転職先が決まり、勤務先によっては引っ越しが必要となる場合もある。しかしいつ引っ越しすればよいか分からない方もいらっしゃるだろう。また引っ越し費用の負担も関係してくるが、企業側が負担するのか、自分で支払うのか不安に思う方もいる。
もちろん企業によって異なるため、事前に確認しておくべきだが、自己負担の場合の費用相場は理解していたほうが良いだろう。そこで今回は、転職先が決まった時の引っ越しタイミングと注意点、必要な費用を紹介する。
引っ越しのタイミングは
初めに引っ越しするタイミングについて紹介する。
入社日が確定した後
内定をもらった企業と打ち合わせを行い、入社日が確定した後に引っ越しする。入社日の確定は主に以下の3つのタイミングで決まる。
- 最終面接時に内定をもらい、入社日を決めるケース
- 面接が完了した後日、電話で内定をもらい、その際決めるケース
- 内定をもらってから数日後に入社日を決めるケース
入社日は各企業によっていつになるかは異なるため、事前に確認しておく必要がある。とはいえ一般的に、転職活動は今の会社に在職中に行うことが多い。内定をもらった段階で引っ越しする方もいるが、今の仕事の引継ぎや取引先へのあいさつ回りなどを行う必要があるだろう。
そのため内定後すぐに引っ越しするのではなく、今の会社の退職が完了したうえで、行うのが好ましい。
1か月~2か月前
一般的に、企業へ退職の意向を伝えてから1か月〜2か月前後で退職できるため、完了してから引っ越しするのが一般的だ。もちろん人によっては今のプロジェクトを完了してから退職したいと考える方もいる。
そのため入社日の打ち合わせは転職先と行っておく必要がある。とはいえ、入社日を遅らせることができるのかと疑問に思う方もいるため、詳しく知りたい方は「好きな日に入社できる?転職時に交渉する方法とは」を確認してほしい。
スケジュールから逆算する
引っ越し日は以下のように退職から入社までのスケジュールを管理し、逆算して決めても良い。一般的に内定をもらってから入社までのスケジュールは以下のような流れとなる。
- 内定をもらう
- 今の会社に退職の意向を伝える
- 引継ぎ業務と取引先あいさつ回りを行う
- 振休や有給休暇を消化する
- 新しい会社へ入社する入社する
上記のスケジュールでは「4.振休や有給休暇を消化する」タイミングで引っ越しするのが望ましい。もちろん人によってスケジュール感は異なるが、引っ越しには1日・2日かかる場合もあるだろう。
そのためある程度余裕を持った日数で行う必要がある。いずれにせよ、上記のスケジュールから逆算した日程を一つの引っ越しタイミングとして考えておこう。」
引っ越し時の注意点
ここでは引っ越しする際の注意点を紹介する。
内定をもらってからすぐに引っ越さない
内定をもらったからと言ってすぐに引っ越ししてはいけない。先ほどもお伝えした通り、今の会社の引継ぎ業務もあるが、万が一内定が取り消しになる可能性も懸念しておくべきだ。
内定が取り消しになる場合は、本人が原因なだけでなく、以下のように企業側にも問題があって生じる場合がある。
- より優秀な人材を見つけた
- 企業側の経営不振により、人件費を削減することになった
- 中途採用を取り入れて立ち上げる予定の部署がなくなった
そのため入社日が確定するまでは、引っ越ししない方が良いだろう。入社日の確定は先ほどもお伝えした通り、企業によって異なる。
しかし一般的には1か月や2か月前には知らされるため、ある程度日数の余裕を持つことができるだろう。万が一入社日が知らされなかった場合、転職先の人事へ即座に確認する必要がある。
賃貸の場合は1か月前告知
今住んでいる家が賃貸物件の場合、退去告知は1か月前に行わなければいけないケースが多い。賃貸借契約書の「使用貸借の期間」に明記されているため確認してほしいが、物件によっては2か月の場合があるため注意してほしい。
また契約書によっては記載されている場所が異なるため、しっかり確認する必要がある。また1か月前の告知であっても、実際に退去するのは告知してから1週間や2週間でも問題ない。
ただし1か月分の家賃は支払うことになるため注意してほしい。
引っ越し費用は自己負担か確認
引っ越しに係る費用は「会社負担」か「自己負担」であるかは気になるところだろう。しかし下記企業によって異なるため、事前に確認が必要だ。一般的には会社都合で引っ越すことになるため、会社負担になることが多いが、小さな会社や資金力が少ない会社、福利厚生が充実していない会社の場合は自己負担になることが多い。
次の項では引っ越しにかかる費用について解説する。
引っ越し費用に掛かる費用
引っ越し費用の相場は、次の賃貸物件の家賃の6か月分前後と言われている。
しかし業者を使って引っ越しするとなると、より大きな費用が発生する。とはいえ人によって異なるため、ここでは引っ越しに係る費用を解説する。
新しい賃貸物件の初期費用
新しい賃貸物件にかかる費用は以下の表の通りである。1か月分とは家賃のことを示す。
家賃 | 1か月分 |
敷金 | 1か月分~2か月分 |
礼金 | 1か月分~2か月分 |
仲介手数料 | 1か月分の半分~1か月分 |
保証料 | 1か月分の半分~1か月分 |
鍵交換費用 | 1万円~2万円 |
火災保険 | 1万円~2万円 |
上記の表に合わせ、家賃別初期費用は以下の表の通りだ。
家賃 | 初期費用合計 |
---|---|
5万円 | 22万円~39万円 |
7万円 | 30万円~54万円 |
10万円 | 42万円~74万円 |
12万円 | 50万円~88万円 |
15万円 | 62万円~109万円 |
初期費用は家賃の6か月前後であるが、次に紹介する引っ越し業者の費用が別途必要となる。
引っ越し業者の費用
引っ越し業者の費用は、移動距離と荷物の量で費用が異なる。もちろん依頼する業者によって価格は異なるが、家族が多いと荷物も多くなるため、単身者より割高になる傾向になる。
さらに移動距離が遠くなるほど費用が割高となるため、詳しくは以下の表を参考にしてほしい。
移動距離 | 単身者 | 家族世帯 |
---|---|---|
15km未満 | 3万円~4万円前後 | 6万5,000円~12万円 |
50km未満 | 3万6,000円~4万3,000円前後 | 7万円~12万円前後 |
200km未満 | 4万5,000円~5万4,000円前後 | 7万7,000円~14万1,000円前後 |
500km未満 | 5万2,000円~6万8,000円前後 | 10万8,000円~13万円前後 |
500km以上 | 5万6,000円~7万6,000円前後 | 11万4,000円~15万2,000円前後 |
まとめ
今回は、転職先が決まった時の引っ越しタイミングと注意点、必要な費用を紹介してきた。引っ越しのタイミングは、入社日が確定してから行うことが望ましい。とはいえ今の会社や転職先のスケジュールによって左右されるため、人事に相談して進めてほしい。
ただし賃貸物件に住んでいる方は1か月前の告知を忘れないように注意が必要だ。
また引っ越しに係る費用は会社負担か自己負担によって大きく異なる。とくに家族全員で引っ越しするとなると、高い支出となってしまうため、スケジュールと同時に負担先を確認していたほうが良いだろう。