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【転職したい女性必見】信用金庫を辞めるのはもったいない?後悔しないために信金について改めて考察

信金の女性職員

全国254ある「信用金庫(信金)」。地域に根ざした金融機関として、その地域からの信頼は厚い。信金勤務の働き盛りの女性なら、年配の方や両親・親戚から「いいところに勤めているね」「結婚しても安心だね」などと言われることも多いのではないだろうか。

そんな空気の中、何らかの理由で信金を辞めたいと言えば周囲からは「せっかくいいところに勤めているのにもったいない」「辞めたら後悔するよ」と否定的な反応をされることは想像に難くない。

そこで今回は、信金を辞めるかどうか悩んでいる人の判断の助けになるよう、信金について解説する。記事を最後まで読めば、信金の特徴・業務内・年収、いい点とイマイチな点、辞めたあとのおすすめの転職先とその理由が分かる。信金への転職を考えている人にも参考になるはずだ。

目次

信用金庫の特徴と仕事内容および年収

信金の特徴と主な仕事内容、年収について解説していく。

信金の3つの特徴

取引は中小企業と個人がメイン
全国の大企業から個人まで幅広く取引できる銀行とは異なり、信金が融資できるのは地域の中小企業と個人に限られる。

非営利・相互扶助
銀行は利益の追求が目的の営利法人である。一方、信金は地域住民からお金を集めて融資を行い、地域住民同士で助け合う「相互扶助」が目的の非営利法人である。銀行が株主の利益を優先するのに対して、信金は地域社会の利益を優先するのが特徴だ。

地域密着
信金は限られた地域内でお金を回す。地域の利用者や会員から得た収益は、地域経済の発展に役立てる。金融面で地域に貢献するのが信金の使命ともいえる。

信用金庫の仕事内容

信金の主な仕事は以下の4つ。

窓口
顧客と対面で様々なやりとりを行う。預金や支払いのほか、金融商品(保険や投資信託)のセールスも。

事務
各種の後方事務作業を受け持つ。預金や支払い金・書類の処理、電話での応対に加え金融商品のセールスも。

融資
顧客からの融資の相談や申請の応対、融資審査など一連の貸出業務を行う。

営業
「渉外」「外回り」とも呼ばれる。顧客を回って集金したり、融資のやりとりをしたりする。原付バイクで地域を駆け回るイメージがある業務。

年収

信用金庫の年収は、銀行に比べるとやや低めである。資金に恵まれた大都市の信金のほうが、地方の小さな信金より給料が高くなる傾向がある。
参考までに、いくつかの信金をピックアップして転職初年度の年収を表にした。

信用金庫名初年度年収
東京三協信用金庫300万円~450万円
大阪商工信用金庫400万円~600万円
東予信用金庫(愛媛)300万円~400万円
水沢信用金庫(岩手)280万円~400万円
大地みらい信用金庫(北海道)320万円~750万円
出典:マイナビ転職(2022年12月)

信用金庫のいい点・イマイチな点

信金のいい点(魅力)とイマイチな点を以下にまとめる。信金を辞めたい人や他の仕事に転職したい人、逆に信金に転職したい人、それぞれの参考になれば幸いである。

信用金庫のいい点

女性が働きやすい職場
総合職・一般職を通じて信金職員の女性比率は高いため、産休・育休に理解が得られやすい。時短勤務などの制度も充実しており、女性が安心して長く働ける点は魅力だ。「子育てサポート企業」として厚生労働大臣の認定(「くるみん認定」)を受けている信金もある。

福利厚生が充実
金融機関だけに、ファイナンス関連(住宅ローン・生命保険など)の優遇制度が充実している。休みも多く、基本的に土日は休み。友人との予定も合わせやすいだろう。

勤続年数に応じて昇給
信金の給与制度の多くは「年功序列」。「成果報酬型」の外資系金融機関とは違って、大きな成果を上げなくても勤め続けていれば少しずつ昇給していく。

業務時間や残業がほどほど
銀行と比べると信金は業務時間が短く残業も少ない場合が多い。ワークライフバランスが取りやすい仕事ともいえる。

株価や為替の影響を受けにくい
銀行のように海外の企業に融資したり、ハイリスクの債権や株式に手を出したりしないビジネスモデルのため、経済状況に左右されにくい。信金の職員が「安定してていいね」と言われるゆえんである。

ノルマ廃止の動きがある
信用金庫勤めを「辞めたい」と思う理由に「厳しいノルマ」がある。しかし近年、ノルマを廃止する信金も出てきており、将来的にこの動きが加速する可能性もある。

引越が必要な転勤・異動が少ない
「地域密着」の信金は他県など遠方への転勤・異動の心配が少ない。子供が転校しなくてもいいように配慮されることもある。ただし異動自体は比較的多い(3年に1回など)。

地域社会に貢献でき、信頼される
信金は地域の企業や個人との繋がりが強く、また「地域と共に成長していく」ことを理念としている。このため地域社会から「良きパートナー」として信頼を得られやすい。いい関係を築ければ「地域社会に貢献している」という実感も得られるだろう。

金融の知識・スキルが身に付く
信金の各種業務を行う過程で、住宅ローン・保険・投資信託などの専門知識のほか、融資実務や経理実務のスキルが修得できる。

信金のイマイチな点

給料が低め
以下の表の通り(金額は年収)銀行に比べて信金の給与水準は低めである。

都市銀行三井住友銀行700万円
地方銀行横浜銀行603万円
信用金庫城南信用金庫490万円
出典:openwork(2022年12月)

非営利なのにノルマが厳しい
信用金庫は非営利法人。とはいえ利益は出さねば経営が成り立たない。実際は、営業はもとより、窓口や後方事務にも「預金ノルマ」「金融商品の売上ノルマ」が課せられる。ノルマを達成しない場合、職場によっては激しく罵倒されるケースもあるようだ。

内勤と外回りのどちらもこなさなければならない
信金は各部署を異動しながら「一人前」の職員に育てる風潮がある。窓口や事務の内勤のほか、外回りで集金や営業もこなさなければならない。

過疎化が進むと経営悪化のリスクがある
限られた地域内の企業や個人を相手にする信用金庫は、営業相手のパイも限定される。その過疎化で地域の人口が減っていけばパイも縮小するため経営は悪化する。そうなると他の信金との合併も避けられない。

休日に地域行事への参加を求められる
「地域密着」であるがゆえに、休日であっても取引先の企業や団体のイベント・祭事・公共施設の清掃活動などに参加を求められるケースがある。建前上は「任意」でも実質「強制」であることが多い。

古い社風が健在
重役や上席への挨拶・朝礼での全員唱和・昼休憩を取る際の忖度など、旧時代的な社風が健在な信金は珍しくない。ペーパーレスやオンライン化への取り組みも進んでいるとはいえず「時代遅れ」の職場と揶揄される原因となっている。

幅広い金融知識を要求される
信金の業務をこなす上で、住宅ローン・投資信託・生命保険などのほか「銀行業務検定」や簿記・FPの知識など広範な専門知識の修得は必須である。勉強嫌いな人にとっては苦痛だろう。

信用金庫の実務で得た金融の知識・スキルを活かせば他業種への転職も可能

信金の仕事は福利厚生など魅力もあるが、同じぐらいイマイチな点もある。どちらを重視するかで、辞めるべきか続けるべきかが決まってくる。

信金の業務は窓口から外回りまで広範囲で負荷も多い反面、そこで得た金融知識やスキルは他の職種で活かせる。転職市場での需要も高いため、「信金を辞めたい」と思った時は転職してキャリアアップするチャンスともいえる。

銀行や保険・証券などの他の金融機関のほか、税理士事務所などは信金での知識や経験を活かしやすい。仕事で懇意になった地域の中小企業から誘われる(ヘッドハンティングされる)可能性もある。市区役所で公務員に転職する人も少なくない。

転職を窓口・後方事務・融資・営業の主要業務をまんべんなくこなすのが苦手な人は、どれかひとつに特化した職種を選ぶといいだろう。たとえば、後方事務なら経理職・営業なら不動産の営業職などだ。

信用金庫から他業種への転職には転職サービスの活用がおすすめ

女性が多く活躍し、結婚や育児に理解のある信用金庫。地域社会と関わりながら結婚後も長く働きたい女性には魅力的な仕事だ。また業務で得られる金融の知識やスキルは他業種への転職にも活かせる。例えば、保険や証券・資産運用などのファイナンス系の職種である。

その際は、ファイナンス系の職種に特化した「転職サービス」の活用も視野に入れたい。具体的には「IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)」に特化した転職サービスなどだ。興味がある人はリサーチしてみてはいかがだろうか。

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この記事を書いた人

IFA転職を運営し、IFA専門転職支援サービスを展開。創業から100名以上のIFAへの転職を支援。また、アドバイザーナビ経由でのIFAになった方の転職者のコミュニティ「Club IFA」も運営しており、IFA業界の転職市場に精通している。

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