金融業界は比較的年収が高く、安定性もあることから、人気のある業界のひとつだ。しかし、専門性の高い業界であることから、「異業種からの転職は難しいのでは?」と感じる人も多いかもしれない。
そこで本記事では、金融業界への転職が難しいといわれる背景や、転職を成功させる秘訣について解説していく。
金融業界への転職が難しいといわれる理由
「金融業界への転職が難しい」といわれるのには、次のような背景がある。
- 専門知識が求められるため
- 新卒一括採用が主流だったため
- 選考プロセスが長いため
それぞれ詳しく解説していこう。
専門知識が求められるため
金融業界に限らず、中途採用者は即戦力となる経験や知識を有していることが求められる。
たとえば、銀行のリテール営業への転職でいうと、金融商品への知識やマーケットへの理解は必要不可欠である。関連法令や税制への知識も必要となるため、未経験者にとっては「ハードルが高い」と感じるかもしれない。
ただし、年齢によっては未経験者でも受け入れられることがある。働き手の減少による人材不足は、金融業界も例外ではない。20代〜30代前半の若手人材であれば、知識や経験よりも今後の伸びしろを評価される可能性もある。
新卒一括採用が主流だったため
金融業界では新卒一括採用を行っているため、中途採用はどうしても枠が限られる傾向にある。退職による人員減は新卒採用で補填することから、必然的に中途採用は狭き門となってしまうのだ。
しかし、最近ではその傾向も変わりつつある。多くの金融機関ではキャリア採用を積極的に行っており、異業種からの中途採用も受け入れている。
たとえば、三井住友銀行のキャリア採用の募集要項をみてみよう。
職種 | リテール向けIT戦略企画 |
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業務内容 | ◆新規事業 ・サービス開発既存サービスの市場分析や競合調査、CX(Customer Experience)やCSの向上に関する分析、世の中のトレンドや技術進化・市場調査等を通じ、ユーザー目線に基づく商品・サービスの創出・改善企画、新規ビジネスの構築、事業化実務全般。 ◆システム化企画商品 ・サービスに関する各種企画の実現に向け、システムへの実装を行うためのシステム化企画に関する実務全般。 |
経験 | 以下のような経験をお持ちの方 ・新規事業立ち上げの企画から実行までの実務経験/事業戦略企画・施策推進等の実務経験 ・商品・サービスの要件定義等の実務経験/システムエンジニアとしての就業経験 【尚可】金融ビジネスに関する実務経験 |
上記の求人情報では、「金融ビジネスに関する実務経験」は「尚可」とされており、必須要件ではない。金融業界での業務に活用可能なスキルや知見を持っていれば、異業種からの中途採用も受け入れられることが分かる。
選考プロセスが長いため
金融業界での中途採用は、選考プロセスが長いことも特徴だ。選考プロセスは金融機関によって異なるが、書類選考の後に複数回の面接が行われることが一般的である。
長い選考プロセスを経て内定をもらうためには、事前にしっかりと対策を行っておくことが大切だ。「とりあえず金融機関も受けてみよう」といった気持ちで採用試験を受けると、「なかなか次のステップに進めない」と苦労することになるだろう。
金融業界への転職を成功させるポイント
難しいといわれる金融業界への転職だが、成功させるためには次のようなポイントを意識したい。
- 金融業界でのキャリアプランを描く
- スキル棚卸を行う
- 関連資格を取得する
- 転職エージェントを利用する
それぞれ詳しく解説していこう。
金融業界でのキャリアプランを描く
金融業界へ転職する際は、その後のキャリアプランをしっかりと描いておく必要がある。「年収が高いから」、「仕事が安定しているから」といった理由では、選考に通らない可能性が高い。
特に異業種から転職する場合は、「なぜ金融業界を目指すのか」、「金融業界で成し遂げたいことは何か」といったことを明確にしておこう。
スキル棚卸を行う
転職活動では、スキル棚卸を行うことも大切だ。スキル棚卸とは、これまでの職歴を振り返り、自分の強みやスキルを洗い出す作業だ。
自分はどのような仕事に長けているのかということが理解できていれば、採用面接でもしっかりと自己PRできるようになる。
また、スキル棚卸を行う際は、自分のスキルを金融業界でどう活かすかについても考えたい。たとえば、次のようなスキルは金融業界でも活用しやすいといえる。
- 営業スキル
- 顧客とのコミュニケーション能力
- 仕事の正確性
- 常に最新情報を収集するスキル
未経験者であっても、上記のようなスキルを上手にアピールできれば、金融業界でも活躍できる可能性が高いだろう。
関連資格を取得する
未経験で金融業界に転職する場合は、業務に関連する資格を積極的に取得しておきたい。例として、次のような資格が挙げられる。
- ファイナンシャルプランニング技能士
- AFP・CFP
- 証券外務員
- 日商簿記
- 宅地建物取引士
- 銀行業務検定 など
特に金融商品の販売に携わる場合、証券外務員は必須の資格だ。採用後に受験することも可能であるが、先に取得しておく方が心象もよいといえる。
中には受験機会が限られる試験もあるため、転職活動と並行して計画的に資格勉強に取り組もう。
転職エージェントを利用する
金融業界への転職活動では、転職エージェントを利用することもおすすめだ。転職エージェントは、自分のニーズに合う求人情報を紹介してくれるだけでなく、面接対策や書類の添削といったサービスも無料で受けられる。
企業とのやり取りも代行してくれるため、効率よく転職活動を進めるためには欠かせないサービスである。
次項では、転職エージェントを利用するメリットについてさらに詳しく解説していこう。
金融業界への転職でエージェントを利用するメリット
転職エージェントを利用することには、次のようなメリットがある。
- 面接対策や書類の添削が受けられる
- 金融業界の情報が仕入れられる
- 非公開の求人情報が得られる
それぞれ詳しく解説していく。
面接対策や書類の添削が受けられる
前述の通り、転職エージェントでは面接対策や書類の添削サービスが無料で利用できる。金融業界の中途採用では複数回の面接が行われるため、想定される質問などはしっかりと対策を行っておきたい。
また、これまでの経歴を魅力的に伝えるためには、応募書類の作成にも力を入れたい。ただ端的に職歴を記載するだけでは、人事担当者の目に留まらない可能性が高い。多くの求職者の中から選ばれる書類を作成するためには、転職エージェントのサポートを得ることも検討しよう。
金融業界の情報が仕入れられる
転職エージェントの中には、特定の業界に特化したものもある。金融業界に特化したエージェントを利用すれば、より詳しい業界情報を得ることが可能だ。
特に業界特化型のエージェントでは、その業界出身のキャリアアドバイザーが在籍していることも多いため、実情に則したアドバイスが受けられることもメリットである。
未経験から金融業界を目指す場合は、特化型の転職エージェントを上手く活用しながら業界動向の情報収集に努めよう。
非公開の求人情報が得られる
転職エージェントは、非公開の求人情報を保有していることも特徴だ。好条件の求人情報は一般公開されず、転職エージェントなどを通じて一部の人にだけ公開されることがある。好条件の求人情報を一般公開してしまうと、多くの応募が集まり選考に時間がかかってしまうためだ。
転職エージェントを利用していると、こうした非公開の求人情報を紹介してもらえるメリットがある。より効率的に良い求人情報を探し出すためには、ぜひ転職エージェントの活用を検討しよう。
(参考サイト:HR table)
金融業界への転職はエージェントを活用しよう
金融業界への転職は難しいといわれることが多いが、近年ではキャリア採用も多く受け入れており、異業種からの転職も十分可能である。「未経験だから金融業界は無理だろう」と諦めてしまうのではなく、活かせるスキルや知見はないかスキル棚卸を行ってみよう。
また、金融業界への転職では、業界特化型の転職エージェントを利用することもおすすめだ。業界特化型の転職エージェントでは、業界出身のキャリアアドバイザーも多く在籍しているため、より詳しい業界情報が収集できるメリットがある。
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