転職先、最低一年間は頑張って働いた方が良い理由

多くの人にとって、「働く」というのは人生の大きな比率を占める要素だ。ひとえに「働く」と言っても、働き方は様々なかたちが存在する。雇用形態、職場環境、出勤頻度・・・仕事選びにおいてどのような要素を重要視するのかは人それぞれであり、だからこそ仕事は面白い。

しかし、仕事は決して楽しいだけではなく、しんどさを感じる時もある。それは長年勤めている会社だけではなく、新たに入社した職場においても言えることだ。

後者のケースでしんどさを感じた場合、「このまま続けても良いのかな。また転職活動を再開した方が良いかな・・・？」という迷いが生まれることも決して珍しくはない。早々に辞めることも一つの手段だが、結論として最低一年間は頑張って働くことをおすすめする。しかし中には一年間頑張らなくてもいい場合もある。

なぜ最低一年間は同じ職場で頑張って働いた方が良いのか。本記事では、転職直後に「思った感じと違った」というミスマッチを感じてしまった場合でも、最低一年間は働いた方が良い理由について解説する。本記事が、同じような迷いを抱えている方の道を照らすヒントとなれたら幸いだ。

なぜ最低一年間は頑張った方が良いのか

さっそく、本記事のタイトルに挙げている疑問に対する理由について解説しよう。

あなたの履歴書に大きな傷が付くから

まず、最もシンプルな理由として挙げられるのはこれに尽きる。転職後、1年も満たない期間で退職する道を選んだ場合、早期退職をしたという事実はあなたの職務経歴書にしっかりと残ってしまう。

一般的に企業が転職希望者の採用を検討する際、これまでの経験社数と勤務期間の2つに目を向ける。勤務期間が一年にも満たない経歴は、『辞め癖がある』『忍耐力がない』と判断されてしまい、選考が不利な状況に陥ってしまう可能性がある。

選考が不利な状況となると、選考を受けられる企業の選択肢が狭まってしまう恐れがあるため、早期退職の道は慎重に選ぼう。

やりがいに気づけるかもしれないから

次に挙げられる理由は、一年未満ではその仕事のやりがい、楽しさに気付けない可能性があるかもしれない点だ。

たとえ転職直後はやりがいに気づけなくとも、仕事内容、人間関係を含む職場環境に慣れていくにつれて、何らかのやりがい、楽しさが見つかる可能性は決してゼロではない。むしろ、転職直後からすぐにやりがい、楽しさを実感できる方がラッキーだろう。

一年間頑張ったにもかかわらず仕事のやりがいは見つからず、結果的に転職したとしても、「一年間頑張った」という事実は、確かな自信としてあなたの心の中に残るだろう。

一年間の中でスキルアップに繋がるから

一年間同じ環境で働くことで、スキルアップを果たすことができる可能性は決して低くない。業界・職種によって磨けるスキルは全く異なるが、具体的には、ビジネスマナー、コミニュケーション能力、マネージメント能力等が挙げられる。

日々の仕事を通して磨いたスキルは、現職で磨き続けるもよし、新たな転職先で活かすのもよし。得られたスキルは確実にあなたの糧となるはずだ。スキルアップを果たすことで、あなたの『働く』ということの可能性は、大きく広がっていくだろう。

一年頑張らなくても良い人の特徴

これまで、転職後はとりあえず一年間は続けた方が良い理由・メリットについて解説した。しかし、一年間頑張らなくても良いパターンも存在する。それぞれ詳しく見ていこう。

労働環境があまりにも劣悪

残業代が払われない、パワハラが横行している、休日返上で働くことが正とされた職場環境等、中には思わず目を覆いたくなるほど環境が劣悪な企業も一定数存在する。そのような環境に身を置いている場合は、一年頑張ろうとする必要は全くない。

たとえ今は踏ん張れていたとしても、ある日突然、あなたの心身に限界が来てしまう可能性が高い。限界が来てしまった後は、回復まで非常に長い時間を要するため、限界が来る前に「逃げる」選択肢を選ぶことが正解だ。

いち早く現在の環境から離れ、クリアな条件で働ける職場探しに注力していこう。

次にやりたいことが明確化している

次のステージでチャレンジしたいことが明確となっており、迷いが一切ない状況の場合も、我慢してまで一年間頑張る必要はない。なぜなら、やりたいことが決まっている以上、やりたくないことを我慢して続けることはあなたの時間と労力を必要以上に費やしてしまうからだ。

早々に、次のステップへ進めるための準備へ移行していくことをおすすめする。一方、やりたいことが決まっていない状況でとりあえず退職する、という選択肢はおすすめできない。転職活動をしながらやりたいことを見つけるのも一つの選択肢ではあるが、目指すべき目標・ロードマップがない状態で転職市場の海を泳ぐのはややリスクがある。

業界・職種、重視したい待遇、働き方等、あなたが重きを置きたい企業探しの軸は、自己分析を通して固めておくことをおすすめする。

入社後のミスマッチを防ぐためには

これまで、転職後に「思った感じと違うな」というミスマッチを感じた後、とりあえず一年頑張った方が良い理由等について解説した。一年頑張ることはあなたの経験値・学びになるのは確かなことだが、そもそも理想と現実のギャップが生まれないようにしたいところだ。

そこで、入社前後のミスマッチを防止するためのポイントについて解説しよう。

企業研究をしっかりと行う

まず、ミスマッチが起こる要因として最も多いのが「企業研究不足」だ。選考過程で、企業が定める採用要件を始めとして、業界内での立ち位置、事業の独自性、今後の発展性等、様々な方向から選考を受ける企業を研究することが大切である。

企業研究を行うことで企業理解度を高めることができ、また企業研究の過程で「この企業は自分に合っているか？」を吟味することができる。求人情報、コーポレートサイト、採用ホームページ、その他メディア等をとにかく調べて企業への理解を深めよう。

業界・職種に対する理解を深める

続いて、業界・職種への理解度が浅い場合も入社後のミスマッチに繋がる要因になりやすい。業界・職種ごとに働き方、仕事の難易度、求められるスキル等は全く異なり、あなたにマッチした業界・職種を選ぶことは、転職活動の成功を決定する要素といっても過言ではない。

転職サイトや転職コラム等を通して、業界・職種への理解度を十分に高めておこう。また、自分とのマッチ度を図るためには、転職サイトでの適性チェックや転職アドバイザーへ相談する方法をおすすめする。

転職活動を成功させるために、身の回りにある情報やツールはとにかく惜しまず活用することが鉄則だ。

企業訪問等で会社の中身を深く知る

転職先の企業の中身を深く知るために、企業訪問の機会をぜひ設けてみてほしい。働く従業員がどのような表情で働いているのか、どのような雰囲気かを知るためには、直接リアルに企業を見る必要がある。

直接目で企業の中身を見ることで、自分がその環境で働けるイメージが湧くか否かが自然と判るだろう。前者であれば、その環境はあなたに合っている＝ミスマッチが生まれない可能性が高い証だ。企業から内定を得て、入社時の交渉に進む前後で企業訪問の実施を相談することをおすすめする。

まとめ

以上、転職後にとりあえず一年頑張った方が良い理由について様々な方向性から解説した。

本記事でも触れたように、「短期離職をした」という事実は、一般的に企業からマイナスイメージを持たれてしまいやすい。後々の転職活動が不利な状況となってしまう可能性が上がってしまうため、「退職」は慎重に判断してほしい。

早期退職は、あなたの市場価値を下げてしまう要因となることを頭に入れておこう。とりあえず一年頑張るか、頑張らないか。いずれの場合においても、あなたの転職活動がより良い方向へ進む未来の実現を切に願っている。