SMBC信託銀行は、銀行業務や信託業務、併営業務を行う。金融機関への転職を希望している人にとって、転職先の候補のひとつになるだろう。SMBC信託銀行に転職するには、どのような点に注意すればよいのだろうか。
この記事では、SMBC信託銀行の業務内容を確認し、SMBC信託銀行の内定を獲得するための方法を解説する。
SMBC信託銀行とは?SMBC信託銀行のおもな業務内容
SMBC信託銀行は、株式会社三井住友銀行の100%子会社で、1986年に設立、2013年に現在の商号に変更された。2021年7月には、本社を港区から千代田区へ移転している。
SMBC信託銀行のおもな業務は、銀行業務、信託業務、不動産業務、証券代行業務、プライベートバンキング業務である。なお信託銀行は、「銀行業務」に加えて、「信託業務」と「併営業務」を行うことができる銀行である。
信託業務は顧客の財産を委託者に移転し、財産の管理・運用を行う業務である。また、併営業務は遺言の保管や遺言執行業務などの相続に関する業務、株主名簿を管理する証券代行業務や不動産売買の仲介業務などを指す。
銀行業務
ほかの銀行と同様、円預金・外貨預金のほか、投資信託や債券の取り扱い、個人年金保険や終身保険などの保険、住宅ローンや不動産投資ローン、クレジットカードなどを取り扱っている。
信託業務
個人や法人が所有する財産を委託者に移転し、財産の管理と運用を行う。SMBC信託銀行では、包括的な資産運用ソリューションを提供する指定運用・特定運用の信託、資産承継・事業承継においては、円滑な資産や事業の承継をサポートする遺言代用信託・受益者連続信託、美術品信託などを行っている。
不動産業務
不動産売買の仲介役として、SMBC信託銀行が総合的なアドバイザーを務める仲介業務、法人向けに不動産の調査・分析などのコンサルティング業務、不動産の管理を依頼する受託業務などを行う。
加えて、不動産投資の総合的なサポートを行うアセットマネジメント業務、不動産鑑定士による鑑定業務なども行う。
証券代行業務
法人向けの株主名簿管理業務や株主総会に関する事務手続き、正確で迅速な事務処理などの証券代行サービスを提供する。
プライベートバンキング業務
資産の購入・売却・管理・運用・承継について、顧客とその家族に対して総合的な提案をする業務で、専属の資産運用チームが一人ひとりのニーズに合わせたサービスを提供している。
SMBC信託銀行の業務を紹介したが、対象が個人か法人かだけでなく、業務によって求められるスキルは異なる。
SMBC信託銀行に求められるスキル
SMBC信託銀行の業務について簡単にまとめた。業務内容は幅広く、どの業務に配属されるかによって、求められる経験やスキルは異なる。SMBC信託銀行で働きたいだけでは、自己アピールとしては弱く、内定を獲得できる可能性は低くなる。
そのため、SMBC信託銀行だけで判断するのではなく、SMBC信託銀行のどの部署で求人を出しているか確認し、求人内容に合ったアピールをしなければならない。そこで、求められる経験やスキルを解説する。
個人営業の経験
顧客に対する接客マナーなど、顧客に失礼のないように振る舞う必要がある。礼儀や作法、言葉遣いなどのマナーは実務経験があっても間違えて覚えている可能性はあるが、基本的に知識の習得と実践を繰り返して身につくものだ。接客経験がないと、社内研修なしで営業するのは難しいだろう。
個人営業の経験がある人は、転職を機に、基本的なマナーを確認し、自然に振る舞えるようにしておきたい。
保険や株式など金融商品の販売経験
保険の販売では保険募集人の資格が必要で、株式などを取り扱う場合には、一種・二種外務員の資格が必要である。保険会社や保険代理店からの転職、証券会社からの転職であれば、すでに資格を保有しており、強みになる。
しかし、これらの資格は入社後でも、普通に勉強すれば取得できる。そのため、資格の保有だけでなく、営業成績など、より具体的な内容でアピールしたい。問い合わせしてきた顧客にどのようにアプローチし、販売までにつなげるか、そのスキルが求められる。
住宅ローンや不動産投資ローンなどのローンの知識と経験
銀行にとって、ローンは昔からある主力商品である。銀行でローンの取扱経験があればよいが、少なくともローンの知識は身につけておきたい。
たとえば、ローンの種類や金利の決まり方、競争力のある商品など詳しく調べようと思えば調べられる。
ファイナンシャルプランナー2級
ファイナンシャルプランナーはおもに個人向けに、家計に関わるさまざまなアドバイスをするお金の専門家で、保険や株式、ローンなど銀行で扱う商品の基礎知識を身につけられる。ただし、資格取得で得られる知識は一般的な知識で、実際に販売されている商品の特徴や他社商品との違い、強みなどは自分で調べるしかない。
また信託銀行は、保険の販売では代理店として業務を行っており、商品内容は保険会社が決めている。同様に、近年では、他行の住宅ローンを代理店として取り扱う金融機関があり、業界未経験者にとっては複雑に感じるだろう。
商品を比較すると、商品性も理解できるようになるため、企業分析の一環として、調べておくのもよい。
法人営業の経験
信託銀行では、証券代行業務、信託業務、不動産業務など法人向けのサービスも多い。経営や事業に関する知識が豊富で、法人の問題解決にどのようにアプローチできるか、提案力も求められる。個人営業とは異なり、ビジネスのスケールは大きく、常に会社を背負ってコミュニケーションする必要がある。
法人営業の経験があるなら、信託銀行の法人営業との共通点を見つけ、その点について具体的なアピールをしたい。
法人営業で求められる知識
信託銀行は、事業承継や相続、不動産取引など取り扱う分野は幅広い。ファイナンシャルプランナーの資格取得の過程で基礎的な知識は学ぶものの、近年、事業承継や相続関連の法改正が行われており、最新の情報を把握する必要がある。不動産取引に関しては、宅地建物取引士の資格取得の過程で、民法や宅建業法、建築基準法などを学ぶ。資格取得を通して、必要な知識を身につけたい。
このほか、各分野の税制や法人税の仕組みも理解しておきたい。
SMBC信託銀行への転職を成功させるためには
ほかの銀行や信託銀行からSMBC信託銀行へ転職する人なら、業界について詳しく、状況を把握しているかもしれない。しかし、募集人数は限られているため、できるだけ確実に内定を獲得できるよう、転職活動を進めたい。
解説したように、自分で情報収集し、SMBC信託銀行が求める人物像であることをアピールできれば、転職できるかもしれない。しかし、内定を獲得できる確率を上げるために、金融機関への転職に強い転職サイトのサービスを利用する方法がある。
弊社の転職サイトは、金融機関への転職を専門とし、転職アドバイザーが好条件の非公開案件を紹介してくれたり、SMBC信託銀行の面接ではどのように回答すればよいかアドバイスしてくれたりする。転職活動の方法のひとつとして検討してみよう。
転職では正確な情報をもとにした対策が重要
どんなに多くの「強み」を持っていたとしても、企業が求めていなければ、採用される可能性は上がらない。募集している部署や業務、求める人材に沿って、アピールすることが大切である。
転職を成功させるためには、正確な情報と情報をもとにした面接対策が重要となる。転職アドバイザーなどのサービスを上手に活用し、SMBC信託銀行への転職を実現しよう。