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【転職後】住民税はどうなる?支払いの方法とタイミングを解説!計算式も紹介

住民税の計算

会社員の給与から天引き(金を貸したり給料を支払ったりするときに、利息・税金・保険料などをあらかじめ差し引くこと)されているもののひとつである「住民税」。住んでいる場所・前年に給与所得として受け取った金額によって差があるものの、会社員であればほぼ全員が住民税が天引きされている。

この記事では「転職後の住民税」にフォーカスして解説する。転職しても、健康保険や年金と同じように何事もなく住民税も勝手に天引きされるのか、と問われれば答えは「否」だ。

天引きされる人もいれば、天引きされないで自ら納付する人もいる。また、どの時期に退職したのか・退職後スムーズに次の職場に就職したのか…など、人によって結果はさまざまだ。

記事を最後まで読めば「転職する前にある程度のお金を用意しておいた方が安心」であることが再認識できる。在職中で転職を希望している人・既に転職した人、それぞれにとって参考になるはずだ。

目次

住民税は新しい職場でも同様に天引きされるのか?

住民税を含む税金は、一部が給与から天引きされていることを会社員であれば知っていると思う。この一部給与から天引きすることを「特別徴収」という。

会社員ではない自営業者やフリーランスの人は、自ら確定申告して税金を納める「普通徴収」という徴収方法で納税する。
元来、日本は自ら税金を納める義務があるため便宜上、「普通」と「特別」の2種類の名称に分けて区別している。

基本的に会社(雇用主)には給与を徴収する際に税金を天引きする義務があるため、転職先の会社でも一部の例外を除いて税金が天引きされる。

ところで、住民税は転職後すぐに天引きが始まるのだろうか。答えは以下の2パターンに分かれる。

  • 住民税の天引きがすぐに始まるケース
  • 住民税を自ら納付するケース

詳しく見ていこう。

住民税の天引きがすぐに始まるケース

新しい職場で住民税の天引きがすぐに始まるのは、前の職場から新しい職場へブランクなしで転職している場合である。

前の職場から新しい職場への転職に空白期間が無く、すぐに新しい職場で働き始めた場合、「給与所得者異動届」(以下、異動届)が役所に提出されていれば引き続き住民税が天引きされる。

異動届は、まず前の職場に必要事項を記入してもらう。次に、転職先に異動届を渡す。これを受け取った転職先が、給与所得者(転職してきた人)を管轄する役所に最終的に提出すれば手続き完了となる。

つまり、前の職場の人と新しい職場(転職先)の人との間にやりとりが発生するわけで、転職先についてあまり前の職場の人に知られたくない人にとってはこの手続きは気が重い作業であろう。

ともかく、それぞれの職場にお願いしておけば住民税の天引きは新しい会社でも継続される。ちなみに、納税には天引き以外の方法もある。会社に代わって、自らが納税することである。

住民税を自ら納付するケース

引き続き住民税を天引きする方法を採っている会社や転職者は実際には少ない。転職した場合に給与所得者異動届を届け出る人は稀である。

多くの場合は一時的に住民税を自分で支払う。それから1年ほど経ったあと、新しい会社(転職先)の天引きが始まる。

住民税を自ら納付するのは以下に該当する人である。

  • 転職後ブランクを開けて就職する人
  • 給与所得異動届を提出しなかった人

自ら納付する際は、転職後に役所から届く「住民税納付通知書」を用いる。一般的には最寄りのコンビニや郵便局で納付することが多い。

納付額は高額になる可能性がある。退職前には納税額を概算しておくことをすすめる。

また、一部を自ら納付せず、前の会社の最後の給与や退職金から天引きすることで住民税の納付を行う方法もある。これを「一括徴収」という。

一括徴収が可能な人は以下の通り。

  • 1月〜5月の間に退職した人
  • 6月〜12月の間に退職した者の中で、一括徴収額が「最後の給与+退職金」を超えない人

自分はどのタイプに当てはまるのか・退職時期や会社に頼めるかなど、退職金や給与の金額などを確認してみるといいだろう。

住民税の決定方法

住民税は誰しもが同じ金額ではない。前年の課税所得に応じて決まるため、前年に給与が多かった人は納税額も高くなり、逆に失業や育児休暇明けなどで収入が著しく低かった場合はほぼ非課税になることもある。

具体的には、住民税は「所得割」と「均等割」の合計金額で決まる。

所得割は、前年1月から12月末までの1年間の課税所得に対して税率をかけたあと、税額控除を差し引いた金額で、税率は一律で10%である。税額控除には、ふるさと納税の寄附金控除や住宅ローン控除などがある。計算式は以下の通り。

所得割=課税所得×税率(10%)-税額控除

均等割は通常、市町村民税3,500円/道府県民税1,500円と定められており所得には関係がない。

計算方法を抑えておけば自分の所得割が分かる。どの程度の住民税が翌年引かれるのか計算できるため、可能ならば事前に把握しておくと良いだろう。

計算方法がよくわからない人は、前年の所得によって金額が違うことだけは頭に入れておこう。

転職後の手続きはきちんと確認しよう

今回は転職後の住民税にフォーカスして解説した。もし、転職することで新しい会社からすぐに住民税の天引きが行われると理解していたなら、実際にはそうでないことが多々あることを知っておいてほしい。

また、住民税のことを「忘れた頃」のタイミングで前年の税金徴収の知らせが役所から届くパターンが多いため、あらかじめ手元にまとまった金額を用意しておくことをすすめる。

どうしても税金の支払いが難しい場合は、一部地域によっては猶予を与えてくれるところもある。住んでいる地域の役所のホームページなどを参照してほしい。

現在転職を検討している人は、手元に納付予定の税金分のお金を残しておけば安心して転職活動に専念できるだろう。
良い転職活動ができるよう、記事が参考になれば幸いである。

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この記事を書いた人

IFA転職を運営し、IFA専門転職支援サービスを展開。創業から100名以上のIFAへの転職を支援。また、アドバイザーナビ経由でのIFAになった方の転職者のコミュニティ「Club IFA」も運営しており、IFA業界の転職市場に精通している。

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