「40代になってしまったが、転職できるだろうか?」
「40代の税理士の転職は遅すぎるだろうか?」
と心配な税理士の方。転職はキャリアアップのための強い「切り札」。転職というカードがきれるか切れないかは気になるところだ。安心して欲しい。
40代の税理士は20代税理士と比べて転職市場で不利になることはない。税理士には今までの経験が求められている傾向が見られる。
本記事では、転職サイトで公開されている求人案件データを紹介する。40代税理士が安心できる結果が導き出されている。加えて、面接時に40代税理士がアピールするポイントと副業によるキャリアアップの選択肢を紹介する。
積極的に自らのキャリアを構築する40代税理士の方にお役に立つはずだ。
税理士は40代でも転職可能
「40代活躍中」の求人案件数は、「20代活躍中」を上回る
会計分野の大手転職サイト「ジャスネットキャリア」で「活躍する年代」別の案件数を調査した。結果は下の表のとおり。「40代活躍中」の案件数は僅かに「30代活躍中」には及ばないものの、「20代活躍中」の案件数を大きく上回っている。
「活躍する年代」別求人案件数(公開案件)
20代活躍中 | 30代活躍中 | 40代活躍中 | 50代活躍中 | 60代活躍中 |
---|---|---|---|---|
215件 | 296件 | 294件 | 182件 | 35件 |
- 対象はエージェント求人および直接応募求人。活かせる資格が「税理士」で「派遣」「紹介予定派遣」の件数を集計
この表からは50代でも相応の件数があることがわかる。比較的高いポジションが多い非公開案件の存在を勘案すると、40代、50代もかなりの求人ニーズがあるのが税理士業界だといえよう。税理士は40代でも転職可能だ。
40代の「税理士の転職成功事例」数は、20代を上回る
次に、同じくジャスネットキャリアで「転職成功事例」に掲載されているエピソード数を集計した。結果は下の表だ。「紹介されている事例の数 ≠ 転職成功数」ではないので、確信的な結論ではないものの、20代と比較して40代の方が転職成功数も多いようだ。
年代別「税理士の転職成功事例」掲載数
20代 | 30代 | 40代以上 |
---|---|---|
3件 | 17件 | 10件 |
余談ではあるが、上の表からは転職のピークは30代であることも推察される。家族構成の変化に伴う転職や、業務の幅を広げたり、高めたりするための転職などが交錯するのが30代なのかもしれない。
40代税理士の転職成功3つのポイント
年齢を理由に、40代税理士が悲観的になる必要はない。しかし当然ながら、誰しもが理想的な転職に成功する訳ではない。40代の税理士がイメージどおりの転職を獲得するポイントは次の3点だ。
今までの経験をアピールしよう
40代税理士の転職最大のポイントは「今までの業務経験」である。クライアントとの対応力、携わってきた税務処理の数々などの経験は20、30代との差がつく重要なポイントだ。
マネジメント経験やリーダー経験もあれば尚よい。しかし組織の体制上、マネジメント経験などが積めていないケースもあるだろう。そのような場合は、チームや、事務所に影響を与えた業務改善事例などを付け加えるようにしよう。
自分だけに留まることなく一緒に働くメンバーを巻き込んだ効率化や改善をアピールしよう。
譲れる条件と譲れない条件を明確にしよう
今回の転職では「何を求めているのか = 軸」をしっかり定めよう。「条件に優先順位をつけよう」ということだ。
- 年収水準は譲れない。そのためには残業も受け入れる。
- 定時退社ができるのであれば、多少遠距離でもOK。
- コンサル的業務も手掛けられるのであれば、事務所の規模は問わない。
この様に譲れない軸や、優先順位をしっかりつけることは自己PRや志望動機にも繋がる。「なぜ譲れない条件になったのか」などをエピソードと絡めて説明できれば、今までの経験をアピールすることもできる。
転職エージェントを使おう
40代税理士向けの公開求人案件は多いとはいえ、筆者は転職エージェントを利用することをおすすめする。なぜなら、無料で使えるサービスにも関わらず、以下のような魅力的なサービスを受けられるからだ。
- 非公開求人案件を紹介してもらえる
- 社風や、求職の背景を教えてもらえる
- 提出書類の添削をしてくれる
- 面接対策につきあってくれる
- 入社日や年収の交渉をしてくれる
おすすめの転職エージェントなど、エージェントについて詳しく知りたい場合は、こちらの記事をご覧いただきたい。
40代税理士は、転職でなくても副業でもキャリアアップは可能
積極的なキャリア構築のために、転職は有効に活用したい。一方で、転職は生活に大きな変化をもたらす。一日の大半を過ごす職場が変わることは何かしらストレスを生じる。それに伴い生活リズムが大きく変わることもあるだろう。
そこで、転職に変わるキャリア構築の手段として一躍注目されているのが副業だ。
大手業務委託マッチングサイトのクラウドワークス社は、副業経験者は2,305万人(33..6%)に達することを報じている。「副業未経験だが副業意向あり」の回答も1,748万人(26.0%)とあることから、今後副業を始める人はさらに増加する可能性も高い。
- 参考:クラウドワークス「副業に関するアンケート調査」(2023年1月アクセス)
税理士が保険代理店を運営している例は多い。昨今税理士の新しい副業・兼業として浮上しているのがIFAだ。
IFAとは独立系金融アドバイザーのこと。お客様に対してキャッシュフロー表を作成したり、有価証券や保険などを提案し、お手伝いする仕事だ。お金の「かかりつけ医」といったニュアンスだ。IFAはIFA法人と業務委託契約を結んで働くケースも多い。ノルマや出社の義務がないことが大半なので、税理士業務との両立がしやすいのだ。
また、税理士法人がIFA法人を設立するケースもある。WTパートナーズは、税理士が代表を務めるIFA法人だ。代表取締役 羽田リラ氏は、女性税理士の集団 株式会社ウーマン・タックスの代表でもある。証券、保険、不動産などの相談に対して税金対策の視点も踏まえてアドバイスできるのが強みだ。高度な資産運用や税金対策を必要としている富裕層のニーズに応える。
弊社アドバイザーナビは、IFAに特化した転職エージェント「IFA転職」を展開してる。IFAに少しでも興味がある方は、下の「無料キャリア相談お申込みフォーム」にご指名とメールアドレスを入力・送信していただきたい。