日本国内のIFAの人数は年々増加傾向にあり、少しずつ認知度も高まってきている状況だ。それと同時にネット証券の利用者も増加しており、個人投資家は自分自身で金融商品を売買することが可能である。金融機関の営業担当者に頼らなくても自由に金融取引が行える中で、顧客があえてIFAの利用を望むのにはどのような理由があるのだろうか。今回は、顧客目線で考えたIFAのメリットについて解説していく。
転勤によってコロコロと担当者が変わらない
IFAは、基本的に会社都合によって転勤を命ぜられることはない。そのため、証券会社や銀行のように3~4年周期で担当者がコロコロと変わることがないのだ。したがって、顧客はライフプランに合わせた長期的な相談を1人の担当者に行うことが可能となる。
これまでは、転勤の度に新しい担当者とゼロから人間関係を構築しなければいけなかったが、IFAは生涯同じ担当者と付き合っていけるため、顧客も心から信頼して相談することができるのである。
営業ノルマに付き合う必要がない
IFAには金融機関と違って営業ノルマが与えられていない。そのため、顧客は担当者から営業ノルマのために金融商品を勧められる心配がない。
金融機関の営業担当者との付き合いがあれば、「お付き合いでお願いします!」といったいわゆる「お願い営業」を受けた経験がある顧客も多いだろう。金融商品の購入だけでなく、クレジットカードなどの関連サービスに付き合わされることもある。
しかし、IFAはそういった営業ノルマを抱えていないため、顧客は自分が購入したいと思う商品だけ購入すればいいのだ。「ノルマのために無理やり何か買わされるのではないか」という不安を感じなくても良い点は、顧客にとって大きな安心感につながるだろう。
お金に関するあらゆることを相談できる
IFAは、金融商品への投資だけでなく節税や相続、贈与などお金に関するあらゆることを相談できる存在である。ライフプランに沿った資金形成計画の提案や、1人1人に合ったポートフォリオの構築など、顧客は長期にわたったサポートを受けられるメリットがある。
特に相続などは人生の中でそう何度も経験することではないため、そういった局面で「お金のことは全て○○さんに聞けば大丈夫」という存在がいるのは、非常に心強いのではないだろうか。
経験豊富な金融のプロからアドバイスを受けられる
IFAは金融機関での営業職としてのキャリアを持つ人が多い。そのため、顧客は経験豊富な金融のプロから直接アドバイスを受けられる安心感がある。
QUICK資産運用研究所が2018年に行った「IFA実態調査」の結果を見てみると、IFAの年齢層は50代以上が過半数を占めていることが分かる。
年齢層 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
20~29歳 | 11人 | 5% |
30~39歳 | 39人 | 19% |
40~49歳 | 49人 | 25% |
50~59歳 | 71人 | 36% |
60歳以上 | 30人 | 15% |
同調査にてIFAの直前の経歴をたずねたところ、「証券会社」や「保険会社」との回答が上位を占める結果となった。このことからもIFAは金融機関営業職としての経験が厚く、顧客が信頼して相談できる要因となっていることが分かる。
金融商品の選択肢が広い
IFA経由で購入できる金融商品は、1社の証券会社だけに限らない。複数の証券会社と提携しているIFAであれば、様々な証券会社の金融商品からより自分に合ったものを選ぶことが可能だ。
証券会社の営業担当者から購入する場合は、その証券会社で取り扱っている金融商品しか購入できない。もし他の金融機関により手数料が安い商品があっても、顧客は自ら調べない限りは比較商品を知るすべがないのだ。
その点、複数の証券会社と提携しているIFAであれば、類似商品を比較検討することが可能である。顧客は多くの金融商品の中から選択できるため、満足度の高さにもつながるだろう。
中立の立場でアドバイスをしてくれる
IFAは特定の金融機関に所属していないため、顧客は中立の立場で金融アドバイスを受けることができる。IFAは証券会社の金融商品を仲介するが、「業務委託契約」によって販売する立場であるため、売り出しの商品などを指定されることがない。したがって、IFAは金融機関の販売方針に自分の営業活動を縛られることがないのだ。
それによって、顧客も自分の投資意向に合った金融商品を提案してくれるという安心感があるといえる。
弁護士や税理士などの専門家とも連携している
IFA法人の多くは弁護士や税理士などの専門家と連携している。そのため、相続や贈与、節税などのより専門知識が必要となる相談については、専門家とチームを組んで対応してくれるメリットがある。中には税理士や会計士をIFAと兼業で行っている人もいるため、顧客は正確な知識が必要となる場面でも安心して相談することが可能である。
インターネット取引では提供されていない商品が購入できる
ネット証券では幅広い金融商品を取り扱っているが、中には対面販売でなければ購入できない金融商品もある。IFAを経由して金融取引を行う場合、そのような対面販売でのみ取り扱っている金融商品を購入できるメリットがある。
たとえば、外国籍の投資信託や仕組債などがそれにあたる。より大きなリスクを取りながら運用をしたいと考えている顧客であれば、IFAに相談しながらインターネット取引では取り扱っていない商品に投資することも可能である。
コスト以上のサービスを提供できればIFAの裾野は広がっていく
ネット証券が広く普及している昨今では、わざわざ高いコストを支払ってまでIFAを利用するメリットがないように感じるかもしれない。
しかし、IFAはただ金融商品を仲介するだけでなく、顧客の人生に寄り添いながらライフプランに合った資産形成計画を提案してくれる存在である。お金に関するあらゆることを金融のプロに相談できるのは、顧客にとって大きな安心感につながるだろう。
おわりに
IFAになる際に、基本的にはどこかの法人に所属する形を取ることになる。
しかし、全国には約650社ものIFA法人があり、情報を取ることや比較することが難しい。
また、
「どのぐらい収益があれば生活が安定するのか?」
「皆どのようなビジネスをしているのか?」
等、IFAになること自体に対する不安の声も多い。
IFAへの転職に悩んでいる方は、ぜひIFA特化型の転職エージェント「アドバイザーナビ」に相談してみて欲しい。
外資系プライベートバンカー、大手・中堅証券会社のリテール、銀行の資産運用担当者(FA・FP)の方まで多数の支援実績があり、業界のことを非常に熟知している。
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【出典】
・QUICK資産運用研究所「IFA実態調査」(2022年3月アクセス)