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金融業界からの異業種への転職|市場ニーズや転職のコツを解説

AI導入やIT技術の進化、収益構造の変化などによって、金融業界は大きな転換期を迎えている。将来への不安や業務内容の変化から、金融業界からの転職を検討する方もいるだろう。

当記事では金融業界から異業種の転職を成功させるため、金融から異業種への転職事情や金融人材のニーズ、転職成功のためのポイントを解説する。

目次

金融から異業種への転職事情|理由や市場的背景を考察

厚生労働省の「新規学卒者の離職状況」によると、3年目までの離職率(大卒)は20数年で30〜40%の推移を見せている。

また、株式会社マイナビの「転職動向調査2022年版(2022年3月)」では、2021年の20~50代男女の正社員転職率が過去6年間でもっとも高い7.0%、20代にいたっては男性14.2%、女性12.5%を記録した。

このように、業界全体を見ても転職自体は珍しくないと言える。金融業界においても同じ傾向があり、業務のプレッシャーや将来に対する不安から、転職を志すケースが見られる。以下では、金融からの転職事情について考察した。

金融業界からの転職者は増加傾向

金融業界から異業種へ転職する方は、20~30代の若い世代を中心に増加傾向が見られる。とくに銀行においては従業員の減少が目立ち、5年間で約2万7,000人の銀行員が減っている。

また、株式会社リクルートの「2022年転職市場の展望(2021年12月)」によると、銀行・証券から異業種への転職を希望する方が10数年間で40〜50%で推移していた。

これは建設・不動産業界、医療・医薬・バイオ業界、化学業界などの他業界の10〜40%と比べても多い数値である。

金融業界からの転職が増えている背景

金融業界から転職が増えている背景として、次のことが考えられる。

・将来性のあるDX・ESG・SDGs関連に関わりたい人材が増加しているから
・AI導入などのデジタル化に伴う人材削減の動きがあるから
・銀行・信用金庫などの業績低下により、将来性に不安を感じているから
・金融業界で身に付けたスキルはニーズが高く、同業種・異業種とも求められるから

具体的な転職理由

金融業界から転職を検討する方に多い転職理由を見ていこう。

営業ノルマが厳しくストレスに感じる

金融業界の営業職や専門職は、ほとんどのケースで営業ノルマを課せられる。

例えば金融商品の販売、クレジットカードの発行や加盟店数、融資審査、与信審査など、顧客の資産に関するものが多い。大きな責任を感じることも珍しくないだろう。また、ノルマ達成に伴う、激務や長時間労働が負担になるケースも多い。

このようなストレスに耐えきれず、転職を検討するケースが見られる。

業界の将来性が不安

金融業界では顧客の資金調達の多様化、ビジネスモデルの変化、IT技術の進化などの要因で、企業の業務内容に大きな変革が見られる。これらに伴う人員削減や業務フローの変化から将来性に不安を感じ、金融業界からの転職を検討する方が増えている。

仕事内容のギャップが大きくやりがいを感じられない

「自社利益優先の営業に対して疑問を感じた」「融資業務を希望したが実際は窓口や商品販売ばかりの業務だった」など、入社前に想像していた業務とのギャップに不満を持ち、転職を検討する方が見られる。

金融からの異業種への転職は難しいのか|人材ニーズを考察

高い専門性が求められる金融業界だが、金融業で培ったスキルや実績は、同業種・異業種問わず、転職活動における武器になる。

具体的な転職事例として、次のものが挙げられる。

・無形商材の営業経験を活かし、保険会社や異業種の法人営業へ転職
・経理知識を活かし、ベンチャー企業の経理部門へ転職
・金融事務の経験を活かし、メーカー系のバックオフィス部門へ転職
・銀行業務経験を活かし、信用金庫や信用組合へ転職
・財務知識を活かし、財務系コンサルタント会社へ転職

財務・経理の知識、金融商品の知識、営業経験、管理系業務の経験、コンサルの経験などの基本的なスキルはもちろん、市場分析力、M&Aの経験などの専門性の高いスキルについても需要が高い。

金融業界の人材は、転職市場においてもニーズが高いと言えるだろう。未経験業界への転職も十分に視野に入る。

しかし一方で、金融業界の中でも証券会社や銀行で培ったスキルは、専門性が高い代わりにニッチで他業種との親和性が低い傾向がある。

証券会社や銀行からの転職の際は、「資産運用についての相談役の経験から、提案力・コミュニケーション能力が身に付いた」といった、汎用性の高いスキルへの言い換えがポイントになるだろう。

金融業界から異業種への転職を成功させるポイント

金融業界からの転職を成功させるには、ニーズの高いスキル・実績をアピールするだけではなく、押さえておくとよいポイントがある。金融業界からの転職を成功させるポイントをまとめた。

転職してもよいか確認し転職の方向性を固める

転職を検討する方が多い反面、勤め続けるメリットも多いのが金融業界の特徴である。金融業界で働くメリットは次の通りだ。

・平均年収が他業種よりも高い
・キャリアアップやスキルアップが望める
・社会的信用度が高く自動車ローンや賃貸契約が結びやすい

転職活動に入る前に、これらのメリットを諦めてまで本当に金融業界から転職すべきなのかを確認しよう。実際の転職事例の中には、「年収が下がった」「金融業界のほうが向いていた」と、転職を後悔するケースも見られる。

「年収を落としてでもメーカー系で働きたい」「ノルマがないルーティンワーク中心の仕事に就きたい」など、明確な方向性を固めてから、後悔のない転職活動を進めることをおすすめする。また、すでに所帯を持っている場合は、家族からの理解を得ることも大切だ。

さまざまな業種・職種の求人をチェックする

ニーズの高い金融業界のスキルを活かすため、転職先の業界を絞らずさまざまな業種・職種の求人をチェックしよう。「この仕事だと自分のスキルを活かせない」と先入観を持っていると、実は相性のよい優良求人を見逃す可能性がある。

スキル・実績を活かしやすい業界・職種の転職先を狙う

金融業界のスキル・実績を活かしやすい業界・職種の転職先を狙うことで、成功率を上げられる。活かしやすい業界・職種は、主に次の通りである。

・不動産業界
・スタートアップ・ベンチャー企業の財務部門や管理部門
・異業種全般の経理部門
・異業種のホールセール(法人営業)やリテール(個人営業)
・コンサルティングファーム
・IFA法人または独立系IFAとして金融機関と業務委託契約

転職エージェントを利用する

転職エージェントとは、企業と求職者を仲介しつつ、求職者の転職活動を無料でサポートするサービスである。うまく利用すれば、転職活動を有利に進められるだろう。具体的な利用のメリットは次の通りである。

・金融業界で培ったスキル・実績や自身の強みの洗い出しをサポートしてくれる
・採用担当者が求める人材を共有してくれるので、履歴書・職務経歴書や面接対策も有利に進められる
・求職者の能力・希望に合う非公開求人を紹介してくれる

金融スキルを活かした転職なら、金融特化のエージェントや、金融と相性がよい業界・職種に特化したエージェントの利用がよいだろう。

幅広い業界・職種から探したいときは、大手総合型転職エージェントへの登録が基本となる。

一番のおすすめは、特化型転職エージェントと総合型転職エージェントを併用するといった複数登録である。互いの弱点を補え合えるサービスであれば、より効率的に転職活動を進められる。

専門性の高さを活かし金融から異業種への転職を成功させよう

金融業界の経験は、専門性の高さからさまざまな業界からのニーズが高い。転職を検討している場合は、転職する理由や自身のスキルを整理しつつ、さまざまな企業の中から自分に合う企業をチェックしてみてほしい。

1人での転職活動が不安である場合は、転職エージェントの利用も検討しよう。例えば弊社アドバイザーナビ株式会社では、IFA転職に特化した「IFA転職」のサービスを提供している。金融スキルを活かしたIFA転職に興味があるときは、一度利用してみてはいかがだろうか。

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この記事を書いた人

IFA転職を運営し、IFA専門転職支援サービスを展開。創業から100名以上のIFAへの転職を支援。また、アドバイザーナビ経由でのIFAになった方の転職者のコミュニティ「Club IFA」も運営しており、IFA業界の転職市場に精通している。

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