公認会計士というと、企業の会計処理や財務諸表のチェックを行う監査法人で働く人が多いが、その後は事務所を立ち上げて独立する人や一般企業へ転職する人など様々な選択肢がある。銀行への転職も、その選択肢のひとつだ。
会計業務が煩雑化する昨今では、行内に公認会計士を置く銀行も増加しており、公認会計士のニーズは銀行業界でも高まっている。
そこで本記事では、公認会計士が銀行へ転職するメリットについて解説していく。その後のキャリアプランについても解説するため、是非転職を考える際の参考にしていただきたい。
公認会計士が銀行へ転職するメリット
公認会計士が銀行へ転職することには、次の4つのメリットが挙げられる。
・年収アップが狙える
・やりがいを感じられる
・新しい業務が身につく
・その後のキャリアプランの幅が広がる
それぞれ詳しく解説していこう。
年収アップが狙える
公認会計士がキャリアを積む監査法人は比較的年収が高い業界であることから、転職に際して年収ダウンを心配している人も多いかもしれない。しかし、銀行などの金融業界も年収の高い業界であることから、銀行への転職によって大幅に年収がダウンする可能性は低い。
銀行の種類や迎えられる待遇によっては、むしろ年収が上がることも十分考えられるだろう。転職先を検討する際、年収の水準は非常に重要なポイントだ。「今の年収水準を維持したい」「キャリアを活かして年収アップを狙いたい」という人は、銀行業界への転職が向いているだろう。
やりがいを感じられる
銀行での業務は、監査法人での仕事に比べてやりがいを感じやすいメリットもある。
公認会計士が銀行で担う業務には、決算業務や会計業務などのバックオフィス業務の他に、M&A仲介業務のサポートや中小企業の事業再生支援など、法人顧客とダイレクトに関わる業務もある。
監査法人での業務が半ばルーチンワーク化していた人にとっては、様々な企業と関わりながら自分の知識が活かせる銀行業務は刺激を感じられるだろう。
もっとも、仕事にどのようなやりがいを求めるかにもよるが、「中小企業の経営支援を行いたい」、「顧客と直接関わりたい」という人にとっては、充実感や達成感が得られる業界といえる。
新しい業務が身につく
銀行への転職は、公認会計士としてのキャリアを活かした転職ではあるものの、金融業界という全くの異業種へのチャレンジでもある。
担当する業務によっては、当然これまでのキャリアで経験しなかった業務を任されることもあるだろう。公認会計士として、様々な業務経験が積めることは、その後のキャリア形成にも大きく貢献するといえる。「公認会計士として仕事の幅を広げたい」「新しいことにチャレンジしたい」と考えている人は、銀行業界への転職もおすすめだ。
その後のキャリアプランの幅が広がる
公認会計士は銀行でキャリアを積んだあと、さらなるキャリアアップを図ることも可能である。公認会計士の持つ財務分析スキルや監査スキルは汎用性が高いものであることから、その後も様々なキャリアプランが形成できる。
次項では、銀行でキャリアを積んだあとの選択肢について詳しく解説していこう。
銀行へ転職したあとのキャリアプラン
公認会計士が銀行へ転職したあとのキャリアプランには、次のような選択肢が挙げられる。
・銀行内でキャリアを積む
・公認会計士事務所の開業
・金融業界内での転職
・コンサルティング企業への転職
・スタートアップ企業・ベンチャー企業への転職
それぞれ詳しく解説していこう。
銀行内でキャリアを積む
銀行への転職後、そのまま銀行内でキャリアを積むのもひとつの選択肢だ。好待遇での転職に成功できれば、銀行内でキャリアアップを図るのもよいだろう。
ただし、専門人材として中途採用された場合、行内のプロパー人材とは異なったキャリアを歩むことがほとんどだ。そのため、行内に自分のロールモデルとなる人がいないことも十分あり得るだろう。銀行でキャリアを積む場合は、「銀行内でどのようなキャリアを形成できるのか」「10年後に考えられるポストは」など、具体的なキャリアプランを描いておくことが大切だ。
公認会計士事務所の開業
これまでのキャリアや実績、経験を活かして、公認会計士事務所を開業する選択肢もある。自ら開業する場合、「監査業務の委託を受ける」、「税務業務を中心に請け負う」など、自分の得意分野に絞って業務の方向性を決められるメリットがある。
また、「地元に帰って地場産業のサポートをしたい」など、自分が望む場所で働けることも魅力のひとつだ。自分で事業を営む苦労はあるものの、「士業としていつかは自分の事務所を持ちたい」と考えている人は多いだろう。
金融業界内での転職
銀行でのキャリアを積んだあとは、「外資系金融機関へ転職する」「PEファンドへ転職する」など、金融業界内でキャリアアップを図る方法もある。
銀行での業務経験があることから即戦力として歓迎されやすく、転職活動も有利に勧められる可能性が高い。将来的に外資系金融機関への転職を検討している人は、英語力を磨いておくことも必要だ。
コンサルティング企業へ転職
銀行で中小企業の事業再生支援やM&A仲介のサポートなどの法人コンサル業務を手掛けていた人は、コンサルティング企業へ転職することも可能だ。
コンサルティング企業は、IT戦略や人事コンサル、財務コンサルなど専門分野ごとに分類されていることが多いが、銀行で様々な業務経験を積んでいれば、財務コンサル以外にも経営戦略や事業再生などのコンサルティング企業でも活躍できるだろう。
スタートアップ企業・ベンチャー企業へ転職
銀行で大きな業績を残すことができれば、スタートアップ企業やベンチャー企業のCFO(最高財務責任者)として迎えられるケースもある。企業の経営に直接参画できることから、大きなやりがいにもつながるポジションだ。
CFOとしての業務は、これまでの従業員としての仕事とは違い、経営側で企業に関わることとなるため、また新たな充実感や達成感を得られる魅力がある。
中には、ストックオプションの報酬が受けられるケースもあり、収入面でも大きなメリットが期待できるだろう。
金融業界への転職はエージェントを活用しよう
本記事では、公認会計士が銀行へ転職するメリットや、その後のキャリアプランについて解説してきた。銀行への転職は異業種へのチャレンジとなることから、ハードルの高さを感じる人もいるかもしれない。
しかし、昨今では行内に公認会計士を置く銀行も増えており、銀行業界においても公認会計士のニーズは高まっている。
また、異業種への転職活動は、転職エージェントを活用して効率よく進めることも大切だ。特に業界に特化したエージェントであれば、業界の風土や面接の傾向など、業界ならではの情報も得られる。転職エージェントは非公開の好条件の求人情報を保有していることもあるため、銀行業界へ転職を考えている公認会計士はぜひ活用を検討しよう。
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