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転職のときにはキャリアプランを意識すべし~受け答えのポイントも解説

働き方の自由度が上がった現在においては、「自分はどのようにキャリアを積み重ねていくか」「最終的にどのような働き方をしたいか」の裁量権が個人にある程度委ねられるようになってきた。

このような環境は個人に対してやりがいや身軽さを与えてくれるものだが、同時に、一人ひとりがそれぞれの行く道を自分自身で考えなければならないという責任をも課すものである。

そしてその「自分自身の行く道」を考える手助けとなるのが、「キャリアプラン」である。

目次

キャリアプランを練ることの重要性

キャリアプランとは、「自分がこれから先に目指す目標と、そこに至るためのステップを具体的に決めた計画」のことをいう。ビジネス・経営の業界で非常によく使われる言葉のため、だれもが一度は見聞きしたことがあるだろう。

キャリアプランを考えることで人は目的意識を持てるようになるし、そこに至るまでに多くの勉強や努力ができるようになる。キャリアプランを構築するときに重要なのは、「具体的で、実効性のある計画を立てること」である。

たとえば「10年後に地元に戻り家業の建築会社を継ぐ。技術面と法律面の両方を1人でクリアできるようにして、人件費をある程度押さえた会社運営としたい」とした場合、

「5年後までに一級建築士の資格を取るとともに、現在の会社でプロジェクトのリーダーを担当してマネジメント能力を身に着ける」

「7年後には一級建築士として都心部の建築会社に転職し、最新のデザインのことも学ぶ」

「9年後には宅建を取ることを目指して勉強し、2年以内に宅建と建築士のダブルラインセンスを取得する」

などのように組み立てることが求められる。ただ漠然と「10年後には地元に帰ろう」などのように考えているだけでは、キャリアプランとはいえない。

なお、キャリアプランと非常に似た言葉として、「キャリアパス」がある。これはキャリアプランとは似て非なるものだ。
「キャリアパス」とは主に、「1つの企業のなかで、より良い職位ややりたい業務を行うために踏むべきステップ」を指す。

たとえば、「10年後に国家資格である〇〇を取得し、技術部門の部長職に就くこと」を目的として、

「3年後には〇〇の下位資格である▼▼を取得し、自分はもちろん後進の指導にも当たることができるようにする」

「5年後には企画のマネジメント業務を担当するとともに、昇進の条件のうちのひとつであるTOEIC700点を目指す」

などのように計画を立てることがこれにあたる。

「キャリアプラン」は他業種・他社への転職や独立も含めた概念である一方、「キャリアパス」は基本的に現在働いている企業のなかでどのようにステップアップをしていくかを考えるものであるという違いがある。

もちろんこの2つは相反するものではないため、「キャリアプランを考えながら、キャリアパスを考える」「キャリアパスを構築しつつ、キャリアプランも組み立てる」というやり方も取ることができる。

転職時には「将来的なキャリアプラン」も意識するのがマスト

転職時においては、キャリアプランを考えることは非常に重要だ。

なぜならこれを定めないで転職活動に入ってしまうと、「より良い職場を探すつもりで転職活動をしたはずなのに、希望とはまったく違う仕事をすることになってしまった」「10年後の自分の展望が見えない」などのような状態に陥ってしまいかねないからだ。

転職は非常に大きな人生の転機であるため、「何を目的に転職をするのか」「自分のキャリアプランを叶えられる転職先であるかどうか」の精査が必須になってくる。特に30代以降の転職の場合は、この「将来的なキャリアプラン」を意識しないで転職してしまうと、後々まで悔やむことになりかねない。

もう一つ、転職においてキャリアプランをしっかり考えておかなければならない理由がある。それは、「30代以降での転職の場合、非常によく『あなたのキャリアプランはどんなものですか』と質問される」ということである。

個人のキャリアプランは、企業がその人間をどのように育成していくか、また自社とカラーにマッチングするかを知る指標となるものでもあるうえ、その人の論理的な思考を知る手段となるものでもあるため、企業側から問われやすいのだ。

キャリアプランについて問われたときの答え方

転職活動中の面接などでキャリアプランについて問われたときは、上で述べた「具体的な計画」を簡潔に話すとよいだろう。またこの際には、前職で得たスキルや実績を絡めて答えるとより良い印象になる。

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学校を卒業してすぐに二級建築士の資格を取り、現場で空間デザインの作成にも携わってきました。この経験を生かして現場で働きながら、より高度な資格である一級建築士の資格を取得し、マンション設計などの分野でも活躍したいと考えています。将来的には宅建も取得し、法律面・技術面の両面から建築物に関わることのできる建築の専門家を目指します。
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キャリアプランは、聞かれて即座に答えられるものではない。自分のなかできちんと精査し、考え、言語化しておかなければ、答えることは非常に難しい。

また、頭の中で考えているだけでは、まとまりや整合性を欠く可能性が極めて高いといえる。そのため、一度は紙などに書き出すことをお勧めする。

「これからの自分」のために~キャリアプランを考えよう

キャリアプランの構築は、「これから自分はどうなりたいか」「これから自分はどの方向に進みたいのか」を考えるところから始まる。「転職とキャリアプラン」というキーワードを見たとき、多くの人は「面接時に聞かれたときにどう答えるか?」を考えることだろうが、キャリアプランを構築する主目的は、転職活動に成功することではない。

自分自身の人生を見直し、より良い自分を目指すことこそが、キャリアプランを構築する主目的だといえる。

もっとも、キャリアプランを一人で構築するのはかなり難しい。自分一人で考えていても上手く行かない場合は、キャリアコンサルタントなどの力を借りるとよいだろう。

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この記事を書いた人

IFA転職を運営し、IFA専門転職支援サービスを展開。創業から100名以上のIFAへの転職を支援。また、アドバイザーナビ経由でのIFAになった方の転職者のコミュニティ「Club IFA」も運営しており、IFA業界の転職市場に精通している。

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