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前の会社での評価・評判は、転職時に影響を与えるか?~リファレンスチェックについて

「前職を辞めた。前職を辞めるときに少し上層部ともめた。相手が強引な引き止めをしたからだが、私が悪いかたちに変えられて、新しい会社の方にも伝えられていないだろうか」

「前の会社では非常に評判が良く、自分も楽しく働いていた。自由な風土だったし、キャリアアップのために新しい職場に移ったが、前の会社で得た評価は新しい転職先にプラスの影響を与えるのだろうか」

立場は違っても、このように「前の会社の評判」が新しい転職先に影響を与えることにならないかと疑問に思う人もいるのではないだろうか。今回の記事ではその疑問に答えるべく、「リファレンスチェック」について取り上げる。

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目次

前職での活躍や評判を調べるリファレンスチェックについて

リファレンスチェックとは、ごく簡素に言うのであれば、「身元照会」という意味になる。ただし就職・転職の場面で用いられるときには、単純に「身元を確かめる」という意味ではなく、「就職・転職希望者が出してきた書類と、前の職場での経歴に整合性があるかどうかを、前職の同僚や上司に確認する」といった意味になる。

なおこのリファレンスチェックは、必ず行われるものではない。リファレンスチェックを行わない企業も、もちろん存在する。ただ一方で、前職までだけでなく、2つ以上前の企業にまで範囲を広げて調査を行う企業もある。

ちなみに、リファレンスチェックと似た意味を持つ言葉として、「バックグラウンドチェック」がある。バックグラウンドチェックもまたリファレンスチェックと同じで、「前職に対して行う調査」という意味を持つ。ただしバックグラウンドチェックの場合はリファレンスチェックとは異なり、後ろ向きな理由で使われることが多い。

下記で詳しく解説するが、リファレンスチェックの場合は「この就職・転職希望者の前職での働きぶりはどうだったか」「この就職・転職希望者の人柄はどうか」をチェックするために行うものであるのに対して、バックグラウンドチェックの場合は「この就職・転職希望者は経歴を査証していないか」「この転職・就職希望者は、これまでの経歴のなかで問題を起こしていないか。また、就業にあたって問題はないか」などを確かめるために行うものだ。

リファレンスチェックがあくまで「会社とのマッチング度を調べるために行うもの」であるのに対し、バックグラウンドチェックの場合は「その人物に問題があるのかを調べるために行うもの」であるという違いがあるわけである。

なお現在は、個人情報との兼ね合いも難しいため、バックグラウンドチェックは減少傾向にある。そしてそのバックグラウンドチェックに代わるものとして、リファレンスチェックが使われるようになってきている。

評判チェックはなぜ行われる? その意味とは

上でも軽く取り上げたが、それではこのリファレンスチェックはなぜ行われるかについて詳しく見ていこう。

リファレンスチェックは、いわばその人個人に対する「評判のチェック」である。人は何かを購入しようとするときよく口コミを頼るが、リファレンスチェックもまた似た性質を持っているといえる。

リファレンスチェックを行うことで、企業はその人が自社にマッチングする人物であるかどうかを知ることができる。多くの人が採用ラインに乗っているとき、企業は当然のことながら、自社とよりマッチする人材を採用したいと考える。そのときに、このリファレンスチェックは非常に大きな効力を発揮する。

また、前職でのその人の評判を知ることで、その人が辞めやすい人かどうか、勤務態度が誠実であったかどうかを確認することができる。それのみならず「なぜその人が前職を辞めようとしたか」を知ることで、その「辞める理由」をつぶして、早期退職を防ぐこともできるようになる。

さらに、リファレンスチェックには「選考段階では知ることのできなかったこと」を企業側が把握できるというメリットもある。履歴書のスペースは限られているし、面接の時間も限られている。このため企業側は、その就職・転職者の資質を深く知ろうとしても、時間が足りないという状況に陥りやすい。

しかしリファレンスチェックをして、前の会社での評判を知り、その人の長所や短所を確認することで、この「時間が足りなかったゆえの情報の少なさ」をフォローできるようになるのだ。

リファレンスチェックは企業側にとってメリットの大きいものだが、個人側にもメリットがある。上記は、言い換えれば、

  • 自分とマッチングしない可能性が高い企業からは断られるため、時間をロスしなくて済む
  • 早期退職しなければならない要因が、早い段階で摘み取られる
  • 履歴書や面接で伝えられなかった部分も、調査によって相手に知ってもらうことができる

ということになるからである。

リファレンスチェックの法的な解釈

上記で述べたように、リファレンスチェックは企業側にも個人側にもメリットのあるものではある。

しかし、「勝手に評判を調べられるのは不愉快だし、なんとなく怖い」「前職で1人だけ非常に仲の悪かった同僚がいて、その人間が回答した場合は悪評を立てられそうで不安だ」「もともと前の職場で上手くいかなくて辞めたが、そのことを転職先に知られたくない」と思う人もいるだろう。

ただリファレンスチェックは、本人の同意なく行うことはできないという法律的な定めがある。

前職での評判などは、「個人情報」にあたる。そして個人情報は、個人情報保護法の保護を受ける。個人情報保護法の第23条において、「本人の同意を得ないで、個人のデータを第三者に引き渡してはならない」と定められている。つまり、リファレンスチェックを頼んだ側(転職先)は違法性を問われないが、それに応じた側(前職側)は違法性があると判断されるのである。

また、リファレンスチェックを行った結果を見た企業側が、安易に「内定は出したものの、評価が良くなかったのでこの人物の内定を取り消す」とした場合、解雇権を乱用にあたるとして違法だと判断されることもある。内定の取り消しが認められるためには、「その解雇が合理的であり、社会通念上認められるものである」という条件をクリアすることが必要なのだ。

このため、「勝手に評判のチェックが行われ、前職の人間が悪意のある評価をした結果、転職先の会社から不採用や解雇を一方的に言い渡される」といった状況に陥る可能性は、極めて低いといえる。

転職のときには前の会社の評判が問われることもある

リファレンスチェックやバックグラウンドチェックによって、前職での評判が新しい転職先に影響を及ぼすことはある。

しかし個人情報保護法により、「そもそも本人の同意がなければ、これらのチェックはできない」とされているため、過度に心配しすぎることはないだろう。

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この記事を書いた人

IFA転職を運営し、IFA専門転職支援サービスを展開。創業から100名以上のIFAへの転職を支援。また、アドバイザーナビ経由でのIFAになった方の転職者のコミュニティ「Club IFA」も運営しており、IFA業界の転職市場に精通している。

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