IFAはまだまだ知名度が低く、転職を検討するにも将来を不安に感じるという方もいるだろう。
ところで、実際のところ日本のIFAの人数はどのくらいで、今後どのように推移していくのだろうか?
本記事では、日本のIFAの人口とこれまでの推移や日米英のIFAの違い、日本におけるIFAの今後の展望等を解説していく。
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IFAの人数に関する推移
日本証券業協会のデータを元に金融商品仲介業者、証券会社の登録外務員数の推移を比較して見ていきたいと思う。
金融商品仲介業者の登録外務員(IFA)数の推移
IFAである金融商品仲介業者の外務員数はこの10年間でおおよそ2倍に増えている。
日本証券業協会「協会員の従業員数」によると、2010年には2,300人程度だったIFAも、2019年末には4,000人を超えた。2014年から2017年頃は好景気に支えられ、証券会社の外務員数が微増した一方、IFAは横ばいとなっていましたが、直近の2018年〜以降、IFAの伸びは再度加速している。
外務員の数と証券会社の従業員数の推移
一方、証券会社の外務員数はこの10年で横ばいで推移している。証券会社の従業員数は2010年には約92000人、2012年には約83000人、2016年に約90000人、2019年に約89000人となった。
出典: 日本証券業協会「協会員の従業員数等」
リーマン・ショック後の減少からアベノミクスで回復しましたが、その後は頭打ちとなっています。証券会社の従業員数は2008年末につけた最高人数の9.9万人を超えていない。
日本証券業協会「協会員の従業員数等」によると、金融商品仲介業者と証券会社との外務員数は、2013年の時点で金融商品仲介業者が証券会社を約30%上回っており、その差は年々増加している。2014年には約40%、2016年には約50%、2019年には約70%まで広がった。
出典: 日本証券業協会「協会員の従業員数等」
繰り返しになるが、過去10年間の金融商品仲介業者と証券会社との外務員数を比較すると、証券会社は横ばいであるのに対し、金融商品仲介業者は大きく伸びているのがわかる。
IFAビジネスは現在も続伸し続けており、2020年5月末には、IFA経由の預かり資産残高は主要な契約金融機関5社(SBI証券、楽天証券、PWM日本証券、エース証券、東海東京証券)の合計で1兆9885億円と、ほぼ2兆円規模となったと報道された。
- 出典:日本経済新聞社「IFAビジネス、2兆円規模に: 日本経済新聞 (nikkei.com)」
米英におけるIFAの人数
金融先進国である米国や英国では、日本のIFAのような独立系ファイナンシャルアドバイザーが個人リテール向けのウェルスマネジメントビジネスを牽引している。
日本のIFAに当たる米国のIC、RIAは米国の個人金融資産の約3割のシェアを持っており、同じく英国はファイナンシャルアドバイザーの約8割はIFAで構成されている。
支援会社も大手があったりと環境も整っている。
米国のIFAの人数と現状
米国の独立系 FA(IFA)は、2017年に約 12.7 万人程登録している。大手証券会社の外務員が約4.7万人であるのに対して、約2.7倍の人員規模を確立している。
また、米国全体の個人金融資産のうち、独立FA経由は約4割、社員系FAも含めたアドバイザー経由では約7割を占めている。
FA(IFA)が証券会社の外務員よりも優勢になった背景には、リーマン・ショック後に証券会社が富裕層ビジネスを強化し、リテールビジネスが縮小されたことが挙げられる。
その結果、小口顧客の証券会社離れが起きたことが影響しているようだ。
米国の独立系 FA は、①登録外務員として個別金融商品の売買を扱う独立投資アドバイザ ー(IC: Independent Contractor)と、②投資顧問業として投資一任勘定等 を扱う RIA(Registered Investment Adviser)がある。両方を兼業しているFAも多いだ。
ICとRIAは顧客からの手数料の受け取り方も異なり、ICが販売手数料を受け取るのに対し、RIAはアドバイスフィーを受け取る。
- 出典:金融庁「沼田参考人提出資料」
英国のIFAの人数と現状
もう一つの金融先進国である英国では、IFA(Independent Fianancial Advisor)が伝統的に活躍してきた背景があり、IFAを含むファイナンシャルアドバイザーは2017年末に26,000人登録されており、そのうちの8割をIFAが占めている。
英国のIFAの手数料体系は2012年からRDR (Retail Distribution Review)が行われたことにより厳格化され、現在は顧客からのアドバイザリーフィーのみを受け取ることができる。
日本や米国と異なり、販売手数料や投資信託の信託報酬等は受け取ることができない。
顧客からの信頼を高めるため、インセンティブに左右される商品選定の可能性を排除し、独立性を保持したアドバイスを提供できるように整えた。
他方で、特定の金融機関に所属し、その金融機関のプロダクトに限定して提案をするRFA(Restricted Financial Adisor)も存在する。
日本のIFAの現状と今後
IFAに対するニーズは今後高まる可能性が高い
日本は長年預金が主流だが、近年の貯蓄から投資への流れに加え、老後2,000万円問題や年金問題、マイナス金利も影響して投資商品での運用の必要性が高まってきている現状がある。
しかしながら、従来の金融機関では、勧められる商品はその金融機関の主力商品に偏りがちだ。そこで独立性・中立性を掲げるIFAは、顧客の希望でもある。
同時に、IFAのように長く付き合えるパートナーのニーズも高まっている。
証券会社や銀行は担当者は異動を伴い数年で交代することがほとんどである一方、IFAは異動がなく、長く付き合うことが可能だ。
金融機関の衰退
終身雇用の維持は難しくなっており、年々、過去のような金融機関の安定も失われつつある。金融機関に就職すれば生涯安泰という時代は残念ながら終焉を迎えた。
例えばメガバンクの大規模リストラはその象徴と言えるのではないだろうか。また、金融機関の統廃合や人員削減も続いている。
2019年に野村證券は都市部支店を自社内で統廃合、地方支店は地銀へ統合させ、スリム化を進めた。
また、業界の競争激化で無理なノルマ設定が効かなくなってきていることも挙げられる。無理な契約を続けたかんぽ生命の不正販売事件は記憶に新しいだろう。
働き方の多様化
終身雇用の破綻が影響し、副業や兼業が増えてきた。企業側が推奨している事例も少なくない。
金融機関でもみずほFGが先陣を切って副業解禁をリリースしている。これは言い換えれば、今後の社会は個人の稼ぐ力が求められるようになり、スキルを身につけるニーズが高まっているということだろう。
現在は母数が少ない日本のIFAだが、前述の金融仲介業者の外務員数の増加にも見られるように、参入市場は急速に拡大してきていくだろう。
今年は百貨店の高島屋が金融商品仲介業者に登録して、独立系IFAとして参入した。従来の金融機関に限らず、小売や他業界からの注目度も高いと言える。
また、IFAを取り巻く環境も拡大しており、従来の証券や保険等の伝統的金融商品の提供だけでなく、フィンテック企業との連携も進んできている。
おわりに
IFAになる際に、基本的にはどこかの法人に所属する形を取ることになる。
しかし、全国には約650社ものIFA法人があり、情報を取ることや比較することが難しい。また、
「どのぐらい収益があれば生活が安定するのか?」
「皆どのようなビジネスをしているのか?」
等、IFAになること自体に対する不安の声も多い。IFAへの転職に悩んでいる方は、ぜひIFA特化型の転職エージェント「アドバイザーナビ」に相談してみて欲しい。
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