転職活動において必ず聞かれるのが、「自己PR」である。自身の仕事におけるスタンス・モットーや、会社にどのように貢献できるかを伝えるのが自己PRだが、うまく作れず悩んでいる人も多いのではないだろうか。
本記事では、履歴書や職務経歴書への記載も必須である自己PRについて、高く評価される作り方とテンプレートを解説している。
自己PRの書き方に悩んでいる人はもちろん、転職活動がうまく進まない人もぜひ最後まで見てほしい。
面接官に高く評価される自己PRを考える方法4ステップ
そもそも、自己PRに似た言葉に、長所・強み・自己紹介がある。それぞれの違いを正しく理解しているだろうか。これらの違いは以下の通りだ。
自己PR | 企業に対して自己を採用するメリットを伝えるもので、「仕事へのこだわり」を押し出すもの。「その会社にどのように貢献できるか」まで伝える。 |
長所 | あなたの性格や価値観などの人柄を把握し、会社の雰囲気とマッチするか判断するもの。 |
強み | 仕事を進める上で大切にしていること(モットー)、周りより抜きん出ているといえる性格など。自己PRにつながるのは、長所ではなく強みである。 |
自己紹介 | 自分を1分程度で知ってもらうための説明。現職や前職の経験をかいつまんで紹介するにとどまる。 |
自己PRは、「自分を採用するメリット」を企業に伝えるものである。まずはその前提を理解しておこう。その上で、面接官から高評価を獲得する自己PRは、以下の4ステップで考えるのがおすすめだ。
- 実績や経験の洗い出し・棚卸し
- 応募企業で求められる能力をイメージしてアピールすべき経験を厳選
- 厳選した経験をスキルに言い換える
- 状況の説明・行動の意図・行動・その結果を端的にまとめる
実績や経験の洗い出し・棚卸し
まずは実績や経験の洗い出し・棚卸しからだ。新卒から時系列で部署の異動や転職歴を書き出し、印象に残っている出来事・仕事を洗い出そう。
過去の経験を洗い出すと共通点が見えてくるはずだし、応募先企業との関連性も浮き彫りになるはずだ。なお、個別の実績や経験は、以下の「STAR」で洗い出すと、自己PRの作成がしやすくなるから試してほしい。
- Situation(状況):自身の状況
- Task(課題):その状況を改善するための課題
- Action(行動):課題解決のために実践した行動
- Results(結果):行動の成果
STARで洗い出した経験を、次のステップで磨きをかけていこう。
応募企業に求められる能力をイメージしてアピールすべき経験を厳選
洗い出した実績や経験は、すべて自己PRとして使用しなくてよい。大事なのは、洗い出した実績から「企業が求めるスキル」をアピールできる実績に厳選することだ。
さまざまな実績をアピールしたところで、結局何が言いたいのか分からない自己PRになってしまう。これでは、企業からも「自身を客観視できていない」と評価されかねないから注意しよう。
企業の主力事業や求める人物像などをリサーチし、アピールするにふさわしい実績を絞り込むのが重要である。
「企業の求める人物像と自身のアピールポイントの交差点」を探すのが、二つ目のステップだ。
厳選した経験をスキルに言い換える
現時点では「実績や経験のエピソード」でしかないため、「仕事を進めるスキル」に言い換えよう。つまり、経験を言い換えたスキルが、自身を表す強みとなるのだ。
言い換える際のフレーズが思い浮かばない場合は、次の章で解説している33個のフレーズを参照してほしい。紹介したフレーズのどれかが、厳選した経験の言い換えにピタッと当てはまるはずだ。
経験・スキル・会社で貢献できることを端的にまとめる
最後に、厳選した実績・経験と、言い換えたスキルを組み合わせて、自己PRをまとめよう。
自己PRを考える際は、以下の3部構成でまとめるのをおすすめしたい。
- 結論(スキル・強み)
- 経験(エピソード)
- 会社で貢献できること
スキルは三つ目のステップで見つかっているし、経験は二つ目のステップで厳選している。会社で貢献できることは、企業が求める人物像に当てはめればよいだけだ。
これらをもとに、以下のテンプレートに当てはめれば、誰でも魅力的な自己PRが完成するだろう。
- 結論(スキル・強み)
- 【例】私の強みは〇〇です。
- 経験(エピソード)
- 【例】現(前)職では〇〇の業務において、〇〇に取り組む経験をしました。その際、〇〇が課題だと考え、自ら〇〇や〇〇を遂行していくなか、〇〇という困難に直面しましたが、〇〇や〇〇などの対応を図り、問題解決に取り組みました。
その結果、〇〇を実現し、周囲からは〇〇という評価をいただきました。
- 【例】現(前)職では〇〇の業務において、〇〇に取り組む経験をしました。その際、〇〇が課題だと考え、自ら〇〇や〇〇を遂行していくなか、〇〇という困難に直面しましたが、〇〇や〇〇などの対応を図り、問題解決に取り組みました。
- 会社で貢献できること
- 【例】この経験を活かし、御社に入社した際は〇〇領域で〇〇に役立つ力を発揮し、〇〇に貢献したいと考えております。
自己PRで用いたい便利なフレーズ33選
自己PRを考える際、実績や経験などのエピソードを言い表す便利なフレーズを、職種別で11個ずつまとめた。
現職・転職先に関わらず、自身の経験を表すフレーズの参考にしてほしい。
営業職
目標達成意欲/ヒアリング力/コミュニケーション能力/行動力/忍耐力/向上心/統率力/誠実さ/チャレンジ精神/プレゼンテーション力/交渉力
事務職
効率を追求する姿勢/正確性/協調性/責任感/気配り/調整力/PC操作スキル/適応力/主体性/やり抜く力/柔軟性
技術職
進行管理能力/スピード感/継続力/集中力/コスト意識/問題解決力/指導・育成力/課題発見力/正確性/分析力/探究心
魅力的な自己PRに共通する6つの特徴
最後に、魅力的な自己PRに共通する特徴を6点紹介する。
- 結論ファーストで分かりやすい
- 要点を押さえてシンプルにまとめる
- 数字を盛り込んで具体性を出す
- 自分のエピソードを取り入れる
- 企業が求める人物像・人材に合わせる
- 訴求ポイントは1つに絞る
自己PRの考え方やテンプレートでも紹介しているが、まずは結論を明確に伝えよう。面接という非常に短い時間で好印象を残すには、分かりやすさが重要である。
あれこれ語るのはむしろNGで、企業が求める人材にフィットすることを、シンプルに伝えることだけを考えよう。
エピソードは具体的なほど聞いてもらいやすくなるし、自己PRである以上、多少の見栄を張ってでも、堂々と強みを伝えることが大切だ。
型に当てはめれば誰でも魅力的な自己PRが出来上がる
「自分にはアピールできるような実績や経験はない」などと悲観的に考える必要はなく、本記事の考え方通りに実践すれば、誰でも魅力的な自己PRは完成する。
- 実績や経験の洗い出し・棚卸し
- 応募企業で求められる能力をイメージしてアピールすべき経験を厳選
- 厳選した経験をスキルに言い換える
- 状況の説明・行動の意図・行動・その結果を端的にまとめる
この4つの手順を踏み、あなたしか語れない具体的なエピソードにまとめよう。自己PRがどうしても思い浮かばない場合は、転職エージェントのアドバイザーに相談するのがおすすめだ。
転職活動のプロが、無料で転職対策や履歴書の添削などをしてくれる。本記事を参考に、自己PRを完成させよう。