「40代になり出世の頭打ちが見えてきた」「銀行業界の将来に不安を感じる」このような理由から、40代で転職を考え始める銀行員も多い。しかし、同時に「銀行以外で自分のスキルや経験が通用するのだろうか?」という不安を抱えることもあるだろう。
そこで本記事では、40代銀行員の転職事情について解説していく。転職活動を円滑に進めるポイントや強みについても解説していくため、ぜひ銀行からの転職を検討する際の参考にしていただきたい。
【40代】銀行からの転職に感じる不安とは?
40代で銀行からの転職を検討するにあたって、どのようなことが障壁になるのだろうか。転職活動では、自分が抱える不安の原因をしっかりと突き止めておくことが大切だ。40代の銀行員はどのような理由で転職を躊躇するのか、まずはその要因を紐解いていこう。
マッチングする企業があるか不安
転職市場は若手人材が豊富なこともあり、40代になると「そもそも入社できる企業があるのか」と不安を抱く人が多い。特に、「銀行では専門知識やスキルが身につかない」といわれることもあるため、「自分を必要とする企業があるのだろうか」と感じる銀行員は多い。
新卒からそのまま銀行に入行した人であれば、約20年同じ会社に勤めていることとなる。いざ転職を考えても、「銀行以外でやっていく自信がない」と不安を感じるのは仕方がないことかもしれない。
収入を維持できるか不安
収入に対する不安も、転職を躊躇する要因のひとつだ。40代の銀行員となれば役職に就いていることもあり、一般的な給与水準よりも高収入であることが多い。
「転職後もこの収入の水準を維持できるだろうか」「住宅ローンがあり、キャッシュフローが変動することが不安」と感じるのは無理もないことだ。特に子供を抱えた人であれば、これから教育資金がかかることもあり、なかなか転職に踏み出せないかもしれない。
では実際のところ、40代の転職は年収がダウンすることを避けられないのだろうか?
ここで、40代の転職後の収入水準に関するデータを見てみよう。厚生労働省の「令和3年雇用動向調査」によると、転職後の収入の変動は下記の通りだ。
転職入職者の賃金変動状況
増加した | 変わらない | 減少した | |
40~44歳 | 41.4% | 34.2% | 23.5% |
45~49歳 | 35.4% | 34.5% | 28.8% |
40代前半・後半どちらの世代も、転職後に収入が増加した人の方が多い結果となっている。もちろん収入が減少するリスクは十分理解しておく必要があるが、過度に不安を感じる必要はないだろう。
新しい環境に馴染めるか不安
40代の転職では、慣れ親しんだ銀行を離れ、新しい環境に飛び込むことへの不安もある。約20年働いた企業を退職して、新しいチャレンジに取り組むとなれば、誰だって不安を感じるに違いない。
20代や30代の頃と比べると柔軟性も失われていることから、「新しい仕事を覚えられるだろうか」「新しい人間関係の中でやっていけるだろうか」と、新しい環境への不安を感じるのは致し方ないことともいえる。
40代の銀行員が転職活動で活かせる強みとは?
40代の銀行員が転職活動を行う上で武器となる強みは、次の3つである。
・財務分析に対する専門知識
・マネジメントスキル
・顧客との折衝スキル
それぞれ詳しく解説していこう。
財務分析に関する専門知識
銀行業務を通じて得た財務分析スキルは、転職市場で大きな強みとなる。銀行員は多くの取引先企業と接する中で、あらゆる財務パターンを分析してきた経験を持っている。財務諸表の読み込みはもちろんのこと、資金繰りを改善する方法や競合他社との比較など、多くのスキルを身につけてきたはずだ。
中途採用を行う企業は即戦力を求めていることもあり、1つの分野に精通したスキルを持つ人材は大きな魅力がある。企業の財務部門やスタートアップ企業のCFO(最高財務責任者)など、財務知識の専門性を活かして転職することも可能だ。
マネジメントスキル
40代銀行員の転職では、マネジメントスキルも大きな武器となる。20代や30代の若手人材にはないスキルであることに加えて、銀行という堅い組織でマネジメント業務を手掛けた経験は他の人にはない強みである。
40代以上の人材を中途採用で受け入れる場合、企業側はマネジメント業務を任せたいと考えていることもある。その際に「〇人のチームを率いて〇〇円の目標収益を達成した」「〇人の行員を抱える支店で支店長を務め、人材育成に尽力した」など具体的な銀行での実績のアピールができれば、転職活動にも大いに役に立つだろう。
顧客との折衝スキル
顧客との折衝スキルも40代の銀行員が持つ大きな強みだ。直接顧客と接する銀行業務では、折衝スキルが必要不可欠である。
時には、「顧客が望んだ金利水準ではないが、この条件を飲んでもらうしかない」という状況下で交渉を迫られることもあるだろう。顧客の要望を取り入れつつ、銀行側の条件との着地点を提示するのはそう簡単なことではない。
多くの顧客と接する中で身につけた交渉力や提案力は、たとえ他の業界へ転職する場合でも役に立つだろう。実際に、折衝スキルを活かしてコンサルティング会社への転職を決めた人もおり、他業界でも汎用性の高いスキルといえる。
40代の転職を円滑に進めるためのポイント
40代で銀行からの転職を円滑に進めるためには、次の3つのポイントが重要となる。
・銀行で培った自分の強みを把握する
・転職先の企業は柔軟に探す
・転職エージェントを活用する
それぞれ詳しく解説していこう。
銀行で培った自分の強みを把握する
40代銀行員が円滑に転職活動を進めるためには、銀行での業務経験を通じて培った自分の強みをしっかりと把握しておくことが重要だ。転職市場で20代や30代の若手人材と戦うためには、磨かれた専門スキルや豊富な経験をアピールする必要がある。
転職活動を始める前には、自分のスキル棚卸しを行い「どのような分野のスキルに長けているのか」「どのような業務に向いているのか」といったことを明確にしておこう。
転職先の企業は柔軟に探す
40代の転職活動では、柔軟性を持って取り組むことも重要になってくる。「この業界でなければ嫌だ」「年収は絶対に○○万円以上欲しい」と強いこだわりを持ちすぎると、自ら選択肢を狭めてしまうこととなる。
もちろん転職後のビジョンを明確に描くことは大切なことではあるが、場合によっては視野を広げて転職先を検討することも意識しよう。
転職エージェントを活用する
40代銀行員の転職では、転職エージェントを活用することもおすすめだ。銀行で一定のポジションについている40代は、日々忙しい業務を抱えていることが想定される。銀行業務をこなしながら、帰宅後や休日に転職活動に取り組むとなると、時間的にもかなりの制約があるだろう。
その点、転職エージェントでは意向に合った求人情報を紹介してくれたり、キャリアプランの形成のサポートをしてくれたりと、効率よく転職活動を進めることが可能だ。特に、専門知識やマネジメントスキルが求められる40代の転職活動では、上手く戦略を立てながら転職活動を進める必要がある。日々忙しい銀行員だからこそ、転職活動では第三者のサポートを受けることを検討しよう。
40代銀行員の転職にはエージェントを活用しよう
40代を迎えて出世にある程度の見通しがついたことや、業界の先行きへの不安から転職を考え始める銀行員は多い。一般的に転職というと「若い方が有利」というイメージがあるかもしれないが、高い専門性やマネジメントスキルを有している場合は40代でも即戦力として歓迎される場合もある。
特に銀行員が有している財務分析に関する知識やマネジメントスキル、顧客との折衝スキルは高く評価されるポイントだ。40代になって銀行からの転職を検討している人は、ぜひ自分のスキルや経験に自信を持って転職活動に取り組もう。
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