金融業界は、所属先の金融機関で営業方針や仕事の内容が左右される。そのため、より自分のポリシーにフィットする金融機関を探すために、転職活動をする人もいるだろう。とはいえ、金融業に転職するなら、年収面も気になるところだ。
今回は金融業で年収の高い職業を紹介しながら、転職すると年収がどのように変わるのかを解説する。
金融業の年収は?
金融業界の年収は、業種や評価制度によって異なる。営業職では、ベース給与に個人の業績に連動した、インセンティブが上乗せされるケースが一般的である。ベース給とインセンティブの比率によって、年収も大きく異なる。
そのため、転職した先の評価体系によっては、いきなり年収が1000万円を超えるケースもある。内勤やバックオフィスの職種の場合、業績に連動するインセンティブが設けられてないケースが一般的だが、他の業界に比べると年収は高い。
厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、保険・金融業の賃金は「38万3500円」だった。一般労働者の賃金は「30万7400円」なので、金融業界の賃金水準は、他業界と比べると高いといえる。
金融業界は、業務における規制が厳しく、企業の参入が容易ではない。そのため、企業間で競争する必要がないため、安定的に利益を維持しやすい。こうした状況が、高い給与を払える理由になっている。
金融業への転職を検討している場合、年収アップは見込みやすいだろう。ただし、実際の評価制度や給与について詳しい条件は確認する必要がある。転職サイトやエージェントを活用して、情報を集めておくと良いだろう。
年収の高い職業は?
金融業の中で、年収が高いといわれている職業について解説する。今回紹介する職業は、以下の4つである。
- アナリスト
- 金融ディーラー
- リテール・ホールセール
- IFA
高い専門知識やスキルが求められる役職ばかりだが、年収をアップする職業としても人気だ。それぞれの職業について、業務内容や求められるスキルを解説していこう。
アナリスト
アナリストは、国や企業の経営状態や財務状況など、膨大なデータを分析し、将来性や今後の動向を予測する業務を行う。投資家が投資先を判断する材料になっているのは、アナリストの評価を基にしている。
アナリストの業務内容は、財務諸表や決算情報を理解できる専門性をはじめ、今後の動向を分析できる力や、論理的思考力が必要になる。また、社内外でさまざまな人と連携するケースもあるので、コミュニケーション力も求められる。
金融ディーラー
金融ディーラーは、顧客の預かった資産を売買して、利益を生み出す業務を行う。顧客の資産は、株式や債券、外貨などが該当する。資産を売買して利益を生み出す必要があるため、相場の動向を先読みする分析力と実行力が必要になる。
金融知識だけでなく、社会情勢や景気動向も含めて市場を分析する必要があるため、専門の知識は幅広く兼ね備えておかなければならない。
リテール・ホールセール
リテールやホールセールも年収が高いとされている。リテールは、個人の投資家を相手にした営業活動を行う。ホールセールは、大手企業や機関投資家を対象にしている。どちらも専門的な知識は必要で、顧客とのコミュニケーションを円滑に進めるスキルが必要である。
リテールやホールセールは、業績に基づくインセンティブを高く設定しているので、営業力次第では年収が大きくアップできるチャンスがある。
IFA
IFAは特定の金融機関に所属せず、独立した立ち位置で投資家の資産を増やすサポートを行う職業である。特定の販売方針や営業ノルマに左右されることがないので、より顧客目線で相談やサポートが行える点がメリットである。
顧客の開拓から販売、その後のアフターフォローまで対応するため、顧客を開拓するスキルや、継続的に関係性を築けるコミュニケーション力が求められる。
IFAは近年、登録者数が増え続けている注目の業界なので、興味がある場合は転職サイトやエージェントに相談しても良いだろう。
金融業界で年収の高い職種に転職するためには?
金融業界で年収の高い職業を紹介したが、実際に転職を成功させるためには、どのような対策が必要なのか解説する。
年収の高い職業に転職したいなら、以下のポイントを準備すると良い。
- 必要な資格を取得する
- 実績やアピールできるポイントを分析しておく
- 転職アドバイザーに相談する
それぞれの項目について解説していこう。
必要な資格を取得する
まず、転職したい業種に適した資格を取得すると良い。資格を取得していると、金融業界が未経験でも、希望の業種に採用していくれる可能性は高くなる。金融業界の経験者でも、資格は取得しておくと年収アップにつながるので、必要な資格は取得しておくことが望ましい。
経理なら簿記や税理士科目、リテールならFPや会計士などの資格も重宝される。
金融業界では資格があるかどうかも採用の基準にしているため、転職前に対策できるなら取得しておきたい。
実績やアピールできるポイントを分析する
実績やアピールできるポイントについて分析しておく必要もある。転職は、相手が求めているスキルや人物像に、いかに自分がフィットできているかをアピールする必要がある。
希望している業種に活かせるアピールポイントが、これまでの業務でなかったのか棚卸ししておきたい。
転職アドバイザーに相談する
最後に、転職アドバイザーへの相談も検討すると良い。転職アドバイザーは、希望に見合う条件の求人を、数ある中から探して提案してくれる。どういったスキルや資格が必要とされているのか、求人から把握してから対策が必要である。
転職アドバイザーは、求人の提供だけでなく、金融業界に転職するために必要なサポートをしてくれる。特に年収面が気になっているなら、金融業界の相場年収を知るためにも、利用すると良い。
金融業界で転職すると年収アップに期待が持てる
金融業界は、企業の競争が比較的少ない業界なので、安定的に収益を出しやすい。そういった背景から、年収の高い求人が他業界に比べて多い。とはいえ、専門知識やスキルが必要なので、職種によっては転職のハードルが高いものもある。
資格の取得や、転職アドバイザーを利用しながら、採用までの対策や準備を行うと良いだろう。
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自分に合った求人を紹介してくれる可能性も高いため、現状の転職イメージを相談してみると良いだろう。