転職活動における面接で、鉄板ともいえる質問の1つが、仕事を始められるタイミングのヒアリングである。面接の対策や準備において、どのように受け答えするべきか迷ったことはないだろうか。
入社時期の確認を受けた時に、どのような回答を心がけると良いか解説する。質問の意図をはじめ、心がける回答のポイントや注意点をあわせて解説するので、参考にしてほしい。
いつから働けますか?と聞くのは意図がある
面接官が入社時期や業務開始時期を質問するのには、以下の目的がある。
- 入社意欲があるか見ている
- 企業が望む入社時期と一致するか
- 計画性があるか
- 形式的な質問で特段の意図はない
それぞれ、どのような目的があるのか確認していこう。
入社意欲があるか見ている
入社時期のヒアリングは、自分の入社意欲を確認されていると認識しておく。面接官なら「すぐに入社したい」意思を表してくれる人を採用したいと思うのは当然だろう。
逆に、歯切れの悪い回答をしている人は、マイナス評価になる。
「すぐに会社の一員として貢献したい」と思う気持ちがあれば、早く希望すると考えるものだ。仕事をいつから始められるか確認する目的は、入社意欲がきちんと採用希望者にあるのかを確認したいからである。
企業が望む入社時期と一致するか
入社してほしいタイミングで、採用希望者が入社できるかを確認している場合もある。面接官は、採用人数や採用時期をある程度明確にして採用活動を行う。入社時期にミスマッチがあると、採用が計画通りに進まない可能性がある。
必要な人材でも企業が入社してほしい時期と異なる場合は、採用が見合わせになるかもしれない。入社時期のミスマッチを防ぐ目的がある。受け答えをしている時に、企業側の入社時期として都合の良いタイミングをヒアリングしておく。
計画性があるか
採用希望者の計画性を確かめている場合もある。というのも、在職中に転職活動を行っている場合、内定後には退職手続きが必要になる。働こうと思っても、すぐには働けない場合が多い。
退職手続きにかかる期間が1ヵ月から2ヵ月必要であれば、理由を添えて伝えられるか、計画性も見られている。無理のあるスケジュールを伝えると、かえって印象が悪くなる。
形式的な質問で特段の意図はない
形式的な質問で、特段の意図がないケースもある。面接官の質問も終わり、面接時間を埋めるために形式的に、いつから働けるのかを確認する。形式的な質問とはいえ、回答の仕方では深く突っ込まれるので、いい加減に答えないように注意が必要である。
どの目的でヒアリングされても、事前に準備しておいた回答を心がけると良い。次は、どういった回答が望ましいか解説する。
質問の回答方法をそれぞれのケースで解説
質問の回答方法は、人によって状況が異なり各自の状況を踏まえて準備する必要がある。
大きく分けると、在職中か離職中かで質問の回答が異なる。退職手続きで、業務の引継ぎや後任の選定が必要であれば、すぐに転職できない。一方で、すぐに仕事ができる状況であれば、早いほど良いだろう。
どのような伝え方が良いのか、それぞれのケースで確認していこう。
在職中の回答方法
在職中は「時期」と「理由」を説明しておく必要がある。それぞれの項目は、以下をポイントにすると良い。
- 時期:内定後1ヵ月から2ヵ月後
- 理由:現職の業務引継ぎ 後任の担当決め 取引先への挨拶回り
内定後に退職の意向を表明したり、業務を後任に引き継ぐ対応が必要となるため、働き始められる時期は1ヵ月から2ヵ月後とするのが一般的である。その際、1ヵ月から2ヵ月の期間が入社までに必要な理由も添えておくと良い。
離職中の回答方法
仕事をしていない状況であれば、特段の事情がない限りできるだけ早く入社可能であると伝える。特段の事情とは、親族の介護や看病など、仕事が行えない状況である。こうした状況でない限りは、入社意欲があることを伝えておく。
「すぐに働ける」「御社の都合に合わせられる」といった内容で回答すると良い。もし、仕事がすぐに出来そうな状況なのに、入社のタイミングが遅くなる場合は、理由を伝えられるようにしておく。
回答方法でやってはいけないこと
やってはいけないのが「曖昧」な内容の回答である。先ほども述べた通り、退職手続きに必要な期間を逆算できるか、計画性を確認している。
また、自分で理由を考えずにネットから回答例をそのまま暗記するのもやってはいけない。面接官も何度も採用者を見ている。本心ではない理由は見破られる可能性があるので、注意が必要だ。
曖昧な回答をしている場合は、計画性がないと判断されてしまう可能性が高い。明確な時期と、それだけ期間が必要になる理由を添えて伝えることを心がけると良い。
質問の回答方法で合否は影響しない?
結論としては、合否に影響しているとはいえない。というのも、形式的な質問として面接官が行っている可能性もある。ただ、採用したい人には、具体的な入社時期などを詳細に確認する。
採用側は、さまざまな質問をしながら「長く働いてくれる人材か」「社員の一員としてスキルをしっかりと発揮して活躍できるか」を重視している。
入社してほしい時期がマッチしていても、入社にいたる動機やスキルに不足がある場合は、採用には至らない。入社時期よりも、志望動機や転職を考えた理由や強みが、企業の求めている人物と合致しているのかを確認する。
あくまでも、採用に大きな影響を与える質問ではないため、たとえ質問があっても合否に影響する可能性は低い。
いつから働けるかを聞かれても落ち着いた回答を心がける
転職の面接で、仕事がいつから始められえるのか質問を受けた場合の、押さえておきたいポイントを解説した。一見すると何気ない質問だが、面接をしている人の意欲や計画的に活動が行える人かを見ている。
曖昧な時期を回答せずに、はっきりとした時期を伝えて、その時期になる理由も添えて回答しておくと良い。在職している場合は1ヵ月から2ヵ月が目安の期間である。離職中の人は、特段の事情がない限りはすぐに働けると伝えると良い。
入社がいつになるのか質問をされたとしても、それ自体が合否に影響しない。転職活動中の面接では、必ずといっていいほど質問されるため、事前にしっかりと準備と対策を行っておく。
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