「30歳になってしまったけれど、税理士を目指したい。転職できるだろうか?」
「税理士事務所は、未経験の30代でも雇ってくれるだろうか?」
と悩んでいる方。
職業人人生はまだまだ長い。だから、未経験の今ではなく、資格試験に合格してから転職すればいい。しかし、転職を考えると30代はリミットのように感じてしまう・・・。未経験で税理士を目指す人のジレンマだ。
結論からいうと、未経験で税理士転職を目指すのであれば30代までがベストだ。とはいえ、未経験分野への転職には不安がつきもの。なかなか最初の一歩が踏み出せないことも多い。
そこでこの記事では、30代までがベストと言える理由と、転職エージェントを利用して成功確率をあげる方法を紹介する。不安を払拭して、転職活動に飛び込む一助にしていただきたい。
税理士×未経験歓迎の求人案件数は40代で激減 30代までの転職がメインストリーム
大手転職サイトリクナビネクストにて、「税理士 〇代」で求人案件を絞り、さらに「未経験歓迎」フラグで案件の絞り込みを行った。各年代ごとの案件数は以下のとおりだ。
「税理士 〇代」×「未経験歓迎」で抽出された案件件数
20代 | 30代 | 40代 | 50代 |
128件 | 150件 | 83件 | 37件 |
40代は、30代の150件から83件と激減していることがわかる。さらに、40~50代の求人件数は合計120件。2つの年代を合計しても20代の128件に及んでいない。
この表からは、未経験で税理士転職を目指すなら30代までがベスト。可能であれば20代に近い「30代前半までの方が尚良い」ということがわかる。
未経験で税理士を目指すなら30代まで転職しておくことをすすめる理由
30代で経験を積むことで、40代でも転職可能になるから
リクナビネクストで「税理士 〇代」の案件数を調査した。同様に、会計分野専門の大手転職サイト「ジャスネットキャリア」でも調査した。ジャスネットキャリアでは「〇代活躍中」のフラグを立てて抽出。両社の結果は下のとおりになった。
「税理士 〇代」および「活躍する年代」別求人案件数(公開案件)
20代 20代活躍中 | 30代 30代活躍中 | 40代 40代活躍中 | 50代 50代活躍中 | |
---|---|---|---|---|
リクナビネクスト | 354件 | 419件 | 337件 | 226件 |
ジャスネットキャリア | 215件 | 296件 | 294件 | 182件 |
合計 | 569件 | 715件 | 631件 | 408件 |
- ジャスネットキャリアでの検索対象はエージェント求人および直接応募求人。活かせる資格が「税理士」で「派遣」「紹介予定派遣」の件数を集計
40代でも転職案件が多いことがわかる。特に、会計分野専門のジャスネットキャリアにおいては30代活躍中と40代活躍中はほぼ同数(差異2件)であることに注目したい。さらに「20代活躍中」の案件数より多いことにも注目だ。
上記表は公開案件での調査結果だ。よりポジションの高い非公開案件の存在を勘案すると30代より40代の方が税理士においては求人件数が多いと思われる。つまり30代で経験を積むことで、税理士は40代でも転職が可能になるのだ。
転職市場には、40代「経験あり×有資格者」が大量流入するから
未経験者が30代のうちに税理士事務所への転職をおすすめする理由は、案件数だけではない。40代になると転職市場には「経験あり」かつ「有資格者」が流れ込んでくることが想定されるからだ。
下の表は、過去5年の年齢別税理士資格試験の合格者数だ。41歳以上の合格者は23.68%と相応に多い。
年齢別税理士試験合格者数
令和4年度 | 令和3年度 | 令和2年度 | 令和元年度 | 平成30年度 | 5年間合計 | 比率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
41歳以上 | 1,239人 | 1,218人 | 1,334人 | 1,300人 | 1,129人 | 6,220人 | 23.68% |
36-40歳 | 855人 | 795人 | 832人 | 809人 | 754人 | 4,045人 | 15.40% |
31-35歳 | 1,015人 | 959人 | 1,002人 | 1,057人 | 962人 | 4,995人 | 19.01% |
26-30歳 | 993人 | 895人 | 977人 | 1,010人 | 885人 | 4,760人 | 18.12% |
25歳以下 | 1,524人 | 1,272人 | 1,257人 | 1,212人 | 986人 | 6,251人 | 23.79% |
合計 | 5,626人 | 5,139人 | 5,402人 | 5,388人 | 4,716人 | 26,271人 | 100.00% |
40代の税理士転職市場は、試験合格者が追加で投入される。案件も「経験あり×税理士資格保有者」を対象としたものが大半だろう。
だから未経験者は早めに業務経験を積んだ方がよい。まだ5科目合格していない場合は働きながら勉強をするべきだ。働きながらの勉強は大変だが、多くの税理士がそのルートを通っている。頑張りどころと割り切って取り組んでほしい。
30代未経験で税理士転職を目指すなら、転職エージェントを利用しよう
未経験業種への挑戦は、情報取集と面接対策が肝になるだろう。そこで、30代未経験者で税理士転職を目指す方には転職エージェントの利用をおすすめする。主な理由は以下3点だ。
教育体制や育成姿勢を持っている事務所がわかるから
10名以下の少数精鋭で運営している税理士事務所も多い。また、資格保有者は所長のみであるケースも多い。このような事務所の場合「将来の後継者候補」として迎えられる可能性がある。
一方で人手不足により教育体制が整っていないことも想定される。このような事務所個別の情報を求職者が入手するのは難しい。事務所の人員体制や教育・育成への考え方などは転職エージェントをとおして入手する方が効率的だ。既に把握しているケースもあるだろう。
未経験分野だからこそ転職エージェントを利用しよう。
提出書類添削や・面接対策をしてくれるから
未経験であるからこそ、業界で通用する実績を提示することが難しい。前職での実績、例えば「新規開拓月間〇件」と言われたところで、業界が異なればその難易度が判断できないからだ。
税理士事務所の心に刺さる実務経験は何なのか?未経験なのに挑戦した理由をどのように説明したらよいのか?などについて綿密に作戦を練る必要がある。前職の経験をいかに説明をして志望動機に繋げるのか。転職の専門家であるエージェントと一緒に作戦を立てることをおすすめする。
入社時期、年収の交渉を依頼できるから
多少年収を下げてもまずは経験値を上げたい。先方が求める条件とは少し異なるが、どうしても転職したい。このようなことも発生するだろう。こうした駆け引きも転職エージェントに依頼したい。
自身のエネルギーは業務遂行のために温存し、外注できることは外注しよう。エージェント利用には費用もかからない。未経験でも効率的に転職活動をすすめるよう取り組んでいこう。
転職エージェント「IFA転職」の紹介
弊社アドバイザーナビはIFAに特化した転職エージェントサービスを展開している。IFAとは独立系金融アドバイザーのこと。お客様の資産運用のアドバイスをしたり、金融商品の売買をお手伝いする仕事だ。
税理士法人が別法人としてIFA法人を設立する事例もある。証券・不動産などの相談に、税金面の視点を加えたアドバイスができることが強みだ。WTパートナーズが、その事例だ。
資産運用アドバイスを通じた税務に興味がある方は、下の「無料キャリア相談お申込みフォーム」をご利用いただきたい。