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転職時の履歴書、「志望動機」の書き出しのポイントと具体例

履歴書を書くときにもっとも多くの人が頭を悩ませるのが、「志望動機」の欄なのではないだろうか。学歴や職歴、資格は、年月日や正式名称の確認こそ面倒ではあるが、明確な「正解」のあるところなので悩むことは少ない。

また現在はパソコンなどで管理できるようになっているため、データとして保管しておけば書き写すだけで済む。趣味や特技も、「自分のこと」なのである程度語りやすいだろう。

しかし「志望動機」はそうはいかない。志望動機の例文は数多くあるが、実際に志望動機を書き出す際は当然自分の言葉で書かなければならないし、丸写しをしてしまったらすぐにばれてしまう。また、さまざまな企業を受ける際に、ほかの企業のときに書いた志望動機を少し手直ししただけでは、これも見抜かれてしまう。

さらに、どれだけの熱意があっても、文章が下手でそれが伝わらなければ結局採用には至らない。

今回はこのような難しさを持つ「履歴書における志望動機」に注目し、その書き方・書き出しのパターンや具体的な書き方の例、使うべきではない表現などについて解説していく。

目次

志望動機の書き出しのパターンはいくつかある

志望動機の書き方のなかでも、もっとも注目するべきは「書き出し」である。よく言われることだが、人は意外と文章を読まない。「読もう」とする意志のある人は読み進めてくれるが、多くの就職希望者・転職希望者をさばいている人事担当者などは、まずは初めの書き出しを一番に見る。そこに誤字脱字があったり、まったく意図がつかめないことが書いてあったりすれば、採用に至る確率は低くなるだろう。

志望動機の書き出しパターンはいくつかあるが、もっとも定番なのは、「志望する理由」から書き出すことである。これは「なぜ志望したか」をダイレクトに伝えるものであり、「志望動機は何ですか?」という問いにまっすぐに簡潔に答える書き方だ。迷ったのならば、この表現を使えばまず間違いがない。

「転職先の魅力」に言及した文章から始めるパターンもある。「貴社の作り出した〇〇という機械と、その技術に非常に惹かれました」などのように始めるやり方だ。

これは、「私はあなたのここに魅力を感じている」という積極的なアプローチとなりえるし、企業側からも「うちの事業のことをきちんと調べてくれているんだな」と好印象を抱かれやすい。なおこの書き方をするのであれば、相手の事業内容をきちんと把握しておくことは必須である。

転職活動において特に有効なのは、「今まで培ってきた〇〇の経験を元に、××をしていきたい」という書き出しだ。これは、自分の実績やキャリアをアピールすると同時に、「この人を入社させたらどうなるだろうか」と考える採用担当者に対するアンサーにもなりえるだろう。即戦力であることも伝えられるため、40代以降での転職(特に管理職への転職)のときに積極的に使っていきたい。

なおこの書き方は、結びの文章としてもかなり優秀である。

書き出しは重要だが、大切なのは何よりも中身

また、書き出しはたしかに重要ではあるが、何よりも大切なのは中身である、という点も押さえておきたい。

志望動機は前向きに

基本的には、志望動機は前向きな理由を記す。転職希望者の場合は、前職に不満があって転職に踏み切る場合も多いかと思われるが、これをメインの理由にしてしまうと他罰的な人間だと判断されやすい。

ただし、事実を事実として書く分にはそれほど問題はない(例:前の会社は女性の管理職が0人であった」など)。

応募職種と共通するアピールをする

前職のスキルのなかで、応募職種と共通していたり応募職種に生かせる部分がある場合は、積極的にアピールしていきたい。

これは特に「前職とは関わりのない未経験の分野の仕事」に飛び込もうとする場合に有効だが、「似てはいるけれども違う職種」に応募するときにも役立つ。

「そこの会社でなければならない理由」をきちんと志望動機に落とし込むことが大切

志望動機のなかでも重要度が高く、しかしそれゆえに難しいのが、「そこの会社でならなければならない理由」を志望動機に落とし込むという点である。

言うまでもないことではあるが、世の中には数多くの「同業他社」がある。そんななかであるからこそ、採用担当者は「なぜほかの会社ではなく当社を選んだのか」の回答を欲しがる。

それに答えるだけの志望動機をよく練り上げておこう。なお、「条件が合ったから」「転職エージェントに紹介されたから」という答えは、(たとえ本音であったとしても)当然NGである。

具体的な書き方の例について

上記を踏まえて、具体的で理想的な志望動機の書き方を考えていこう。

私は御社の掲げる『遠隔・在宅医療介護の拡大を』という理念と、そして実際にそのスタートアップ企業となったことに、大変魅力を感じております。

私の祖母は長く病院に入院しており、病院で手厚い看護・介護を受けていましたが、それでも最後まで『家で過ごしたい』と語っていました。今後御社の掲げる遠隔・在宅医療の技術が広がりを見せれば、祖母と同じような思いをする人が少なくなるのではないかと考えています。

前職では理学療法士として施設内でのリハビリテーションにあたっていました。理学療法士として就業しつつ、夜間学校に通い作業療法士の資格も取得しましたが、今後はこの技術を生かして、遠隔・在宅医療介護のプログラム開発に関わっていきたいと考えています

まずは志望先の魅力を述べつつ、なぜ数多くある遠隔・在宅医療介護に携わる会社のなかから志望先を選んだのかを答えている。そしてそのうえで、「自分事」として自分の思い出をプラスしつつ、前向きな理由での転職であることを組み合わせている。

さらに、前職では理学療法士として現場で働いていたこと、仕事をしながらもキャリアアップのためにほかにも国家資格を取ったことをアピールし、現場の経験を生かして新しい仕事に飛び込みたい、と結んだかたちだ。

「志望動機」は履歴書のなかでももっとも大きな意味を持つ

「志望動機」は、履歴書のなかでももっとも大きな意味を持っている。書き出しを含めて、どのように書くべきか迷う人は多いことだろう。特に文章が得意ではない人は、悩む機会も多いかと思われる。

そのような場合は、キャリアコンサルタントの履歴書指導を受けるのもよいだろう。

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この記事を書いた人

IFA転職を運営し、IFA専門転職支援サービスを展開。創業から100名以上のIFAへの転職を支援。また、アドバイザーナビ経由でのIFAになった方の転職者のコミュニティ「Club IFA」も運営しており、IFA業界の転職市場に精通している。

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