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IFA業界の現状と将来性は? 欧米のIFAの事例も含め考察

IFA(Independent Financial Advisor)とは、特定の金融機関に属さず独立した立場で資産運用のアドバイス・金融商品(株式・投資信託など)に関する仲介(金融商品仲介業)を実施する職業のことである。「独立系ファイナンシャルアドバイザー」とも呼ばれる。

日本で高まりつつある資産運用への意識の影響で、IFAの働き方が注目されつつあるのをご存じだろうか。
日本のIFAは歴史が浅く、2004年から始まった制度であるが、2018年あたりから人数が爆増しており、2022年6月末時点では5,558名がIFAとして活動している。

当記事では2022年現在のIFAの現状について、IFAのメリット・デメリットや将来性などを基に解説していく。IFAへの転職を検討中であれば、ぜひチェックしておいてほしい。

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目次

IFAのメリット

IFAの業務は、証券会社や銀行(以下:証券会社)などで勤めるとは異なる、さまざまなメリットがある。以下ではIFA(IFA法人)ならではのメリットをみていこう。

中立かつ専門的な提案ができる

IFAと証券会社の営業員と大きく異なる点は、中立の立場でのプランニングやアドバイスができるか否かになる。

証券会社の営業員の場合、どうしても所属する証券会社の利益や自身のノルマ達成を考えながら業務に当たらなければならない。そのため、顧客のニーズや状況ではなく、自社の利益を優先した提案をされるケースが見られる。

一方でIFAは証券会社と業務契約を締結し、提携先の金融商品を取り扱う立ち位置になる。前述のとおりIFAは証券会社から独立した立場になるため、顧客目線での金融商品の提案やプランニングが可能だ。証券会社からノルマを課せられることもない。

引用:IFA転職「IFAとは?」(業務委託を想定)

IFAの前職は証券会社であることが多いため、個人のスキル・能力は証券会社の営業員に引けを取らないと考えられる。
また、IFAとして働く立場で考えても、特定の組織の方針や商品に縛られることなく、自分の裁量で顧客をサポートできるやりがいを感じられるはずだ。

顧客と長期的なパートナーシップを築ける

証券会社の営業員の場合、従業員による不正防止の観点から、数年単位で転勤が繰り返されるケースが多い。
顧客との癒着や多額の金銭を動かす立場を利用して、不正融資や横領などのコンプライアンス違反・犯罪行為に走るリスクが考えられるためだ。

一方でIFAは原則として転勤はない。理由は次のとおりだ。

・顧客の資産を預かるのは証券会社であり、IFAが顧客の金銭で不正を行うリスクが少ない(IFAの預託業務は金融商品取引法で禁止されている)
・中小規模のIFA法人はそもそも転勤先がない
・長期的なサポートを売りにしているIFA法人が多い

顧客の立場から考えると、IFAのほうが長期間同じ人に担当してもらえる可能性が高い。同じ人に長期間担当してもらいたい顧客は、IFAの利用にメリットを感じられるだろう。

豊富な商品ラインナップから提案できる

IFAが業務委託契約を結べるのは1社に限定されない。契約によっては、複数の証券会社のさまざまな金融商品について仲介できるようになる。

原則として自社の金融商品しか紹介できない証券会社とは異なる、IFAならではの大きなメリットだ。

また、IFAは日々変化する証券会社ごとの投資スキームや金融商品をキャッチアップしているため、常に最新情報を元にした提案を実施できる。

働く立場で考えても、複数の証券会社から情報を得て知識が蓄積できる点は、メリット1つといえるのではないだろうか。

IFAのデメリット

当然ながら、IFAは万能の職業ではない。証券会社のほうが優れている面も存在する。以下ではIFAのデメリットについて解説していく。

証券会社に勤めるほうが収入は安定する

IFAの収入は、営業成果によるインセンティブ報酬で決まるケースが多い。正社員勤務の場合も、固定給+歩合での設定がよく見られる。

歩合制は高収入が期待できる反面、IFAとしての実力や営業面での工夫がない場合だと、逆に低収入となるリスクがある。IFAは高年収という文言につられて、業界のことを調べずに参入するのは弊社としてもおすすめしない。

事業規模が証券会社より小さい

一般的には、IFA法人より証券会社のほうが事業規模の大きいケースがほとんどである。そのため、顧客からの信頼度や社会保障、福利厚生の面では、証券会社勤務のほうが安定している可能性が高い。

さまざまな負担がかかる可能性がある

業務委託契約のIFAとは、すなわち個人事業主に当たる。そのため、営業活動や経理作業、顧客対応などに関する負担は、原則としてすべて自分にかかる。具体的な例は次のとおりだ。

・売上や経費などの記帳や確定申告関係の事務
・スケジュール調整や名刺作成などの営業関係の事務
・夜間や休日での顧客対応

IFA法人に正社員として所属する場合は、普通の会社員のように担当者が事務手続きを行ってくれるケースが多い。IFAとしての経験を積む意味でも、まずはIFA法人の正社員IFAを目指すのも1つの選択となる。

IFA業界の今後について

さまざまなデータや報道を見るに、IFAの需要や地位は今後向上していくものと推測される。IFAの将来性が明るい根拠は次のとおりだ。

・IFAの人口(金融商品仲介業者の登録外務員数)が増えている
・NISA口座・つみたてNISA口座の利用数・口座における買付数が増えている
・IFA経由の証券会社の預かり資産が3兆円の大台を突破している
・20~30代を中心に資産運用への意識やマネーリテラシーの向上が見られる
・ 保険代理店を中心にIFA業界へ参入するところが増加傾向にある
・大手証券会社がIFA人材へのサポートを手厚くし、人材確保に動いている傾向が見られる

上記から見るに、IFAが活躍できる市場が以前より拡大しているのがわかる。

欧米ではIFAの文化が日本より浸透している点を考えると、IFAの需要は世界中で広がっていると推測できるだろう。

とはいえ、日本におけるIFAの認知度や浸透度は、欧米と比べると低いという問題点もある。今後IFAが活躍するには、顧客を開拓する力や広報力などの面に注力し、いかに顧客にIFAという働き方や利用のメリットを知ってもらうかがカギになるはずだ。

また、下記で海外の動向も見てみよう。

欧米のIFAの人数推移

次に、欧米のIFAの現状を見ていこう。日本よりも先にIFAの仕組みが発達した米国では、2017年時点で約12万7,000人のIFAが活躍している。日本では、2021年12月末時点でIFAが約5,000人ほどである状況と比較すると、米国では既にIFAという存在が広く定着していることが分かる。

また、同じく金融先進国の英国でもIFAという存在が幅広く認知されている状況だ。

英国では2017年末時点のIFAの人数が約2万6,000人となっており、特徴的なのは小規模のIFA法人が多いことである。2017年末時点のIFA法人の数は5,281 社であるが、所属しているIFAが1~5人の小規模法人が、その内4,704社となっており大半を占めている。

さらに、英国のIFAビジネスで特筆すべき点は、収益構造についてである。英国では2014年の法改正によって、IFA法人が証券会社等からコミッションを受け取ることができなくなった。そのため、IFAの収入源は投資アドバイスによる手数料収入が大半を占めているのである。

投資アドバイスによる手数料も、「初期相談料」と「定期手数料」の2種類に分けられており、単発相談の顧客・継続契約している顧客のどちらからも手数料が受け取れる仕組みとなっている。

したがって、英国のIFAは顧客の金融取引の大小によって収入が左右されることなく、真に顧客の立場に立ったアドバイスが可能となっているのだ。

米国のIFA事情について詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にして欲しい。

日本のIFAのフィービジネス

ここまで、欧米のIFAの人数推移と収益構造について解説してきた。では、日本のIFAの収益構造はどうなっているのだろうか。

国内IFA法人大手の「株式会社アイ・パートナーズフィナンシャル」の2022年3月期の決算資料をもとに見てみよう。同社の2022年3月期の売上高は20億5,500万円となっており、その内18億8,200万円が金融商品仲介業による手数料収入となっている。

つまり、売上高の約9割が証券会社等からのコミッションに依存している収益構造なのだ。これは同社に限ったことではなく、国内IFA法人の多くがこのような収益構造になっているといえる。

金融商品仲介業のコミッションに依存した収益構造となっていれば、当然IFA個人の収入も顧客の金融取引の大小に左右されることとなる。

真に顧客本位の営業を行うためには、英国のように投資アドバイスによる手数料収入が主な収益源となることが望ましいだろう。

金融リテラシーの向上によってIFAの需要は増加する

NISA制度の広がりによって、日本でも個人投資家が年々増加している。特に若年層の個人投資家が増加していることから、今後中立的な立場でアドバイスを行うIFAの需要が増加していくことは間違いないだろう。

しかし、金融先進国の欧米のように広くIFAが認知されるためには、収益構造そのものが変容していく必要性がある。真に顧客の立場に立って営業を行うためには、証券会社によるコミッションではなく、相談によるフィーに移行していくことが必須となるだろう。

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おわりに

転職を考えている人

IFAになる際に、基本的にはどこかの法人に所属する形を取ることになる。
しかし、全国には約650社ものIFA法人があり、情報を取ることや比較することが難しい。

また、「どのぐらい収益があれば生活が安定するのか?」、「皆どのようなビジネスをしているのか?」等、IFAになること自体に対する不安の声も多い。

IFAへの転職に悩んでいる方は、ぜひIFA特化型の転職エージェント「アドバイザーナビ」に相談してみて欲しい。
外資系プライベートバンカー、大手・中堅証券会社のリテール、銀行の資産運用担当者(FA・FP)の方まで多数の支援実績があり、業界のことを非常に熟知している。
また、弊社のメンバーは大手証券出身者であるため実務に関しても非常に詳しい。まずは情報収集をしたいといったカジュアルな形からでも無料で面談ができるので、お気軽に相談してみてほしい。

最近は異動時期や賞与の時期が近いということもあり、毎日多くのご相談をいただいている。
現在、弊社代表も現場に出て転職エージェントとして面談をしているが、面談予約枠に限りがあるので早めの申し込みをおすすめする。

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この記事を書いた人

IFA転職を運営し、IFA専門転職支援サービスを展開。創業から100名以上のIFAへの転職を支援。また、アドバイザーナビ経由でのIFAになった方の転職者のコミュニティ「Club IFA」も運営しており、IFA業界の転職市場に精通している。

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