「キャリアアップの転職はどのタイミングがよいのだろう」
「40代になると転職先が少なくなってしまうのだろうか」
とお考えの公認会計士の方。
公認会計士は転職でキャリアメイクするのが一般的だ。転職先も多彩であることから「転職市場最強」との呼び声も高い。とはいえ、年代によって求められるものは異なってくるだろう。
そこで、今回は30代と40代での転職先の違い、転職テーマの違いについて説明する。長期的なキャリア形成の参考にしていただけたらありがたい。
公認会計士の転職先・転職事情
30代公認会計士の転職先
30代公認会計士の主な転職先は、選択肢が豊富だ。ここでは、転職のテーマ別に3っの転職先を紹介する。
高いポジションを獲得したい ~ 大手から中堅監査法人へ ~
大手と比較して中堅監査法人は1チームあたりメンバーが少ない。
だからインチャージ(主査)になる確率も高い。現在、大手監査法人に所属し、一通りの監査業務は担当してきている方で、なかなかインチャージになる機会を得れられない場合は中堅監査法人を有力な転職先とした転職を有力候補とした転職をおすすめする。
業務の幅を広げたい ~ 監査法人から会計事務所・税理士事務所へ ~
税務に関する分野に進みたい方、アドバイザースキルを活かしたい方は会計事務所や税理士法人を転職先とした活動を進めるべきだろう。将来は自分の事務所を構えたい人も会計事務所や税理士事務所への勤務経験は有効になるだろう。
グローバル分野に挑戦したい ~ 大手監査法人・事業会社へ ~
世界を見据えた仕事にチャレンジしたい場合は大手監査法人や事業会社を転職先として活動をすべきだろう。大手監査法人のクライアントは海外拠点を持って入っていることが多い。
また近時は製造業を中心に生産拠点を持つ会社も多い。グローバルな仕事を希望する場合は大手監査法人や、事業会社を転職先に据えて活動してみよう。
30代は最も転職がしやすい
年代によって転職のボリュームはどの位、違うものなのだろうか?
大手会計分野転職サイト「ジャスネットキャリア」の転職成功事例掲載数を表にまとめた。
年代別 公認会計士の転職成功事例掲載数
20代 | 19例 |
30代 | 49例 |
40代以上 | 12例 |
20代、40代と比較して、30代の成功事例数は圧倒的に多い。もちろんこれらは、成功事例として「掲載されている数」であって、実際の転職成功件数ではない。とはいえども30代の転職が最も熱いことは容易に推察できる。
30代の会計士へのニーズが高い背景には以下2つが考えられる。
- 監査法人などでの社会人経験があるから
- 定年までの時間が十分にあるから
つまり企業側の認識は「一通りの監査業務をマスタ―し、定年まで長い期間が見込める」のが30代公認会計士なのだ。
一方、求職者側にも転職ニーズがある。背景には家庭との両立など環境の変化が起こりやすい時期であるからだ。それぞれのライフステージに応じた転職先を求めるニーズが求職者にはある。
30代公認会計士の転職先について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧いただきたい。
40代公認会計士の転職先は責任や経験を重視するポジション
40代公認会計士の転職先には、監査法人のほか株式公開直前の財務部長や、次期経理部長候補、ベンチャー企業CFOなどがある。また海外進出を控えた企業が海外ビジネスの経験者を求めるケースなどもある。
いずれにせよ今までの経験を評価される(再現性を求められる)案件が増える。語学力があればより強い武器になるし、マネジメントの経験も高く評価される。
転職は1回ではない、キャリアパスを柔軟に考えよう
30代で職種変更、40代でより高いポジションを転職で獲得
転職を考える上で大きなポイントとなるのが、長期的な視点だ。長期的にどのようなキャリアパスを望むのかを意識しよう。
例えば、監査の経験があり他の業務にも興味がある20代の会計士は、30代で別業界にチャレンジしてみてはいかがだろうか。なぜなら採用担当者は、相応の時間、監査業務を担当していることを評価する可能性が高い。
一定の業務経験があり、難関資格ホルダーが持つポテンシャル、定年までの時間も長い・・。よい条件の求職者だからこそ、職種変更を伴う転職も決まりやすい。
30代での経験を活かし、40代では高いポジションを狙う転職が視野に入る。重い責任と交渉力ほか様々なスキルを発揮する職務を目指すイメージだ。
例えば、スタートアップの財務的な成功を担うベンチャーCFO。その会社の「財務的な肝」といえるだろう。リーダーシップを発揮し、長期的な視点でのビジネス展開を描くことが求められる。また、多額の資金を調達する必要がある。投資家や金融機関へのプレゼンや質問への対応力、高い交渉能力などが必要になるだろう。
上記は一例ですが、こういった「30代で職種変更、40代でポジションをとる」という意味がおわかりいただけただろうか?
ライフステージを考慮して非常勤という働き方も
例えば監査法人では、非常勤勤務を募集していることが多い。非常勤ながら専門性の高い仕事に就けることも公認会計士の魅力だ。
非常勤勤務で働く最大のメリットは、仕事人生を中断させないことだ。時には、プライベートを優先したい時期もあるだろう。また、独立した当初で、自分のビジネスが軌道にのるまでの「つなぎ」として非常勤勤務を活用できる。
業種やポジションではなく雇用形態で転職先を選ぶやり方もある。
公認会計士の転職先選びには転職エージェントを使おう
公認会計士は、転職市場最強と言われる。しかし転職先を決定する際には転職エージェントを利用することをおすすめする。
公認会計士が転職エージェントを利用する最大のメリットは、一般公開や転職サイトには掲載されていないような求人情報にアクセスできる点だ。40代の公認会計士がメインターゲットとなる求人案件、つまり相応のポジションが用意されている案件は転職エージェントが一手に引き受けていると言っても過言ではないだろう。
メリットは案件紹介だけではない。例えば職種変更を希望する場合は、その職種に対する情報を教えて貰える。また業界の特徴などについても説明してくれるだろう。
自分と所属する業界と異なる業界の情報は入手できないことが多い。そこを補ってくれるのが転職エージェントだ。「こんなはずじゃ無かった」とならぬよう、ターゲットとなる企業・業界の情報は可能な限りたくさんアドバイザーに聞いてみることをお勧めしたい。
最後に紹介するメリットは、入社日や給与交渉に関する交渉もエージェントが企業側としてくれる。忙しい公認会計士がこうしたことを全て自分でやるのは大変であり、効率的でない。だからこそエージェントの利用をお奨めする。
なお、当社アドバイザーナビはIFAに特化した転職サービス「IFA転職」を展開している。独立系アドバイザーと呼ばれる、IFAに少しでも関心がある方は、下のフォームをご利用いただきたい。