転職活動に成功して内定をもらった場合、次にやるべきは職場への退職報告である。
これまでお世話になった職場に迷惑をかけずに円満退職をするためには、ポイントを押さえて退職の報告をすることが大切だ。
この記事では、円満に退職報告をするためのポイントや、転職時の注意点を解説していく。
内定から退職までの流れも解説するので、ぜひ本記事を参考にスムーズな転職活動を実現しよう。
内定をもらってから退職するまでの流れ
内定後は、退職の報告や顧客・取引先への挨拶、ほかに応募していた企業への辞退連絡など、やるべきことが多くある。
退職するまでのスケジュールを事前に把握し、スムーズに動けるように準備しておこう。
一般的な内定から退職までの流れは以下の通りである。
- 内定の承諾
- 職場に退職報告
- 業務の引き継ぎ
- 顧客・取引先への挨拶
- 退職
それぞれの内容を確認しておこう。
内定の承諾
入社を希望する企業から内定の連絡が来たら、雇用の条件などをあらためて確認した上で内定の承諾に進む。
まずは電話連絡、つながらなければメールという形で内定を承諾し、入社日を話し合って決めよう。
また、ほかに応募していた企業がある場合、辞退する連絡もしなければならない。
承諾・辞退のいずれのケースであっても、なるべく1週間以内に連絡しよう。
職場に退職報告
内定が決まったら、退職希望日の2ヶ月前を目安に職場に退職報告しよう。なるべく早めに上司や同僚に退職の意思を伝え、スムーズに退職に向けた手続きを進めることが大切だ。
退職報告の後は、退職日をいつにするか決めることになる。自身の希望を伝えることも大切だが、職場の状況や引き継ぎにかかる時間、転職先の入社日などを総合的に考えて退職日を決めよう。
業務の引き継ぎ
退職日の決定後は、後任に仕事を引き継がなければならない。これまでの仕事で築き上げてきた信頼を損なわないためにも、しっかりと業務を引き継いでおこう。
特に担当している顧客の性格などは、これから後任者が業務をしていく上で重要な情報となる。後任者がスムーズに業務を行えるよう、必要な情報をまとめた資料を早めに作成しておくことをおすすめする。
顧客・取引先への挨拶
業務の引き継ぎと並行しながら、顧客や取引先に退職の挨拶も進めていくことになる。退職理由や転職先などは基本的に伝えず、退職する旨とお世話になったことへの感謝を伝えていこう。
また、後任者を連れて行って紹介することも大切だ。取引先に安心感を与えるとともに、後任者もスムーズに仕事が進められるようになるだろう。
退職
業務の引き継ぎや顧客・取引先への挨拶、税金や保険等の手続きを済ませたら退職に進む。今後も仕事などで関わる可能性があるため、きちんと感謝の想いを伝えた上で円満に退職しよう。
また、健康保険証や社員証、名刺などは退職時に返却しなければならない。返却忘れがないかをしっかりと確認しておこう。
円満に退職報告をするためのポイント
内定後の退職報告を円満に済ませるためには、以下の3つのポイントを意識しよう。
- 繁忙期は避けてなるべく早めに退職希望を伝える
- 社内で退職の意思を伝える順番に気を付ける
- 職場への不満は口にしない
1つ目は、退職の希望を伝えるタイミングについてである。
タイミングによっては会社に迷惑をかけてしまう可能性があるため、いつ伝えるべきかを見極めておくことが重要だ。
例えば繁忙期に退職をしてしまうと、同僚や上司に負担をかけてしまったり、業務の引き継ぎがスムーズに進まなかったりする可能性がある。会社の繁忙期に退職報告をするのは、できるだけ避けた方が良いだろう。
また、退職報告後には業務の引き継ぎや取引先への挨拶が必要となる。余裕を持って動けるように、退職希望の2ヶ月前を目安に退職の報告をすることをおすすめする。
2つ目は、上司や同僚に退職の意思を伝える順番についてだ。
周囲の理解を得て退職するためには、退職の意思を伝える順番についても注意しておく必要がある。
例えば、直属の上司に伝える前に仲の良い同僚に伝えてしまうと、「上司が知るよりも先に周囲が知っている」という状況になってしまい、上司からの理解を得られなくなる可能性がある。退職までの間の業務がやりにくくなったり、手続きを進めにくくなったりしてしまうため、注意が必要だ。退職の意思は直属の上司から伝えるようにし、どうしても同僚に伝えたい場合は秘密にしておいてもらうなどの工夫をしよう。
3つ目は、退職の報告をする際の退職理由についてである。
退職理由でネガティブな言葉を口にしてしまうとトラブルになる可能性があるため、基本的には職場への不満は口にしないように気を付けよう。
また、退職理由で職場の不満を話すと、「改善するから残って欲しい」と言われるケースも考えられる。場合によっては断りづらくなってしまうため、職場の不満は言わずにいた方が良いだろう。
転職をする際の注意点
転職活動を進めていく際には、以下の3つの点に注意しよう。
- 退職の意思を曲げない
- 余裕を持って引き継ぎをする
- 家族ともしっかりと話し合う
1つ目は、転職すると決めたら意思を曲げずに貫き通すという点だ。
しっかりと自分の中に芯を持っていないと、意思が揺らいでしまって中途半端な結果になってしまう可能性がある。
例えば上司に退職の意思を伝えたときに、「雇用条件を見直すから残って欲しい」と言われた場合。内定をもらった企業よりも給与が良かったら、転職の意思が揺らいでしまう可能性もあるだろう。
しかし、一度退職することを伝えた上で会社に残ると、居心地の悪さを感じてしまう可能性が高い。転職にも成功できず、会社の居心地が悪くなってしまうという最悪のケースになることが考えられる。転職活動を始める際には「どんな条件を出されても転職する」という強い意思を持っておくことが大切だ。
2つ目は、スケジュールに余裕を持って引き継ぎを行うという点である。
退職の報告をしてから退職するまでの時間はそこまで長くなく、しっかりと業務を引き継げない可能性があるためだ。内定をもらってから退職するまでの間は業務の引き継ぎだけでなく、顧客への挨拶回り、税金や保険の手続きなどやることが多い。引き継ぎに時間が取れないと、後任者や取引先に迷惑をかけてしまう可能性がある。転職活動を進めている段階で並行して資料の作成を開始し、できるだけ早く後任者に資料を渡せるような準備をしておくと良いだろう。
3つ目は、転職する前に家族としっかり話し合うという点だ。
自分を支えてくれる家族の理解を得ていないと、あとからトラブルになってしまう可能性がある。特に、勤務地や勤務時間が変わったり、給与体系が変更になったりする場合、生活スタイルも変わってしまうケースは多い。生活に大きく関わるため、家族が納得していない状態では転職活動の協力も得られないだろう。支えてくれる家族のためにも転職したい理由をしっかりと説明し、家族全員が納得した上で転職活動を進めよう。
まとめ
転職先から内定をもらった場合、今いる会社を退職するまでに、上司・同僚への報告や業務の引き継ぎ、取引先への挨拶などを行うことになる。後任者や取引先に迷惑がかからないよう、早めに退職の希望を伝えて引き継ぎを行おう。
また、退職報告のときに引き止めにあっても、揺るがない意思を持っておくことが大切だ。
家族ともしっかりと話し合い、自分にとってベストな転職活動を進めよう。