銀行からの転職先には様々な選択肢があるが、そのひとつが保険会社だ。同じ金融業界内での転職であることから、知識や経験を活かしやすい特徴がある。
そこで本記事では、銀行から保険会社へ転職するメリット・デメリットについて解説していく。転職活動を行う上でのポイントについても解説するため、転職を検討する際の参考にしていただきたい。
銀行から保険会社へ転職するメリット
銀行から保険会社への転職では、次のようなメリットが挙げられる。
・銀行で学んだ知識が活かせる ・成果が報酬で還元される ・成果主義で評価される |
それぞれ詳しく解説していこう。
銀行で学んだ知識が活かせる
銀行から保険会社への転職では、銀行で学んだ知識が活かせることがメリットのひとつだ。
銀行でも保険商品を取り扱っているため、提案・販売の流れやコンプライアンスについては、既に理解している人も多い。押さえるべきポイントや顧客への説明方法を体得しているのは大きな強みだ。
業務の流れも分かっているため、入社後に「なかなか業務についていけない」と感じることも少ないだろう。
また、保険商品の販売にあたっては、「生命保険募集人資格」や「損害保険募集人資格」の取得が必要となるが、2年以内の転職であれば銀行で取得した資格をそのまま引き継ぐことも可能である。
成果が報酬で還元される
業務委託型の外交員の場合は、成果が報酬で還元されることもメリットのひとつだ。
業務委託型の外交員は完全歩合制の報酬制度がとられていることが多く、保険の契約件数や契約金額がそのまま報酬に反映される。自分の頑張り次第では、銀行での年収を大きく上回ることも可能だ。
銀行では、給与体系がきちんと整えられているものの、成果がそのまま報酬に反映されることはない。同じ職位の行員同士であれば、それほど給与に差がないため、中には「自分はちゃんとノルマをクリアしているのに、そうでない人と給与に差がないのは不公平だ」と感じる人もいるかもしれない。
その点、保険会社では成果がそのまま報酬に反映されることから、報酬面でもやりがいを感じやすいだろう。
成果主義で評価される
保険外交員は個人事業主として働くケースが多いため、銀行に比べて成果主義の風潮が強い。もちろん銀行でも成果は重視されるものの、およそ年功序列で昇給していく企業風土がある。上司との関係性など、成果以外の点が評価に反映されることから、「評価制度が不透明だ」、「成果だけで判断してほしい」と歯がゆい思いをすることもあるだろう。
その点、保険会社では個を重んじて働けるため、成果主義の環境で働きたい人にとってはおすすめの環境である。
銀行から保険会社へ転職するデメリット
一方、銀行から保険会社へ転職するデメリットも存在する。
・収入が不安定になる ・確定申告が必要になる場合がある ・経費が自己負担 |
それぞれ詳しく解説していこう。
収入が不安定になる
成果が報酬に反映される仕組みは、大きな収入アップを狙える反面、収入が不安定になるデメリットもある。営業を長く続けていると、「思うように契約が取れない」という時期も当然訪れる。銀行の場合、成果が上がらないからといってすぐに収入がダウンするようなことはない。
しかし、完全歩合制の外交員の場合は、成果が上がらなければそれがそのまま収入に反映される。その月によって報酬が大きく変動することも珍しくないため、「なかなか収支の見通しがつかない」と感じることもある。
確定申告が必要になる場合がある
個人事業主として働く場合は、確定申告が必要になる。銀行では税金が源泉徴収されるため、住宅ローンを組んだとき以外に確定申告が必要になるケースはあまりないだろう。
しかし、個人事業主となれば毎年確定申告を行わなければならない。確定申告は例年2月16日〜3月15日に行うため、年度末の忙しい業務と並行することが求められる。現在はオンライン上で全て手続きができるものの、「会社員の頃はよかった」と感じることもあるかもしれない。
経費が自己負担
業務委託型の外交員の場合は、経費が自己負担となるデメリットもある。顧客のもとを訪問する際の交通費やガソリン代、契約の際に渡す贈答品代などはすべて自己負担となる。どれも営業活動には欠かせないものであるため、なかなか削減することも難しい。
銀行では「経費は当然企業側が負担するもの」と思ってきたかもしれないが、個人事業主として働くとなると、これまでとは労働環境が大きく変わることを覚悟しておく必要がある。
銀行から保険会社への転職を成功させるポイント
銀行から保険会社への転職を成功させるポイントとして、次の3点が挙げられる。
・メリット・デメリットをよく理解する ・業界・企業研究を行う ・転職エージェントを活用する |
それぞれ詳しく解説していこう。
メリット・デメリットをよく理解する
銀行から保険会社へ転職するにあたって、メリット・デメリットをよく理解しておく必要がある。転職後に「想像していた働き方ではなかった」、「銀行の方がよかった」と気付いても取り返しがつかない。
特に、業務委託型の外交員として働く場合は、銀行員の労働環境とは一変することになる。「自由に働ける」、「歩合制で収入アップが見込める」といった良い点ばかりに気を取られないよう、きちんとリスクも踏まえたうえで判断しよう。
業界・企業研究を行う
転職活動では、業界・企業研究を行うことも大切だ。銀行から保険会社へ転職する場合、同じ金融業界であることから、つい業界研究をおろそかにしてしまうことがある。
転職後に「望んでいた労働環境ではなかった」というギャップを生まないためにも、しっかりと業界・企業研究を行っておきたい。
また、保険会社への転職は、業務委託型の外交員以外に正社員として雇用されるケースもある。日系・外資系の保険会社によっても雇用形態は様々であるため、自分が望む働き方ができる保険会社を選ぶことが大切だ。
転職エージェントを活用する
転職活動では、エージェントを活用することもおすすめである。前述の通り、保険会社への転職は「正社員or業務委託型」や「日系or外資系」など選択肢が多くある。自分のキャリアプランに適した選択はどれなのかを見極めるためには、転職のプロのサポートを得るのもひとつの方法だ。
転職エージェントでは、キャリアコンサルタントによる情報提供やキャリアプランの形成のサポートを受けられる。業界特化型のエージェントであれば、金融業界出身のキャリアコンサルタントも在籍しているため、より具体的なアドバイスを受けることも可能だ。
忙しい銀行業務と並行して転職活動を進めるためにも、ぜひ転職エージェントを活用することを検討しよう。
業界の特性を掴んで転職活動に取り組もう
銀行から保険会社への転職は、同じ金融業界内での転職ではあるものの、雇用形態によっては大きく労働環境が変わる。保険業界の特性を理解し、メリット・デメリットを踏まえたうえで転職活動に取り組む必要がある。
また、忙しい銀行業務と並行して情報収集を行うためには、転職エージェントを活用することもおすすめだ。保険会社は非公開で求人を行うこともあるため、転職によってキャリアアップを狙っている人は、ぜひエージェントを利用することを検討しよう。
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