい理由や、転職成功に必要なポイントについて解説する。
信用金庫の職員が転職しやすい3つの理由
信用金庫の職員が転職しやすい理由として、以下の3点が挙げられる。
- 幅広いスキルを身に付けている
- 業務の正確性が高い
- 厳しい環境を耐えてきた経験がある
それぞれの理由について確認していこう。
幅広いスキルを身に付けている
信用金庫で身に付くスキルは、ほかの業界や企業でも通用することが多い。
中途採用では基本的に即戦力を求める企業が多いため、スキルを身に付けている信用金庫職員は転職市場で高く評価されるのだ。
例えば財務・会計に関する知識や分析スキルは、どの企業・業界でも重宝される。
また、法人や個人などのさまざまな属性の顧客を相手に営業してきた経験も、転職時に大きな武器となる。
「信用金庫から転職したい」と考えている場合は自分のスキルを明確にし、転職時にしっかりとアピールしていこう。
業務の正確性が高い
信用金庫はお金を取り扱う仕事であるため、1円単位でも正確に処理しなければならない。
細部まで正確に仕事をする点は、転職市場でも高く評価されるポイントのひとつだ。
また、融資の判断などをする際、社内外のさまざまな人間とコミュニケーションを取りながら慎重に進めていかなければならない。
周囲に確認を取りながら丁寧に仕事を進めていく点も、転職後には大きな強みとなる。
厳しい環境を耐えてきた経験がある
信用金庫の職員は、毎日厳しい営業ノルマと戦わなければならない。
精神的に負荷がかかる環境で培われたストレス耐性も、多くの企業が求めている。
例えば、新規開拓で何件も飛び込み営業をしたり、取引先から理不尽に怒られたりと、ストレスがかかる場面は多い。
さらにノルマを達成できなければ上司から厳しく叱責されるケースもあり、精神的に辛い場面を乗り越えてきた人も多いだろう。
厳しい環境の中で成果を出してきた点は、転職市場で非常に高く評価されるポイントだ。
信用金庫からの転職成功に必要なポイント
比較的転職しやすい信用金庫の職員ではあるが、成功させるためにはしっかりとポイントを押さえることが重要だ。
転職成功に必要なポイントとして、以下の3点が挙げられる。
- スキルを活かせる業界を探す
- なるべく早めに転職活動を始める
- 転職エージェントを利用する
それぞれのポイントについて確認していこう。
スキルを活かせる業界を探す
転職時にもっとも重要なのが、自分のスキルを活かせる業界や職種を探すことだ。
培ったスキルを活かせない職場を目指しても面接の通過は難しく、仮に転職できてもミスマッチを起こすリスクがある。
例えば、財務・会計の知識を活かしてM&A業界を目指す場合、転職に成功する可能性は高い。
一方で、マーケティング関連の職種を目指しても信用金庫でのスキルが活かしにくく、転職は難しいだろう。
もちろん未経験の業界・職種へのチャレンジは悪いことではないが、転職の難易度が高くなることを把握しておこう。
なるべく早めに転職活動を始める
すでにご紹介した通り、信用金庫の職員が身に付けているスキルは転職市場で評価されやすい。
しかし、一方で信用金庫に長く勤めていることで転職しにくくなってしまうのも事実だ。
信用金庫は独自に仕組みで仕事をしていたり、非効率的なやり方が慣習として残っていたりすることが多い。
ほかの企業とは仕事の仕組み・やり方が大きく異なるため、転職後は1から仕事を覚え直す必要がある。
若手であればすんなり適用できる可能性が高いが、ベテランになってくると新しいことを吸収するのにも一苦労だ。
信用金庫独自のルールで長く働いてきたベテラン職員は転職市場で敬遠される可能性が高いため、できるだけ早く転職活動を始めよう。
転職エージェントを利用する
転職を成功させる可能性を高めるには、転職エージェントの利用は必須だ。
働きながらでも効率的に転職活動を進められるため、積極的にサービスを利用しよう。
転職エージェントは、転職に必要な情報を細かく共有してくれる点が大きな魅力だ。
転職先業界・企業のリアルな情報や面接通過のポイント、提出書類の添削などを丁寧にサポートしてくれる。
また、スキルや経験にマッチした求人を紹介してくれる点もメリットとして挙げられる。
数多くの転職を支援してきたプロが求人を見極めるため、理想の求人に出会える可能性が高い。
初めての転職で不安を感じている方は、転職エージェントに登録してみよう。
信用金庫からの転職先にはIFAがおすすめ
信用金庫からの転職先として、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)がおすすめだ。
IFAとは、金融機関から独立した立場から顧客の資産運用をサポートする役割の専門家である。
ここでは、IFAへの転職をおすすめする3つの理由について解説していく。
信用金庫で培ったスキルを活かせる
IFAは、顧客のライフプランに合わせて適切な金融商品を提案する仕事がメインとなる。
信用金庫で培ったスキルをそのまま活かせるため、業務に馴染みやすい点が大きなメリットだ。
例えば、信用金庫では個人顧客に対して投資信託の販売を行うケースがある。
顧客のライフプランに寄り添い、商品のリスクや魅力を適切に説明してきた経験はIFAにも活かせるスキルだ。
スキルを活かして転職したい場合は、IFAへの転職を視野に入れよう。
成果に応じて高収入を得られる
IFAにはさまざまな雇用形態が存在しているが、「業務委託型」のIFAとして働く場合は高収入を目指すチャンスがある。
なぜなら、業務委託型IFAは歩合制の報酬体系を取っているケースが多いためだ。
顧客が金融商品を売買する際に支払う手数料は、一部がIFAに還元される仕組みとなっている。
高い成果を上げれば収入もアップする仕組みとなっているため、高いモチベーションで働ける点が魅力だ。
信用金庫でも実力主義にシフトし始めている部分はあるが、まだまだ給料が上がりにくいケースが多い。
自身の営業スキルに自信がある場合は、業務委託型のIFAを目指してみると良いだろう。
ノルマに縛られずに営業できる
IFAは金融機関から独立した立場で経営されているため、商品の販売ノルマなどが原則として課されない。
ノルマに縛られずに自由な営業活動を実現できる点も、IFAに転職するメリットと言えるだろう。
信用金庫などの金融機関では、顧客のライフプランに沿わない商品であっても、会社の方針があれば売らなければならない。
「本当に顧客のためになっているのだろうか」と悩んでいる職員も少なくないだろう。
IFAであれば会社から販売商品の指示はされず、顧客のニーズに適した商品のみを提案できる。
「ノルマのために営業をするのが辛い」という方は、IFAへの転職がおすすめだ。
まとめ
信用金庫の職員は、幅広いスキルや業務の正確性、ストレス耐性などが転職市場で高く評価される。
しかし長く勤めていると転職しにくくなる可能性もあるため、転職エージェントに相談しながら早めに転職活動を進めることが重要となる。
また、転職先の選択肢として信用金庫で培ったスキルを活かせるIFAもおすすめだ。
「成果を評価してもらいたい」「ノルマに縛られず顧客に寄り添いたい」という方は、IFAへの転職を視野に入れてみてはいかがだろうか。