中途採用の面接は1回で済む場合もあれば、2回、3回と続くことがある。特に大手の企業や応募者数が多い会社であれば、より厳密な人選を行う必要があるため、面接の回数は増える傾向にある。そのため面接の事前対策をしておかなければいけない。
今回は二次面接に着目し、聞かれる内容とポイント、事前の準備について解説する。これから転職する人はぜひ参考にしてほしい。
二次面接は最終面接?
そもそも二次面接は最終面接ではないのかと疑問に思う方も多い。また何を聞かれるのかわからない方もいるため、概要な統計データを紹介する。
面接数の割合
二次面接が最終面接であるかは企業によって異なる。以下の表はビズリーチが各企業へ面接回数のアンケートを取った結果である
面接の回数 | 割合 |
---|---|
1回 | 3.81% |
2回 | 50.95% |
3回 | 35.24% |
4回 | 9.05% |
5回 | 0.95% |
上記の統計データを見てわかる通り、二次面接を最終面接と設定している企業が半数だ。一方で一次面接で完了する企業はほとんどなく、3回や4回と面接する企業の方が多く存在する。
一次面接との違い
二次面接は面接官が企業の中枢を担う役員などになるケースが多い。例えば営業職の面接であれば、「営業本部長」や「執行役員・取締役」などの重鎮が担当する場合がある。特に最終面接として行われるのであれば、求職者が必要な人材を見極める作業となる。
そのため一次面接で聞かれた質問より、深堀された質問が多くなるだろう。次の項では二次面接で聞かれる質問内容について解説するが、一次面接の質問が気になる方は「転職時の一次面接の通過率は?通過するための回答ポイントを紹介」をチェックしてほしい。
二次面接で聞かれる内容とは
以下の表は転職サイト「ビズリーチ」がまとめた「最終の面談または面接での質問内容」のランキングである。
第1位 | 今後どのようなキャリアを描いていきたいか |
第2位 | 今までの経験や実績 |
第3位 | 候補者からの質問 |
第4位 | 転職する理由 |
第5位 | 希望の条件 |
第6位 | 志望動機 |
第7位 | 選考を受けている他社 |
第8位 | 自己PR |
第9位 | 趣味や特技 |
第10位 | 現職(離職中の場合は前職)に就職したときの理由 |
第11位 | 資格 |
第12位 | その他 |
第13位 | 学生時代の話 |
ランキングを見てわかる通り、上位にあたる質問は将来のビジョンやこれまでの実績などを確認される。「経験値の高い人間なのか」「将来を考えられる人材なのか」は必須の質問であるため、必ず答えられるように準備していてほしい。
二次面接のチェックポイント
続いては二次面接のチェックポイントを紹介する。面接に備えておくべき要点であるため、必ず確認しておこう。
即戦力になるかの判断
新卒採用と異なり、中途採用の多くは即戦力になるかの判断で採用の可否が決まる。第二新卒や20代中盤の中途採用であれば、前職の仕事内容や思考力が身についていないため、新卒のように一から教えて育てていく考えである。
しかし30代40代となると、すぐに会社に貢献できる人材であるかを判断されることがほとんどだ。そのため会社にとって必要な人材であることとともに、やる気や熱意を伝えなければいけない。自己アピールしなければ採用に近づけないだろう。
ポジションや部署の確認
最終面接で内定が間近となると、ポジションや部署の確認をされることが多い。例えば「新しく〇〇を目的とした部署を立ち上げるので、そこに入ってもらえますか?」「過去の経歴を見てマネジメント能力があると判断しました。管理職として部下を複数名持つポジションについてもらえますか」などを確認される。
問題がなければOKし、不都合なことがあれば明確な理由を伝えるようにしよう。
今後のビジョンがあるのか
最終面接の質問の1位にある通り、将来のビジョンについて確認される。具体的には「この会社に入社して何をやりたいですか」「将来どのようなポジションに就きたいですか」などだ。この質問の背景には、将来設計ができているのかを確認するのとともに、思考力・計画性の有無をチェックしている。
一方で答えられないと不採用にもなりかねない質問ということでもあるため、自分の考えをまとめておくようにしてほしい。
準備しておくこと
では対策としての準備しておくことを3つ紹介する。
深堀される質問に備える
二次面接では、より深堀りされた質問をされることが多いため、事前準備が必要だ。一次面接で確認された志望動機の中身を細かくチェックされるケースや、転職理由についてより具体的に説明してほしいと言われることもある。
面接官が役員クラスになると、着目点も細かくなる傾向にあるため、詳細に説明できるように準備しておく必要があるだろう。
一次面接より熱意を伝える
経験やスキルが求められる中途採用であっても、熱意が重要。企業によって異なるが、採用の可否を決めるのは最終面接を担当する面接官が多い。つまり役員や本部長クラスだ。いくら優秀な人材であってもやる気を感じない人を採用することはほとんどない。そのため二次面接では一次面接より熱意を十分に伝える必要があるだろう。
一方でスキルや経験がなくても「どうしてもこの会社に貢献したい」「必ず成果を上げて見せる」という気持ちさえあれば採用につながることも多いため、熱意は肝心だ。
逆質問を準備しておく
質問内容の第3位にある通り、候補者からの質問が設けられている。面接官から「なにかご質問ありますか?」と聞かれることがあるが「特にありません」では素っ気なく感じ、会社へ興味がないとも捉えられてしまう可能性もあるだろう。
具体的な例を紹介するので、参考にしてほしい。
<会社の経営に関する質問> 一次面接では〇〇年後に〇〇億円の売上高を目指すとお聞きしました。今の売上高から逆算すると、何年後に達成できそうなのでしょうか?また達成するにあたってどの事業に注力しているのでしょうか。私自身目標達成に向けて、一番活躍できる部署を望みたいと思っているためです。 |
<仕事をするプロセスと評価> 御社はKPI評価制度を導入されていることをホームページで拝読しました。公平に評価される御社に魅力を感じておりますが、実績より計画性を評価するという認識で合ってますでしょうか?また計画性もよく、実績を出した社員へはどのような評価をされているのでしょうか。前職では評価制度を設けておらず、年防固定給だったため、実績を出しても評価されませんでした。その点をご教示頂ければと思います。 |
まとめ
今回は二次面接時に聞かれる内容とポイント、事前の準備について解説してきた。二次面接を最終面接としている企業は半数以上あり、本部長や役員クラスの方が面接を担当することが多い。
そのため一次面接より具体的で詳細な内容を聞かれる場合もあるだろう。一番多いのは将来のビジョンやこれまでの実績に関する質問であるが、事前に考えておかなければいけないだろう。また二次面接であっても熱意を伝え、面接官を納得させるように意識してほしい。