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金融からメーカーへの転職事情|平均年収や求人度動向を解説

20代後半の転職希望者

金融からメーカーへの転職を希望するケースとして、金融業界の将来性への不安が大きくなったり、製造業の安定性に魅力を感じたりするケースが多く見られる。

当記事では金融からメーカーへの転職事情として、メーカー系の仕事の基本情報や求人動向などを解説する。ぜひ参考にしてほしい。

目次

メーカー系の企業とはどのような働き方か

メーカーとは、原材料や加工品の加工・組立などを行い、製品を開発・製造して顧客へ提供するビジネスモデルの企業である。

メーカーは、大きく次の4種類に分けられる。

・素材メーカー(上流工程):化学素材・繊維・食材・樹脂・鉄などの原材料の加工を行い、素材を製造する
・部品メーカー(中流工程):素材メーカーが作った素材から、電子部品や鉄鋼部品などの製品の一部を製造する
・加工メーカー(下流工程):原材料や部品を使い、顧客へ納品する最終製品を製造する
・総合メーカー:大手企業に見られるメーカーで、素材・部品・加工の全工程を自社でまかなう

製造業は、2020年時点で日本のGDPの約2割を占める主要業種の1つだ。日本を私たちの生活で使っているモノを生み出す、ものづくり大国日本を支えてきた仕事である。

メーカー系の基本情報|年収や業種・職種

メーカー系の業務内容は開発・研究・技術職などのホワイトカラーから、現場オペレーター・溶接・旋盤などのブルーカラーまで多岐にわたる。財務やコンサル業務が主となる金融業界とは、大きく異なると言えるだろう。

メーカー系の仕事について詳細を解説する。

メーカー系の業種・職種

「どの工程を担当しているのか」「どのような製品を作っているのか」によって、同じメーカー系であっても業務内容が大きく異なる。業種・職種別に解説する。

メーカー系の詳細業種

メーカー系には、製品をどこへ販売するかによってBtoBとBtoCに分かれる。

・BtoB:企業から企業へ商品・サービスを提供するビジネスモデル
・BtoC:企業から消費者へ商品・サービスを提供するビジネスモデル

次の表では、メーカーの中でも知名度が高い主要業種を紹介する。

食品・飲料メーカー・いつの時代も安定した需要があり、社会情勢に左右されにくい・食の安全性やSDGsを見据えたフードロス削減を意識できる人材が求められる
電子・電機メーカー・パナソニックやシャープなどの日本を代表する企業が多く、需要も安定している・高い技術力や開発・企画力を持つ人材が求められている
機械メーカー・世界情勢や景気の影響を受けやすい・開発・設計・加工・メンテナンス・品質管理など製造関係のさまざまな職種が存在する
自動車メーカー・日本を代表する製造業で、世界中で需要がある・高い技術力だけでなくグローバル化やSDGsに対応できる人材が求められている
化学メーカー・半導体需要や世界情勢に左右されるが、関与している業界が多く一定の需要がある・開発・研究職は理系が求められるが、研究職以外は理系・文系問わず採用している傾向にある
鋼鉄メーカー・自動車・建設・家電メーカーなどの業界によって需要が左右される・高い技術力を持つグローバル人材が求められている
製薬・化粧品メーカー・製品の品質管理が強く求められる・厳格な管理・チェックができる人材が求められている
参考:経済産業省「化学産業の現状と課題」,リクナビ「食品業界」,マイナビ「電子・電気・OA機器業界」をもとに作成

メーカー系の職種

メーカー系の職種はクリエイティブなものもあるが、金融業界と比較すると「決められた規格内で、安定した供給を提供すること」が求められる傾向にある。

主な職種は次のとおりである。

・営業職:製品を取引先企業や小売店へ提案・販売する
・生産管理:製品の品質や生産量をコントロールし管理する
・資材調達・購買:計画に基づいて必要な原材料や素材を仕入れる
・商品企画:顧客ニーズを調査・分析し新製品や既存商品の方向性を提案する
・製造:工場現場などで生産計画や製品規格などに基づき、機械や手作業などで製造を行う
・メンテナンス:自社の製造機械や顧客に販売した製品のメンテナンスを行う
・研究開発:新製品の開発・技術研究や既存品の改良などを行う

メーカー系企業の年収

転職サービスdodaが発表する平均年収ランキング(2021年12月)によると、メーカー系の平均年収は455万円となっていた。金融業界の455万円と同じ数値であり、他業界と比較しても1位の数値である。

メーカー系として一般的なイメージのある業種の平均年収を見ていこう。

メーカー業種平均年収
医療機器メーカー554万円
総合電機メーカー521万円
電子/電気部品メーカー487万円
化学メーカー474万円
自動車/輸送機器メーカー464万円
機械/電気機器メーカー455万円
食品/飲料/化粧品メーカー412万円
家具/インテリア/生活雑貨373万円
参考:doda『【96の業種別】平均年収ランキング 最新版 』

全体的に安定して高い傾向があるものの、メーカーが何を製造しているかによって年収額に違いがある。

メーカー系に転職するメリット・デメリット

メーカー業界へ転職するメリットは次のとおりである。

・食品や化粧品など常に一定の需要がある製品を扱うメーカーは安定している
・現業職の場合、残業時間や給与額などの面で安定した労働環境で働ける可能性が高い
・営業職や企画職であればマーケティングスキルが磨ける
・企業の独自技術に触れたり、自社製品が街中で発見できたりなどのメーカー系ならではのやりがいがある

一方でメーカー業界へ転職するデメリットは次のとおりになる。

・昔ながらの社風が残り、年功序列の傾向がとくに強い
・安定志向の傾向が強く、金融業界のような実力主義を求める方は物足りなさを感じることがある
・安定した経営である反面、イノベーションの創出の少なさや刺激の少なさが気になる場合がある
・重量物運びや製品加工など、体力仕事が求められることがある

金融業界からメーカーへの転職事情

金融業界からメーカー系への転職は、若手人材の中ではある程度のニーズがある傾向が見られる。

キャリタス就活を運営する株式会社ディスコと日本経済新聞社の調査によると、「就活をやり直して入社し直すならどこがよいか」というアンケートに対し、トヨタ自動車などのメーカー系企業が上位を占めていた。

逆に就活中の学生から人気だった商社や金融系は、下位に留まっている。

dodaの業界別転職レポートマイナビエージェントの調査においても、金融業界から転職を考える若手が増えている現状が見られた。そのため、金融業界からメーカーへ転職を考える方は珍しくないと考えられる。

以下ではさらに、金融からメーカーへの転職事情について考察する。

金融業界から転職を考える理由

金融業界からメーカーへの転職を考える理由として挙げられているのは、次の通りである。

・サービス残業が多く、目標が高すぎて達成が難しい
・仕事内容が細かく決められていてミスが許されない
・安定しているが仕事に裁量がなく、下積み時代が長すぎてキャリアを描くのが難しい
・お客様の役に立つ仕事をしたかったが、ほとんどが社内の仕事に感じやりがいがない
・AI導入やメガバンク人員削減などによって将来性に不安がある
・休日出勤や資格勉強などでプライベートの時間が削られる

金融業界の将来性の不安やキャリアとのギャップなどから、安定した待遇やワークライフバランスが見込めるメーカへの転職を希望する傾向にあると推察される。

金融業界からメーカー系への未経験転職は可能か

メーカー系の求人のうち、営業職や製造現場の求人は未経験歓迎のものが多い。業務フローがマニュアル化されているものが多く、専門知識や業界経験を持たなくても、人柄やポテンシャルで採用を決める企業はよく見られる。

逆に研究開発・商品企画などの専門性や製品知識が求められる業務は、未経験からの転職だとハードルが高い。相応の能力・スキル・実績が必要だろう。

金融からメーカーへの転職を成功させるには、金融業界で培った能力・スキルをメーカー系の仕事で活かせることをアピールするのが大切だ。

例えば資材調達を希望するなら数字への強さを、生産管理であればリスクマネジメント力が有効になると考えられる。

金融からメーカーへの転職を成功させるには転職エージェントの利用がおすすめ

もし能力・スキルの洗い出しや志望動機の作成、その他面接対策や書類添削などのサポートを受けたいときは、転職エージェントを利用するのがよいだろう。無料でさまざまな転職活動に関するさまざまなサポートを行ってくれる。

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この記事を書いた人

IFA転職を運営し、IFA専門転職支援サービスを展開。創業から100名以上のIFAへの転職を支援。また、アドバイザーナビ経由でのIFAになった方の転職者のコミュニティ「Club IFA」も運営しており、IFA業界の転職市場に精通している。

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