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転職活動における「条件」の考え方~年収アップは唯一絶対の指針ではない

転職時には数多くの求人情報に当たることになる。人によってはあまりにも選択肢が多すぎて、逆に決めかねることもあるだろう。

そのようなときに役立つのが、「条件設定」である。

目次

転職活動における条件設定の重要性

転職活動を行う場合には、まずは「条件の設定」をしなければならない。世の中には多くの求人情報があふれているため、条件を設定しないと選択肢の多さゆえにいつまで経っても転職希望先が決まらない……という状態になってしまうからである。

もちろん求人情報をあたっていくうちに、自分のなかで転職の条件が定まってくる場合もある。しかし求人情報をあたる前に、自分のなかで条件を設定し、その優先順位を決めておいた方が転職活動はスムーズに進みやすい。

たとえば、

「年収800万円以上が絶対条件。土日祝日の休みも確保したい。ただし平日の残業については許容する」
「地元である石川県の金沢市で、育休・産休が整っている企業であることが絶対条件。ただし、土日祝日の休みにはこだわらない」
「前職の経験を生かしたスキルアップを目的としているため、同業他社で、かつ企業規模が大きい会社への転職がマスト。独身の単身者であるため、勤務地にこだわりはない」

などのように決めるのである。

こだわりが強すぎると選択肢が狭まったりなくなったりしてしまうが、「譲れない条件」と「譲れる条件」を洗い出して、それを設定することは重要である。

転職の条件設定の指針

それでは、転職活動の条件としてはどのようなものがあるのだろうか。これは主に以下の5つに大別される。

  • 年収
  • 休日
  • 福利厚生
  • 業界
  • 勤務地

それぞれ見ていこう。

年収

「前の職場の年収に納得がいかなかったので転職活動に踏み切った」という人は非常に多いこともあり、「年収」は転職活動の条件としてよく設定されている項目である。

この場合は、まずは自分の現在の年収をしっかりと把握することから始めよう。毎月の給料はもちろん、ボーナスや手当を含めた金額をきちんと出すようにしなければならない。

これを基として、「プラスいくらの報酬が必要なのか」を求めていくのである。ケースによっては給与交渉が必要になることも忘れないでおこう。

休日

土日祝日の休みが必要なのか必要でないのかによっても、転職先の選択肢は変わってくる。現在は接客業や介護・看護の業界でも土日祝日を休みとしている求人はあるが、当然「こだわらない」に設定した方が選択肢は増えるだろう。

なお、休日を条件に設定するときは、「完全週休2日」と「週休2日」の違いについて注意したい。前者は必ず週に2回の休みがあるが、後者の場合は週に2回以上の休みが年に1回以上ある(=残りの43週はすべて週に1回の休みのみ)の可能性があるからだ。

福利厚生

働き続けていくなかで、「福利厚生」は非常に重要になる。特にこれから結婚~出産~育児をしていくことを考えている人は、この部分をよくチェックしたい。

法定外の育休はあるのか、育休のときの給与はどうなっているのかを見ることはもちろん、時短勤務は可能か、社内保育所はあるのかなどもチェックしよう。なお「制度としてはあるが形骸化している」というケースもありえるので、できればその会社のクチコミなども見ておきたい。

また、家賃補助やガソリン代の補助があるかなども確認しておくとよいだろう。1か月ずつの補助額はわずかでも、積み重なると大きな金額になることもあるからだ。

業界

今まで自分が活躍してきたまったく同じ業界で働くのか、前職との関わりはあるが仕事自体は違うのか、あるいは未知の分野に飛び込むのかによって、労働条件や働き方は大きく変わってくる。

「自分のやりたい仕事に就きたいので未経験の業界に飛び込む」というのも一つの選択肢ではあるが、年収や待遇を安定させようとすれば経験のある業界の方がよいだろう。

なお新しい業界に飛び込む場合は、履歴書などに「新しい業界でも生かせるであろう、前職で培ったスキル」を書くと採用に至りやすい。

勤務地

全国転勤ありの職場なのか、転勤はあるが県内だけにとどまるのか、あるいは転勤なしの職場なのかは、転職活動のときに必ず見るべきポイントといえる。

地元志向の強い人はもちろん、「今は一人身なので、全国転勤ありの会社でも構わない」という人も事前にしっかり確認しておこう。結婚をしたときに、パートナーと一緒に引っ越しをするのか、それとも単身赴任をするのかの決断が求められるからである。場合によっては、数十年に渡って別居状態になる可能性すらある。

「地元から出たくない」「地元で働くのが第一条件」という人は、全国展開していない地元企業を選ぶと希望が叶えられやすいだろう。

条件設定を行うときに気にするべき要素とは

転職活動に条件設定をする場合は、下記の3点を考える必要がある。

キャリアプラン

「自分はどのように働きたいか」「自分が目的とするところはどこか」を設定し、そこに向かう具体的な道筋を考えることを「キャリアプランの構築」という。

キャリアプランによって、働き方は大きく変わってくる。たとえば「7年後にはワインバーを開業していることを目指している。4年目にソムリエを取り、5年目で開業資金の1000万円を貯めることを目的とする」というキャリアプランを考えたとしよう。

この場合、フルタイムで3年間ワインに関する実務経験を積んだうえで試験当日には現職であることが求められるし、1年間に200万円の貯蓄をするとなると年収がある程度高い職場を選ぶ必要も出てくる。現在まだワインに関係のない職場で働いているのであれば、早急に転職活動をする必要が求められる。

このようにキャリアプランを構築することで、動かなければならないタイミングや、希望しなければならない年収などを確定することができるだろう。

家族との関わり

3世帯のうちの2世帯ほどが共働き世帯である現状では、男女ともに「家族との関わり」を意識して働く必要が出てきている。
たとえば、「夫婦ともに土日祝日出勤の仕事だが、保育園は日曜日は休みである」というケースでは、当然のことながら、夫婦間で休日を調整する必要が出てくる。

また、子どもが体調不良になったときにどちらが面倒を見るのかなども考えなければならない。

このため、転職時には家族との関わりも考慮し、「年収は少し下がるが、片方がフルリモートワークの職場に転職する」「2人とも年収が大幅にアップする仕事に転職し、土日はベビーシッターを入れる」などのような選択肢も視野に入れる必要があるだろう。

ワークライフバランス

年収アップは転職の条件として設定する人も多い項目だが、これだけが唯一絶対の指針ではない。

もちろん「エネルギッシュなタイプなので、がんがん働いてがんがん稼ぎたい」と考えて転職活動をするのもひとつの選択肢だが、「前職では1000万円を超える稼ぎがあったが、体も壊しやすかったので、ゆっくりと働ける仕事に就きたい」と考えて転職先を選ぶのもまたひとつの選択肢である。

「自分の考えるベストのワークライフバランス」を設定することで、自分により合った職場を選びやすくなるだろう。

「条件の洗い出し」もプロに頼れば効率よく進む

「転職時の条件の洗い出し」は、転職活動を進めるうえでの基本となるものだ。

ただ自分一人ではこの「条件の洗い出し」が難しいと感じる人もいるだろう。

その場合はキャリアコンサルタントなどのプロに相談するとよい。あなたの持っている潜在的な希望なども上手に聞き出し、言語化してくれるはずだ。

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この記事を書いた人

IFA転職を運営し、IFA専門転職支援サービスを展開。創業から100名以上のIFAへの転職を支援。また、アドバイザーナビ経由でのIFAになった方の転職者のコミュニティ「Club IFA」も運営しており、IFA業界の転職市場に精通している。

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