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管理職の転職を考える~そのときに必要なものとは

管理職から管理職への転職は、一般的な転職に比べて難しい傾向がある。
ここでは、

  • 管理職から管理職への転職の特色
  • 管理職の転職に求められるものとは
  • 管理職の転職を上手く進めるために

について解説していく。

目次

管理職から管理職への転職、その特色について

当然のことではあるが、管理職から管理職への転職は、そうではない場合の転職に比べて難しい。なぜなら、「新入社員」の立場ですでに管理職として働くためには周りの人を納得させられるだけの技能・技術が必要になるからだ(※これについては後述する)。

また、管理職はその特性上、一般的な転職に比べて高収入・高待遇になりやすい。そのような求人は数も少なく、一般的な転職サイトにはあまり出回っていない。企業側も「管理職として高待遇で迎えるからには、海のものとも山のものとも知れない人材ではなく、確かな人材を」と考えるため、ヘッドハンディングなどのような形式を取るケースも多く見られる。

さらに、単純に「管理職から管理職へ」としていても、この「管理職」の立場が企業によって大きく変化するというのも管理職の転職を難しくしている原因である。同じ「部長職」であっても、A社とB社では裁量権も違えば待遇も違うということもよくある。転職をする側も、そのことを念頭においたうえで求人情報に当たらなければならない。

なお、管理職の場合は一般職に比べて、「今よりも良い待遇の会社」を探すことが難しくなる点も留意しておかなければならないだろう。

もっとも、管理職から管理職に転職することには多くのメリットもある。たとえば非常に優秀な人材であれば、転職によって年収・キャリア・待遇が大幅に良くなることも決して珍しくはない。場合によっては年収が1.5倍以上になることさえある。持っているスキルを生かすことのできる職場を探すことも、もちろん可能だ。

加えて、新しい企業で新しい学びの機会を得ることによって、現状のマンネリを打破し、新しい物の見方ができるようになるというメリットもある。人によっては「今の会社も悪くはないが、将来に発展性が見られない」という状況を改善できることもあるだろう。

このように、管理職から管理職の転職には、一般職への転職とは異なるさまざまな特色がある。

管理職の転職に求められるもの

上記では、「管理職から管理職への転職の場合は、高い能力が求められる」とした。
では、その能力とは何なのだろうか。

「転職者としての管理職」に求められる能力は、以下の3つである。

  • 管理職としての実績
  • コミュニケーション能力とマネジメント能力
  • 即戦力としての働き

では一つずつ解説していこう。

管理職としての実績

「新入社員でありながらも管理職」の立場を得るためには、当然のことながら、周りを納得させられるだけの実績がなければならない。

もっとも分かりやすい例としては、「同業界の前職で、売り上げ〇億円を達成した」などのようなものだろう。具体的な数字を掲げることができること、そしてそれが転職先の企業と関連のあるものであれば、その実績は高く評価される。

コミュニケーション能力とマネジメント能力

管理職の場合は、マネジメント能力やコミュニケーション能力も求められる。基本的には管理職の場合は、「一企業人として優秀であればよい」「本人が卓抜した能力を持っていればよい」と判断されることは少ない。自分自身の能力を生かすことはもちろん、自分の部下となる人のモチベーション維持に尽力し、彼らが自分の能力を発揮するためのサポートをする力も求められると考えるべきだろう。

そのため、「新天地に行っても、すぐにほかの人となじめるコミュニケーション能力」「彼らの特性と能力を知り、マネジメントしていく能力」も必要になってくる。

即戦力としての働き

20代での転職の場合は、その成長性や可塑性が評価される。そのため、本人の現時点での能力が低くても、「将来性」を買われて採用に至るケースが多い。しかし30代以降での転職の場合は、ある程度の実績と、即戦力としての働きが求められるようになる。

管理職の場合はなおさらだ。輝かしい実績を掲げて転職したとしても、その実績が過去のものであって、現在のシステムについていけない……などのような場合だと、評価は下がってしまいやすいだろう。そのため管理職としての転職を行う場合は、過去の実績はもちろん「現在の時流」「現在のシステム」についても勉強しておくことが求められる。

管理職の転職を上手く進めるために

上記を踏まえたうえで、「それではどうすれば管理職の転職を上手く進められるか」について考えていこう。
これは、大別すると以下の3つに分けられる。

自分のスキルと実績の洗い出しは必須

すべての転職にいえることだが、管理職から管理職への転職の場合は特に「自分のスキルと実績の洗い出し」が重要視される。企業側は履歴書などに書かれた情報を見て、その人が持っているスキルと実績を確認し、「管理職としての採用に耐えうるかどうか」を判断するからである。

実績はぼんやりとしたものではなく、明確な数字を表すことが求められる。またスキルは正しくリスト化する必要があるだろう。取得したスキル・資格が多いのであれば、どれを大きくアピールするかを考える工程も必要だ。

「自分のスキルを生かせる仕事」と「マンネリを打破できる仕事」のバランスを見る

すでに述べた通り、管理職から管理職への転職は「自分の持っているスキルを生かせる仕事を見つける」という意味と、「マンネリの打破」という意味の2つを持っている。

もちろん両方を叶えられる職場もあるだろうが、今のスキルと経験を生かすかたちで、前と同じような仕事をしつつ年収や待遇を良くするか、それともマンネリの打破を重要視して、多少待遇が悪くなっても新天地で自分の力を試すかのいずれかを選ばなければならないケースもある。

このような場面に陥ったときにどちらを取るか、あるいはこの2つのバランスをどのようにとっていくかを考えることは、非常に重要だ。転職活動をする前に事前に自分のなかで優先順位を決めておくと、迷いが少なくなるだろう。

専門家の力を借りる

すでに述べた通り、管理職から管理職への転職の場合、その求人情報は一般に出回りにくい。そのため、管理職から管理職への転職の場合は、専門家の手を借りることをお勧めする。転職エージェントはそれぞれ独自に好条件の求人情報を持っており、「会員にだけ公開する」としているところが多いからだ。

また、キャリアコンサルタントなどの専門職は、難しい管理職から管理職への転職のサポートも積極的に行っている。

管理職の転職には管理職の転職ならではの難しさと面白さがある

管理職から管理職への転職は、一般職への転職とはまた違った難しさと面白さがある。なかなかスムーズにいかないこともあるだろうが、その分、多くのメリットを持つ選択肢でもある。

より良い条件をあるいは新しい活躍の場を求めて、管理職から管理職への転職を願うのであれば、転職エージェントやキャリアコンサルタントの力を借りてほしい。なぜなら彼らは、我々が通常ではアクセスできない求人情報と、難しい「管理職としての採用の関門」を突破するためのアシスト能力を持っているからである。

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この記事を書いた人

IFA転職を運営し、IFA専門転職支援サービスを展開。創業から100名以上のIFAへの転職を支援。また、アドバイザーナビ経由でのIFAになった方の転職者のコミュニティ「Club IFA」も運営しており、IFA業界の転職市場に精通している。

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