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シグマ株式会社 代表取締役 吉田篤氏 TOPインタビュー

本シリーズはIFA法人の代表の方に弊社転職希望者からよくご質問をいただく内容をインタビュー形式でお伺いし、まとめました。今回はシグマ株式会社の代表取締役の吉田篤様です。

新卒では、日興コーディアル証券(現:SMBC日興証券)に入社され、6年間富裕層向けのコンサルティング業務を行った後、会計事務所系のコンサルティング会社を経て、2013年にシグマ株式会社を創業されました。その代表である吉田社長にIFA転職希望者の方からよく上がる質問などをもとに、IFA業界のビジョンや考え方についてお伺いいたしました。

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目次

吉田様のキャリアを教えてください。

私は大学を卒業した後、日興コーディアル証券(現:SMBC日興証券)に入社しました。入社後は、名古屋の支店で5年間、大阪の支店で1年間、一貫して富裕層向けに資産運用のコンサルティング営業を行っておりました。

その後、退職をして地元愛知の会計事務所系コンサルティング会社にて1年半程度勤め、2013年の9月にシグマ株式会社を設立し現在はIFA法人の代表として働いています。

なぜ証券会社から転職をしようと思ったのですか?また、御社を設立しようと思った経緯についても教えてください。

証券知識を持って金融商品の販売をするということだけではお客様が満足する金融コンサルティングは不可能だと感じたからです。入社前は、後ほど詳しく説明しますが今弊社がIFA法人として取り組んでいることをイメージしていましたが、入社後実際に証券営業マンとして行っていたことはコンサルティングというより、金融商品の販売に注力していました。それだけではお客様に喜んでいただくことは難しいと思い、税務や会計の勉強ができるコンサルティング会社に転職をしました。

弊社を設立しよう思った経緯は、私が思い描く金融商品の販売を含めた金融コンサルティングを体現したいと思ったからです。転職をした会計事務所系コンサルティング会社でも金融商品仲介業登録をしていたので金融商品の販売もできたのですが、税金や相続に関わる仕事が主軸で、今後金融商品のご提案を中心とした会社の発展がイメージできず、自分で独立しようと思い弊社を設立いたしました。

御社の社名の由来を教えてください。

シグマには二つの想いが込められています。一つ目は小文字の「σ(=シグマ)」には「標準偏差」という意味があり、平均値からのばらつきを表す指標の一つです。資産運用における標準偏差は、リターンの分布の広がりがどの程度の大きさかを表す指標で、お客様への提案についてしっかりとリスクを考えた上で最適なリターンを生み出したいという意味を込めています。証券会社時代の提案はリターンを追求することが多く、お客様のライフプランには適正でないリスクを取る提案がほとんどでした。したがって、「σ(=シグマ)」を考慮して、お客様の提案内容にこだわりたいと思っています。

もう一つは大文字で「Σ(=シグマ)」はアルファベットの「S」のギリシャ文字なのですが、「総和(Summetion)」を意味します。弊社に優秀な金融アドバイザーが集まり会社の総和でお客様への提案の質を上げていきたいという想いを込めています。

御社の新規開拓方法や提案内容、提案方法など教えてください。

新規開拓方法は大枠3つで、セミナー流入、ホームページ流入、士業さんとお客様からの紹介です。

提案内容は、まずお客様のライフプランをしっかりヒアリングして、ライフプランシュミレーションを作成し、一緒にお客様の運用目的を検討します。その目的・目標に対して必要なリスクリターンを計測後、ポートフォリオを作成します。ポートフォリオの中心は投資信託や外国債券など、長期保有を前提とした金融商品を組み入れてご提案しております。

あくまで投資の目的は、お客様のライフプランにおける目標を叶える手段として考えているため単に提案して、購入していただいたら終わりではなくその後のフォローに力を入れ、リバランスやご意向の変化があれば見直しをすることなどお客様の人生に伴走していくことを徹底しています。

吉田氏によるマネーセミナーの様子

海外式の「ゴールベースアプローチ」を元にして提案内容を考えているのですね。非常に高度な知識とスキルが必要だと思いますが、提案内容はどうやって考えているのですか。

弊社の社員は全員、CFPかAFPの資格保有者であることと証券会社出身者なのでライフプランシミュレーションの作成から提案商品など社内で相談しながらご提案しています。

社内で検討した商品ラインアップを使って、お客様の投資目的ごとに保有配分を変えるような提案方法を取り、お客様ごとに提案内容をカスタマイズできるようにしています。

御社がターゲットとしているお客様はどういう方ですか?

弊社でお付き合いいただいている方は、40代〜60代で金融資産は3,000万円以上をお持ちの方がメインです。一番多くご相談をいただく層の方は、相続を受けて資産をお持ちの方ですが、リタイアメント層やある程度資産をお持ちの一般層の方を中心にご相談をいただいています。

御社の特徴を教えてください。

一番の特徴は、社員型で会社として一貫した提案を行っていることです。業務委託型のIFA法人のように一人一人が自分の提案手法でお客様に向けてサービスを提供するのではなく、セミナーをはじめ提案内容や提案手法など一気通貫したやり方でお客様にご提案しています。

また、弁護士事務所や税理士事務所、司法書士事務所と連携を取るようにしています。単なるご紹介にならないよう、お客様の課題をしっかりとヒアリングしてその分野に強い士業さんと連携して、解決までを伴走するように心がけています。

したがって、弊社では金融商品のご提案に限らず、相続事業承継、M&A、家族信託など法務と税務周りもお客様のお役に立てるよう密に連携を取っています。

御社の社風や雰囲気、メンバーの特徴を教えてください。

先日社内で同様の話題が出たのですが、メンバーと話していたのは社風や雰囲気は「農耕型」です。証券会社のように「狩猟型」でお客様を開拓してきて商品の提案をするというよりは、腰を据えてお客様のニーズや目標という「種」を金融商品の提案や周辺のコンサルテーションという「土壌、水、太陽、肥料」をしっかり与えて、目標達成という「花」を咲かせられるようにお客様と長期目線でお付き合いしていただいています。

メンバーはCFPとAFPを保有しており、クオリティの高いライフプランシュミレーションの作成を行うことができますし、弊社から積極的に提案をするというよりかはお客様からご要望をいただいたことに対してご提案をするというスタイルでやっています。

シグマ株式会社の所属メンバー

吉田様が証券会社時代に見ていたIFA業界と現在IFA法人の代表をされていて、イメージのギャップはありますか。

ギャップはありませんでした。

私がかつて証券会社に感じていたことは、商品ありきでお客様に提案して回転売買で収益を稼いでいても限界があるということです。当時の証券会社の先輩方は、証券営業は斜陽産業だと言っていましたし、私自身も成熟した産業でお客様からどれだけお手数料を頂くかという提案方法は今後長く続かないと思っていました。

その頃、証券仲介業(IFA業界)に対して感じていたことは、証券会社から独立をした立場でお客様に金融アドバイスができるという点に魅力を感じていましたし、理想系だと感じていました。

現在IFA法人を設立した立場でも「世の中のニーズに合ったことができている」と感じています。

今のIFA業界をどう見ていらっしゃいますか?

今のIFA業界はより一層「顧客本位」を追求し続ける必要があると思っています。もちろん、どこの事業者さんも「顧客本位の業務運営」を謳っていると思いますが、現実は証券会社とあまり変わらず商品ありきで手数料を頂くことに主眼を置いて運営している法人様もあると聞きます。

表向きだけ「顧客本位」と言うのは容易いことかもしれませんが、いつまでも「顧客本位」とは何かを追求する必要があると思っています。

手数料体系を切り取っても、コミッション型とフィー型の議論がありますがどちらが良い悪いの話ではなく、お客様にとってベストな管理方法は何かを議論するべきだと思います。

また、コミッション型でもフィー型でも結局はお客様から証券会社を通じて支払われる手数料体系であることは変わりません。

今後はお客様からアドバイスの対価として手数料を頂く「投資助言業」へのシフトも考えられると思っています。

吉田様が考えるIFA業界における「顧客本位」とはなんですか?

お客様がなんのために投資をするのか、どうして投資が必要なのか、何を目指して投資をするのかを明確にすることが重要です。そのお客様の想いを叶えるための手段として金融商品が必要であればご提案をします。また仮に、税務・法務に関する相談があれば連携している士業さんのご紹介を行います。その他、シンプルにライフプランシュミレーションの作成をご要望ということであれば作成します。

金融商品の提案や販売を目的とするのではなく、お客様が投資をすることの目的に意味づけをすることが顧客本位の第一歩だと思います。

吉田様、もしくは御社が考える「活躍するIFA」とはどんな方ですか?

弊社が考える活躍するIFAの特徴は「長期的なスパンで物事を考える」能力が高いということだと思います。もちろん、コンサルテーションの能力が高いこと、素直で成長意欲あること、コミュニケーション能力が高いことなどありますが、全てに共通するのはお客様に対しても自分に対しても長期的な視点でお客様の目標達成や自身の能力向上を粘り強く追求できることだと思います。

御社で重要視されている「コンサルテーション能力」とはなんですか?どうやって培っていくものですか?

ずばり「質問する力」だと思います。お客様が何者なのか、何を求めているのかを質問し、整理して、課題を見つける能力です。例えば、お客様が将来成し遂げたい目標があって、現状その目標とのギャップがある場合はどうやって埋めていくのか、それを論理的に解決していくことが必要です。

最近の証券会社の提案方法は変わっているかもしれませんが、かつての証券会社の提案方法は、商品を販売する「型」が素晴らしくお客様が求めていない商品についても販売を可能としていました。その「型」が継承されているからこそ、現在でもプロダクトプッシュのレベルは高いと思います。

ただ、その「型」ではお客様が満足のいく提案ができなくなっており、その変化に気づき対応することが必要不可欠です。

お客様自身も気づいていない潜在的なニーズを聞き出す質問力を培って金融コンサルティングを行うことが重要だと考えています。

御社で注力している取り組みについて教えてください。

新しい取り組みということに関しては、2年前からマーケティング担当を設置して、外部のコンサルティング会社の力も借りながら見込み顧客の創出やブランディングを行っています。また、助言スタイルの確立についても取り組んでいます。

正直、弊社のライフプランを作成して長期保有でご提案をするスタイルを続けるのは中々大変なことです。なぜなら、富裕層のお客様に口座を開設していただいて、回転売買で収益を上げるのではなく長期的にライフプランに合った商品を保有するため、利益確定で売却するお手数料はないですし、保守的な運用スタイルではあるので常に新規のお客様を開拓することが必要になります。

そこで、マーケティングに力を入れることでセミナー参加者を増やし、ホームページの自然検索でご相談いただくということに取り組んでいます。

もちろん、新しい取り組みに注力するだけでなく、現在お付き合いいただいている方々のことを一番に考えてまずはお客様に喜んでいただくことを第一優先としています。

最後に、これからIFAを目指している方にメッセージはありますか?

IFAは「基本的には」楽しい業界だと思います。「基本的には」と強調したのは、当然まだ成熟していない業界なので、壁にぶつかることが多いです。

証券会社で同じことをやっている方が楽かもしれません。ただ、お客様が求めていることが変化してきている中、かつてのスタイルで回転売買、高収益を追い求めても行き着く先はお客様の幸せからほど遠いです。これは、証券会社のみならずIFA業界全般においても同じことが言えると思います。

まだまだ未成熟の業界なので、大変なことの方が多いかもしれません。しかし、自信を持ってお客様のためだけに働く環境や制度が整っているのがIFAだと思っています。諦めずに、市場やお客様のために働きたい、もしくは自分なりの将来像を持っている人にはぜひチャレンジしてほしいと思います。

シグマ株式会社 名古屋本社

【会社紹介】
シグマ株式会社
名古屋市中区丸の内2-18-22三博ビル8F
代表取締役 吉田 篤
金融商品仲介業 東海財務局長(金仲)第152号

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この記事を書いた人

大学卒業後、2019年に野村證券株式会社に新卒入社し、リテール営業店にて富裕層開拓に従事。翌年2020年12月にアドバイザーナビへ入社。
現在は、IFAへの転職支援事業の営業担当として転職希望者のキャリアアップ支援を中心としてIFA法人の採用マーケティングの支援を行なっている。

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