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保険会社からの転職先はどこ?おすすめ業界・評価されるスキル・IFA転職を解説

保険会社で働くなかで、「営業目標のプレッシャーが大きい」「収入が安定しにくい」「休日も顧客対応が入ることがある」などの理由から、転職を考える人は少なくない。

一方で、保険営業の経験は決して無駄にならない。顧客の不安を聞き取り、形のない商品を提案し、長期的な信頼関係を築く力は、金融業界や無形商材の営業、IFA、マーケティング・営業企画などでも活かしやすい。

この記事では、保険会社から転職したいと考える理由、保険会社からの転職先候補、評価されやすいスキル、年代別の転職戦略を解説する。

この記事の要点
  • 保険会社からの転職先は、同業他社、金融業界、IFA、無形商材営業、マーケティング・営業企画などが候補になる
  • 保険営業で培った信頼構築力、ヒアリング力、ライフプランニング力、数字への責任感は異業種でも評価されやすい
  • 転職前には、固定給と歩合給の比率、評価制度、休日対応、顧客開拓方法を確認することが重要
  • 20代から50代まで、年代によって評価されるポイントや転職戦略は異なる

また、保険業界から「IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)」への転職についても紹介するので、今後のキャリアを考える際の参考にしてほしい。

目次

保険会社から転職する前に知っておきたい業界の現状

保険会社から転職するかを考える前に、まずは保険業界の状況を冷静に整理しておきたい。

厚生労働省の令和6年雇用動向調査では、金融業・保険業の離職率は8.0%で、産業計の14.2%より低い。つまり、金融業・保険業全体が特別に離職率の高い業界とまではいえない。

ただし、保険営業は成果が収入や評価に反映されやすく、顧客の都合に合わせた面談や長期的なアフターフォローも求められる仕事だ。人によっては、働き方や評価制度に負担を感じやすい。

生命保険文化センターの2024年度調査では、生命保険の世帯加入率は2人以上世帯で89.2%、単身世帯で45.6%となっている。既に保険に加入している世帯も多く、新規契約を獲得するには、既存契約の見直しやライフステージの変化に合わせた提案力が必要になる。

また、生命保険協会の資料では、2024年度末の個人保険の保有契約件数は1億9,530万件で17年連続増加した一方、保有契約高は778兆9,902億円で減少している。医療保障や第三分野のニーズが高まるなど、保険市場の中身も変化している。

保険業界から転職するかどうかは、「今の会社が合わない」のか、「保険営業という働き方自体が合わない」のかを分けて考えることが大切だ。

保険会社から転職したいと考える理由

保険会社に勤めている人が転職を検討する理由として、主に以下の4つが挙げられる。

  • 営業成績によって収入が左右されやすい
  • 営業目標やノルマのプレッシャーが大きい
  • 休日や夜間に顧客対応が入ることがある
  • 身近な人への営業に負担を感じる

それぞれの理由について確認していこう。

営業成績によって収入が左右されやすい

保険営業では、固定給に加えて営業実績に応じた歩合給やインセンティブが支払われることがある。成果を出せば高収入を狙える一方、契約が伸びない月は収入が下がりやすい。

特に、入社から一定期間は給与保証があっても、その後は成果連動の比率が高くなる会社もある。安定した収入を重視する人にとっては、この変動幅が大きな不安につながりやすい。

ただし、給与体系は保険会社、代理店、外資系、内勤、法人営業、個人営業などによって異なる。転職を考える際は、「保険業界が合わない」と決めつける前に、現在の会社の給与設計が自分に合っていない可能性も確認したい。

営業目標やノルマのプレッシャーが大きい

保険営業では、契約件数、保険料、紹介数、面談数など、さまざまな指標で目標が設定されることがある。

目標管理そのものは営業職では一般的だが、保険営業の場合は成果が収入や評価に直結しやすい。目標未達が続くと、収入面だけでなく精神的な負担も大きくなる。

「数字を追うこと自体が苦手」なのか、「短期的な契約獲得よりも長期的な顧客支援をしたい」のかによって、向いている転職先は変わる。後者であれば、IFA、金融コンサルティング、既存顧客向け営業、カスタマーサクセスなども選択肢になり得る。

休日や夜間に顧客対応が入ることがある

保険営業では、顧客の都合に合わせて夜間や土日に面談することがある。平日は忙しい顧客に対して、休日に保険相談や契約手続きを行うケースもあるだろう。

顧客に寄り添いやすい反面、仕事とプライベートの境界が曖昧になりやすい。休日をしっかり確保したい人や、家族との時間を優先したい人にとっては、転職を考える大きな理由になる。

ただし、保険業界内でも、内勤、代理店の事務、既存契約の保全、法人向けの営業支援など、働き方が異なる職種はある。休日面を改善したい場合は、業界を変えるだけでなく、職種を変える選択肢も検討したい。

身近な人への営業に負担を感じる

保険営業では、入社初期に家族、友人、知人へのアプローチを求められることがある。会社によって方針は異なるが、身近な人に営業することへ抵抗を感じる人は少なくない。

仕事とプライベートの人間関係を分けたい人にとって、知人営業は大きなストレスになりやすい。こうした負担を避けたい場合は、法人向け営業、反響営業、既存顧客対応、BtoBサービスの営業など、公私を分けやすい転職先を検討するとよい。

保険会社からの転職先候補|経験を活かしやすい業界・職種

「保険会社から転職したい」と考える場合、まずは保険営業で得た経験をどの程度活かしたいかを整理しよう。

保険会社からの転職先候補としては、以下のような業界・職種が挙げられる。

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転職先候補活かせる経験注意点
同業他社・保険代理店保険知識、顧客対応、提案経験給与体系や営業手法が現職と同じだと悩みが解消しない可能性がある
銀行・証券・信託など金融業界金融知識、ライフプラン相談、無形商材営業商品や規制が変わるため、学び直しが必要
IFA保険営業、資産形成相談、富裕層対応証券外務員資格・外務員登録が必要。
契約形態で収入安定性が変わる
M&A・事業承継・不動産経営者対応、相続・税務周辺の知識、提案営業高単価商材のため、専門知識と長期的な関係構築が求められる
IT・SaaS・広告・コンサル営業無形商材営業、課題ヒアリング、提案力業界知識やツールの習得が必要
マーケティング・営業企画顧客ニーズの把握、営業現場の理解未経験の場合は、数値分析やWebマーケティングの学習が必要
事業会社の管理部門FP知識、家計・財務・保険の知識経理・財務・人事などは実務経験や資格が評価されやすい

各業界・職種への転職について確認していこう。

同業他社・保険代理店

保険という商品や顧客支援の仕事自体に不満がないのであれば、同じ保険業界の他社や保険代理店への転職が選択肢になる。

例えば「現職の商品ラインナップでは顧客のニーズを満たしにくい」と感じているなら、複数社の商品を扱う乗合代理店が候補になる。「成果に応じて収入を伸ばしたい」なら、外資系保険会社や成果報酬型の職場が合う場合もある。

一方で、営業目標、知人営業、休日対応、歩合給への不安が転職理由である場合は、同業他社に移っても同じ悩みが残る可能性がある。応募前に、給与体系、集客方法、顧客層、休日対応の有無を確認しておきたい。

銀行・証券・信託など金融業界

銀行、証券会社、信託銀行、リース会社などの金融業界も、保険会社からの転職先として検討しやすい。

保険営業で身につけたお金に関する知識、ライフプラン相談、顧客の不安を整理する力は、金融業界でも活かしやすい。特に、資産形成、相続、退職金運用、住宅ローン、法人オーナー向け提案などは、保険営業との接点が多い領域だ。

ただし、証券や銀行では、保険とは異なる商品知識や法令対応が必要になる。転職後に学び直す前提で、証券外務員、FP、簿記などの資格を取得しておくと、選考でも実務でも役立ちやすい。

IT・SaaS・広告・コンサルなど無形商材の営業職

金融業界以外では、IT、SaaS、広告、人材、コンサルティングなど、無形商材の営業職も候補になる。

保険商品は、目に見えるモノではなく、将来のリスクや安心を提案する商品だ。そのため、顧客の課題を聞き出し、必要性を伝え、信頼関係を築く力が求められる。

この経験は、ITサービス、広告枠、人材サービス、コンサルティングなどの提案にも転用しやすい。特に法人営業へ移る場合は、知人営業から離れやすく、企業の課題解決に向き合える点もメリットになる。

一方で、業界知識やITリテラシー、商談管理ツールの使い方などは新たに学ぶ必要がある。未経験転職では、保険営業の実績を「課題解決力」「提案力」「行動量」として言語化することが重要だ。

マーケティング職・営業企画

「営業ノルマから離れたい」「顧客理解を活かして企画側に回りたい」という場合は、マーケティング職や営業企画も選択肢に入る。

保険営業では、顧客のライフステージ、家族構成、不安、資産状況をもとに提案を組み立てる。この顧客理解は、マーケティングや営業企画でも活かしやすい。

ただし、マーケティング職は未経験採用の枠が限られる場合がある。Web広告、SEO、CRM、データ分析、Excel・スプレッドシート、MAツールなどの基礎知識を学び、営業経験と組み合わせてアピールすることが大切だ。

保険会社からIFAへの転職も視野に入れよう

保険会社からの転職先として、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)も有力な選択肢になる。

IFAは、金融商品仲介業者の登録外務員として、顧客に金融商品の提案・仲介を行う仕事だ。保険営業で培ったライフプランニング力や信頼構築力を活かしながら、投資信託、債券、株式、保険など、より幅広い資産形成の相談に関われる可能性がある。

ここでは、保険会社からIFAに転職するメリットや、事前に確認したい資格・働き方について解説する。

IFAに転職するメリットとは?

保険会社からIFAに転職するメリットとして、主に以下の3点が挙げられる。

  • 保険営業で培ったスキルを活かしやすい
  • 保険だけでなく資産運用まで提案の幅を広げられる
  • 正社員型・業務委託型など働き方を選べる場合がある

IFAの仕事では、顧客の資産状況、家族構成、将来の支出、相続、退職金、老後資金などを聞き取り、金融商品を含めた提案を行う。保険営業で顧客のライフプランに向き合ってきた経験は、IFA業務にも活かしやすい。

また、保険会社では自社商品を中心に提案することが多いが、IFAは所属するIFA法人や提携証券会社の範囲内で、より幅広い金融商品を扱える。保険だけでは解決しきれない資産形成・資産管理の相談に対応したい人に向いている。

一方で、IFAに「ノルマがまったくない」と考えるのは早計だ。会社や契約形態によっては、収益目標や活動量の目安がある場合もある。商品ノルマの有無、顧客提供の有無、報酬体系、コンプライアンス体制は、応募前に必ず確認しておこう。

IFAには、IFA法人に正社員として雇用される形態と、IFA法人と業務委託契約を結ぶ形態がある。安定した給与を重視するなら正社員型、裁量や成果報酬を重視するなら業務委託型が候補になるが、収入の安定性や集客負担は大きく異なる。

IFAになるために必要な資格

IFAとして有価証券の提案・仲介を行うには、証券外務員資格に合格し、所属先を通じて外務員登録を受ける必要がある。

二種外務員資格では現物株式などの職務を行えるが、信用取引やデリバティブ取引などリスクの高い商品は扱えない。一種外務員資格は二種の上級資格で、信用取引やデリバティブ取引を含めた有価証券に係る外務員の職務を行える。

そのため、制度上は「証券外務員一種だけがIFAの絶対条件」とまではいえないものの、実務上は一種外務員資格を求めるIFA法人も多い。幅広い商品提案を目指すなら、一種外務員資格の取得を前提に考えるとよい。

また、IFA法人で生命保険も扱う場合は、生命保険募集人としての登録が必要だ。変額保険や外貨建保険を販売するには、別途、変額保険販売資格試験や外貨建保険販売資格試験の合格・登録が必要になる。

保険会社出身者であっても、転職先でそのまま保険募集ができるとは限らない。保険資格の登録状況や、IFA法人側の保険代理店登録の有無は事前に確認しておきたい。

「IFA転職」に相談しよう

IFAへの転職を検討しているのであれば、弊社アドバイザーナビ株式会社が運営する「IFA転職」への相談も選択肢になる。

IFA業界は、法人ごとに雇用形態、報酬体系、提携証券会社、顧客層、集客方法、保険・不動産・相続分野の取り扱いが大きく異なる。公開求人だけでは比較しにくい部分も多い。

「IFA転職」では、IFA業界や雇用形態についての説明、スキル・経験に合った求人の紹介、転職後の働き方に関する相談などを受けられる。

保険会社からIFAを目指す場合は、現在の顧客基盤、証券外務員資格の取得状況、保険募集人資格の扱い、希望する報酬体系を整理したうえで相談すると、より具体的な選択肢を比較しやすい。

実際にIFAに転職した137名にアンケートを取り、IFAになるために重視したポイントや転職後の満足度をヒアリングしたデータを以下の記事で公開している。IFAになるために必要な資格についても解説しているので併せて参考にしてほしい。

保険会社からの転職で評価されるスキル・経験

「保険営業の経験は他業界で活かしにくい」と考える人もいるかもしれない。しかし、保険営業で身につくスキルは、分解して伝えれば他業界でも評価されやすい。

評価される経験・スキル
  1. 経営層・富裕層へのアプローチ力とマナー
  2. 無形商材を信頼で売るコミュニケーション能力と信頼構築力
  3. FP資格や保険知識をベースとした家計・財務の知識
  4. ライフプランニング能力と長期的な顧客支援の経験
  5. 高い達成意欲と数字に対するコミットメント能力

客観的な市場価値を知り、自信を持って次のステップへ進むために、保険会社からの転職で評価されるスキル・経験を5つ解説する。

経営層・富裕層へのアプローチ力とマナー

保険営業で経営者や富裕層に提案してきた経験は、他業界の法人営業、M&A、不動産、プライベートバンク、IFAなどでも評価されやすい。

経営者や富裕層は、保険だけでなく、相続、事業承継、節税、資産運用、不動産など複数の悩みを抱えていることが多い。こうした顧客に対して、適切な距離感とマナーを保ちながら信頼を得る力は、短期間では身につきにくい。

以下の職種では、この「対面での信頼獲得力」が強みになりやすい。

  • M&A仲介:経営者との信頼関係が重要
  • 不動産投資営業:高額商品を扱うため丁寧な説明力が必要
  • IFA・プライベートバンク:富裕層の資産管理パートナーとしての素養が求められる

無形商材を信頼で売るコミュニケーション能力と信頼構築力

保険は、目に見える商品ではなく、将来のリスクや安心を提案する無形商材だ。そのため、顧客の状況を聞き取り、必要性を伝え、信頼を得る力が欠かせない。

厚生労働省の令和6年度能力開発基本調査では、企業が管理職を除く正社員に求める能力・スキルとして「コミュニケーション能力・説得力」も重要項目に含まれている。保険営業で培った対話力は、業界を変えても評価されやすい。

顧客の潜在的な不安を言語化し、解決策を提示するプロセスは、コンサルティング営業にも近い。この能力は、ITソリューション、広告、人材サービス、コンサルティングなどの提案営業にも転用しやすい。

FP資格や保険知識をベースとした家計・財務の専門知識

FP(ファイナンシャル・プランナー)資格や保険知識は、転職時に専門性を示す材料になる。

日本FP協会のデータでは、2026年5月1日時点でCFP®認定者は28,212名、AFP認定者は152,704名となっている。FP資格は、保険、税金、相続、年金、資産運用、不動産などを横断的に学ぶ資格として認知されている。

保険営業で身につけた知識は、単なる商品販売ではなく、家計やライフプランを整理する力として伝えることが重要だ。

  • 税金知識:所得税、相続税、贈与税の基本
  • 社会保障:公的年金、健康保険、遺族年金の基本
  • 資産形成:NISA、iDeCo、投資信託などの基礎知識

ライフプランニング能力と長期的な顧客支援の経験

顧客の人生を長期で見通すライフプランニング能力は、金融コンサルタントやIFAに近い仕事でも活かしやすい。

教育資金、住宅ローン、老後資金、相続、医療・介護の不安などを整理し、必要な保障や資産形成を考える経験は、顧客の生活に密着した提案力として評価される。

特に、キャッシュフロー表の作成、必要保障額の計算、家計改善の提案、ライフイベントに応じた見直し提案ができる人は、金融業界内外で強みを打ち出しやすい。

高い達成意欲と数字に対するコミットメント能力

保険営業では、目標達成に向けて行動量を管理し、面談数、紹介数、契約数などを追いかける必要がある。

この経験は、営業職や事業開発職で評価されやすい。数字に向き合い、目標から逆算して行動できる人材は、業界を問わず必要とされるためだ。

転職活動では、「頑張りました」ではなく、面談件数、契約件数、目標達成率、表彰歴、紹介獲得数などを数字で伝えると説得力が高まる。

保険会社からの転職を成功させるポイント

転職を成功させるためのポイント
  • 働き方や評価制度の優先順位を明確にする
  • 固定給と歩合給の比率をシミュレーションしておく
  • 転職理由を言語化し「不満」を「前向きな希望」に変換する
  • 業界に詳しい転職エージェントを含めて複数の情報源を活用する

単に会社を辞めるだけでは、理想のキャリアは手に入らない。保険業界特有の給与体系や営業慣習を理解したうえで、次の職場を選ぶ必要がある。

後悔しない転職を実現するためのポイントを整理した。

働き方や評価制度の優先順位を明確にする

転職を成功させる第一歩は、自分が何を優先したいのかを明確にすることだ。

「年収の高さ」と「ワークライフバランス」のどちらを優先するかで、選ぶべき業界や職種は大きく変わる。成果報酬を重視するなら営業職やIFA、安定性を重視するなら内勤や管理部門、働きやすさを重視するなら営業企画やマーケティングも候補になる。

以下の表を参考に、自分の希望を整理してほしい。

優先事項主な転職先候補
高年収・成果主義外資系保険、M&A仲介、IFA、不動産営業
安定性・固定給銀行、信託銀行、保険会社の内勤、事業会社の管理部門
働きやすさ・休日営業企画、マーケティング、既存顧客対応、カスタマーサクセス
顧客本位の提案IFA、金融コンサルティング、FP相談、富裕層向けサービス

固定給と歩合給の比率をシミュレーションしておく

提示された想定年収だけでなく、基本給、歩合給、賞与、手当の内訳を確認することが重要だ。

保険業界ではインセンティブの比率が高い働き方もある。一方、転職先によっては固定給が中心となり、年収の上振れは小さくなる代わりに収入が安定する場合もある。

転職初年度は、業界知識の習得や顧客基盤の作り直しにより、一時的に年収が下がる可能性もある。最低限必要な月額給与、生活費、貯蓄、家族構成をもとに、無理のない転職先を選びたい。

  • 基本給だけで生活費をまかなえるか
  • 歩合給・インセンティブの計算方法は明確か
  • 賞与の支給実績や評価基準は確認できるか
  • 交通費、営業経費、資格費用は会社負担か
  • 入社後すぐに成果を求められるのか、育成期間があるのか

転職理由を言語化し「不満」を「前向きな希望」に変換する

現職への不満をそのまま面接で伝えると、ネガティブな印象を持たれることがある。大切なのは、不満を次の職場で実現したい希望に変換することだ。

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そのまま伝えると弱い理由面接で伝えやすい表現例
ノルマが厳しい短期的な契約獲得だけでなく、顧客と長期的に向き合える提案に挑戦したい
収入が不安定成果を出す力を活かしつつ、より安定した環境で専門性を高めたい
休日対応が多い継続的に成果を出すために、働き方を整えながら長く活躍できる環境を選びたい
知人営業がつらい法人や明確な課題を持つ顧客に対し、課題解決型の営業を行いたい

面接官は、退職理由だけでなく「入社後に活躍できるか」を見ている。転職理由、志望動機、活かせる経験が一貫するように整理しよう。

業界に詳しい転職エージェントを含めて複数の情報源を活用する

保険会社から転職する際は、求人サイト、企業の採用ページ、知人からの情報、転職エージェントなど、複数の情報源を活用したい。

特に金融業界やIFAなど専門性の高い職種を目指す場合、報酬体系、商品ラインナップ、顧客層、コンプライアンス体制、離職理由など、求人票だけでは分かりにくい情報が多い。

転職エージェントを利用すれば、職務経歴書の添削、面接対策、非公開求人の紹介、年収条件の確認などのサポートを受けられる場合がある。ただし、1社の提案だけで決めず、複数の求人や情報を比較して判断することが大切だ。

保険会社からの転職事情を年代別で解説

保険会社からの転職では、年代によって市場から見られるポイントが変わる。

年代別の転職事情
  • 20代:ポテンシャル重視で異業種への挑戦もしやすい
  • 30代:即戦力としての実績と専門性が問われやすい
  • 40代:顧客基盤・専門性・マネジメント経験が重要
  • 50代:経験を活かした専門職・顧問型・IFA型のキャリアを検討しやすい

自身の年齢に合わせた、現実的なキャリアロードマップを確認しよう。

20代:ポテンシャル重視で異業種への挑戦もしやすい

20代は、これまでの実績だけでなく、ポテンシャルや学習意欲を評価されやすい年代だ。金融以外のIT、広告、人材、メーカー、コンサルティングなど、異業種へのキャリアチェンジも比較的検討しやすい。

リクルートの調査では、転職支援サービス「リクルートエージェント」における未経験求人が、2018年度比で2022年度に3.2倍になったと公表されている。特定サービス内の求人分析ではあるものの、未経験人材を採用・育成する動きが広がっていることは参考になる。

20代で転職する場合は、保険営業で得た対人スキルや行動量に加え、新しい業界知識を吸収する姿勢を示すことが大切だ。

30代:即戦力としての実績と専門性が問われやすい

30代は、保険営業で培った実務スキルや営業実績を、次の職場でどう再現できるかが見られやすい。

営業成績、表彰歴、担当顧客層、法人・富裕層への提案経験、後輩育成経験などを具体的に整理しておこう。単に「営業ができます」ではなく、「どのような顧客に、どのような課題解決を行い、どのような成果を出したか」を説明する必要がある。

金融業界内でのステップアップやIFAへの転身は、保険営業の経験を活かしやすい。一方で、異業種へ転職する場合は、業界未経験でも通用するスキルと、入社後に学ぶべき知識を明確にしておきたい。

40代:顧客基盤・専門性・マネジメント経験が重要

40代の転職では、営業力だけでなく、専門性、顧客基盤、マネジメント経験、組織への貢献度が重視されやすい。

富裕層、法人オーナー、医師、士業、経営者など特定の顧客層に強みがある場合は、IFA、M&A、不動産、相続・事業承継分野で評価される可能性がある。

ただし、40代以降の未経験転職では、年収や役職が下がることもある。自分の人脈や専門性をどの環境で最大化できるか、現実的な条件面も含めて判断したい。

50代:経験を活かした専門職・顧問型・IFA型のキャリアを検討しやすい

50代は、長年の保険営業で培った知見や顧客対応力を活かし、専門職、顧問型、IFA型のキャリアを検討しやすい年代だ。

年収アップだけでなく、顧客に長く寄り添いたい、定年後も働き続けたい、後進を育てたいといった価値観を重視する人もいるだろう。

IFA、保険代理店の教育担当、金融機関の相談員、事業会社の福利厚生・保険関連部門など、これまでの経験を活かせる場は複数ある。健康面、働く時間、収入の安定性も含めて、無理のないキャリアを設計したい。

まとめ

保険会社からの転職は、自分の市場価値を再定義する機会になる。同業他社、金融機関、IFA、無形商材営業、マーケティング職など、保険会社からの転職先候補は複数ある。

保険営業で培った信頼構築力、ヒアリング力、ライフプランニング能力、数字への責任感は、正しく伝えれば他業界でも評価される。大切なのは、「保険会社を辞めたい」という不満だけで動くのではなく、次の職場で何を実現したいのかを明確にすることだ。

まずは、現在の不満、希望する働き方、必要な年収、活かしたいスキル、取得すべき資格を整理しよう。より顧客に寄り添った資産形成支援を目指すなら、IFAという選択肢も有力だ。

情報収集を進めながら、複数の転職先を比較し、納得のいくキャリアを選んでほしい。

保険会社からの転職でよくある質問【FAQ】

保険会社から転職する前に、多くの人が抱きやすい不安や疑問を整理した。転職活動を始める前の判断材料として確認してほしい。

転職したら年収は大幅に下がる?

転職先と契約形態による。固定給主体の企業へ転職すると、歩合給が減る分、短期的には年収が下がることがある。一方で、基本給、賞与、福利厚生、休日、残業時間まで含めて考えると、生活の安定性が高まる場合もある。

年収を比較する際は、想定年収だけでなく、基本給、賞与実績、歩合給の上限、営業経費、交通費、資格手当、退職金制度まで確認しよう。

ノルマがない、または緩い業界はどこ?

営業職である以上、何らかの目標やKPIが設定されることは多い。完全に目標がない業界を探すより、目標の種類や評価方法が自分に合うかを確認する方が現実的だ。

販売目標の負担を減らしたい場合は、保険会社や金融機関の内勤、審査部門、営業企画、マーケティング、既存顧客対応、カスタマーサクセスなどが候補になる。

反響営業やBtoBのルート営業も、知人営業や新規開拓の負担を抑えやすい場合がある。

未経験からITやマーケティング業界へ転職できる?

20代から30代前半であれば、未経験からIT営業やマーケティング関連職へ転職できる可能性はある。

保険営業の「顧客課題を聞く力」「提案を組み立てる力」は、IT営業やマーケティングにも通じる。

ただし、マーケティング職は実務経験を求められる求人も多い。未経験で目指す場合は、Web広告、SEO、CRM、データ分析などの基礎を学び、営業経験と組み合わせてアピールすることが大切だ。

IFAになるには特別な資格や実務経験が必須?

IFAとして有価証券を扱うには、証券外務員資格に合格し、外務員登録を受ける必要がある。

保険の資格だけでは、投資信託や株式、債券などの金融商品を仲介することはできない。

二種外務員資格でも扱える商品はあるが、幅広い商品提案を行うには一種外務員資格を求めるIFA法人が多い。生命保険も扱う場合は、生命保険募集人登録も必要になる。

実務経験については、証券会社・銀行・保険代理店など金融機関での経験が評価されやすい。保険営業の経験がある人は、ライフプランニングや顧客対応の面で強みを出しやすいだろう。

「身内への営業」から解放される職種は?

法人向けのBtoB営業、反響営業、既存顧客対応、カスタマーサクセスなどは、親戚や友人への営業から離れやすい。

ターゲットが企業や問い合わせ顧客になるため、公私を分けた働き方をしやすい。求人を見る際は、新規開拓の方法、紹介営業の比率、個人リストの提出有無などを確認しておこう。

退職を伝えるタイミングや引き止めへの対処法は?

まずは就業規則を確認し、内定後に余裕を持って退職意思を伝えるのが基本だ。実務上は1〜2ヶ月前に伝えるケースが多いが、担当顧客や引き継ぎの状況によって必要な期間は変わる。

引き止めに対しては、現職への感謝を伝えつつ、次の環境で挑戦したいことを明確に説明しよう。感情的にならず、退職日、引き継ぎ、顧客対応を整理して進めることが円満退社につながる。

出典

厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」(公開日:2025年8月26日)
厚生労働省 職業情報提供サイト job tag「保険営業(生命保険、損害保険)」
生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」
生命保険協会「生命保険の動向」
厚生労働省「令和6年度『能力開発基本調査』の結果を公表します」(公開日:2025年6月27日)
株式会社リクルート「未経験求人が2018年度比で3.2倍に増加。2022年度で急増 新たな業界・職種へチャレンジできる機会が増加」(公開日:2024年1月29日)
日本FP協会「CFP®認定者・AFP認定者数データ」
厚生労働省 職業情報提供サイト job tag「独立系ファイナンシャル・アドバイザー(IFA)」
日本証券業協会「外務員」
日本証券業協会「外務員資格試験」
生命保険協会「業界共通試験」
生命保険協会「業界共通教育課程」

この記事を書いた人

証券会社出身者のための専門エージェント「証券転職」を運営。 創業以来、100名以上の証券マンの転職を支援。SaaS、コンサル、M&A仲介などの「異業種」から、IFAやアセマネなどの「金融専門職」まで、証券経験を活かせるキャリアを幅広く提案。IFAコミュニティ「Club IFA」の運営も手掛け、金融・非金融双方のリアルな市場動向に精通している。

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