転職活動者にとって、転職回数を気にする人は少なくはないだろう。一般的に転職回数が多いと転職にとって不利になると言われている。しかし、企業などの採用担当者が転職回数が多いと思う基準は年齢によって異なる。
本記事では、転職回数は平均何回で転職が本当に不利になってしまうのか。また、転職回数が多いことを挽回する方法は何なのかについて解説していく。転職活動を考えている人や、転職活動中の人はぜひ参考にしてみてほしい。
平均何回までの転職回数なら不利にならない?
転職で採用時の評価にも影響する転職回数は、各年代によって大きく異なる。
そのため本記事では各年代別に解説を行っていく。
転職回数は、各年代で異なるが、共通点は2年以下の在籍年数の職歴がある場合には「採用しても、すぐに辞めてしまうかもしれない」と思われてしまうために悪印象を与える可能性があるのだ。
20代なら2回以上
企業の採用担当者が20代で「転職回数が多い」と思う回数は、2回であると言われている。
個人差はあるが、一般的に20代は大学を22歳くらいで卒業し、その後の8年間、30歳になるまでに2回転職をすると、平均3~4年で転職していることになる。もちろん、人によっては1~2年働いて、何らかのやむを得ない事情で転職せざるを得なかったが、その後5~6年は同じ企業に勤務している人などもいるだろう。
このような場合は、後ほど対処法を紹介するため、そちらを参考にしていただきたい。
30代なら3回以上
30代では、転職回数3回以上になると多いといわれている。
つまり、22~23歳から働き始めて、39歳までの16年間程のうち3回転職をすると、企業担当者にとって転職回数が多いと感じられてしまうのだ。そのため、書類選考の段階で不採用にされてしまう確立が高くなるのである。
40代なら4回以上
転職回数が4回になると、40代の転職はさらに厳しくなる。
そのうえ、40代にもなると若い世代のようにポテンシャル採用の可能性がほとんどないため、年齢に応じたスキルや知識、人脈などがないと転職自体がかなり厳しくなってしまうのである。
平均何回の転職回数で転職は不利になる?
このように、転職回数が多い人は、書類選考で不採用とされる可能性が非常に高くなるのである。規則として、明確に転職回数に制限があり、それ以上になると応募を受け付けない会社もあるのだ。人気企業で、応募者数が多いところでは、このように応募ができない企業も一定数存在する。
各年代の「多い」と思われる転職回数は以下の通りである。
年代 | 転職経験なし | 1回 | 2回 | 3回 | 4回以上 |
---|---|---|---|---|---|
20代 | 76% | 16% | 6% | 2% | 0% |
30代 | 47% | 16% | 8% | 5% | 1% |
40代 | 38% | 20% | 18% | 11% | 12% |
転職回数が多いと不利になるのはなぜ?
転職回数が多い人は、企業の採用にとってなぜ不利になるのだろうか。
転職回数が多い人に共通の特徴があり、企業の採用担当者の視点では次のように考えられている。
- 飽きっぽいため長続きしない
- 仕事や物事に対して責任感がない
- 仕事の良い部分しか見ていないため嫌なことが起きると放棄する
- やりたいことがたくさんあって、1つのことを達成しない
- ストレスへの耐久性に欠け、逃げてしまう
- これらの理由から、企業側からするとすぐに
- 辞めてしまうかもしれない
- 業界や業務への熟知度が低いのではないか?
- 人間性やコミュニケーション能力に問題があるのではないか?
- 職場になじめないのではないか?
これらの理由から、企業側は
「採用してもすぐにやめてしまうかもしれない」
「業界や業務への熟知度が低いのではないか?」
「人間性やコミュニケーション能力に問題があるのではないか?」
「職場になじめないのではないか?」
などの悪印象を持ってしまうのである。
転職回数が多い人の対処方法は?
かといって、転職回数が多くても個人のスキルや実績、志望動機などを評価してくれる企業も存在する。そのような企業に対しては、積極的に長所をアピールしていくと良いだろう。
転職回数が多くても採用担当者が採用をしたいと思うのは、履歴書や職務経歴書から次のようなことが感じ取れる人物である。
- 自社の人材にないスキルや経験を持っている
- 各社での経験がキャリアとして形成されている
- 各社での経験を使って活躍していたという実績がある
このような印象を与えるための履歴書・職務経歴書の書き方には6つのポイントがある。
退職理由は明確に記入する
多数の人は退職理由を「一身上の都合により退職」と履歴書や職務経歴書に記載するが、よほどネガティブな理由でなければ、退職理由は明確に記入した方が理解されやすいだろう。
面接時に退職理由を質問される企業もあるが、職務経歴書にポジティブな退職理由が明確に記載されている人は、採用担当者が退職理由を見て納得した場合、転職回数が多くても面接に進む可能性は大きいと考えられる。
例えば以下のような内容である。
- 自分自身のスキルアップするため
- 今まで働いたことがない別の業界にチャレンジしたかった
このようなポジティブな理由であれば、転職回数が多くても「会ってみたい」と企業の採用担当者に思わせられることが可能である。
前職ではどのようなスキルを身につけたのかを記載する
転職回数が多い人は、その都度どのようなスキルを身につけたのかを職務経歴書に記載してアピールすると良いだろう。そうすることで、これまで勤務してきた企業で違う能力を身につけたという印象を与えることができるのである。
そのうえで、応募する求人に「自分のスキルがどのように活かすことができるのか」を面接でアピールできるように整理しておくとスムーズ進めることができるだろう。
転職回数が多いポジティブな面をアピールする
転職回数が多いことは、色々な視点に立って物事を考えられるということである。さらに柔軟に対応できることや、複数の会社で働いた経験から多彩なスキルを得たこと、それぞれの仕事を通じで習得した知識などについてポジティブにアピールすることが大切である。
複数で働いた経験があることは、それぞれの企業の業務を通じて幅広い業務に対応できるスキルがあるだろう。ネガティブに捉えられがちな転職回数が多さを長所もあることを明確に説明しておこう。
長期的に働きたいことを真剣に伝える
転職回数が多い人は、採用してもまた辞めてしまうという悪印象を持たれがちである。
しかし、長期的に働きたい意思を持って応募をしていることを真剣に熱意を持って説明すれば採用担当者も理解してくれるだろう。
入社後にどのようなことができるのか、今後何をしていきたいのか、業務内容をよく把握したうえでアピールすると良いだろう。
応募書類で転職回数の多さを上手にアピール
転職回数が自分の年代の頭文字の数以上の数である場合、採用担当者に悪印象を与えがちであることは事実である。
人気企業などでは、企業規定に定められ、回数以上に転職をしている人は応募ができないところもある。
一方では、応募動機や応募書類に記載された内容を重視する企業もあるため、職務経歴にポジティブな退職理由を記載するなど、回数の多さを納得させる応募書類を作るように工夫をして採用を勝ち取っていただきたい。