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外資系金融への転職事情|日本の金融機関との違いや成功のポイント

外資系金融とは、企業の資本のうち3分の1以上に外国資本が入っている、金融系の法人を意味する。日本の金融企業とは異なる社風や評価制度となっているケースが多く、日系か外資系かによって働き方が大きく変わるだろう。

当記事では外資系金融への転職を検討する方に向けて、外資系金融の特徴や年収などの基本情報や、転職を成功させるためのポイントをまとめた。

目次

外資系金融の転職事情まとめ

外資系金融への転職を検討する方に向け、日系の金融機関との違いや企業の種類、年収・福利厚生情報についてまとめた。

外資系金融の特徴|日系の金融機関との違い

日系企業と外資系企業を比べると、労働環境や待遇が大きく異なると言われている。金融業界においても例外ではない。外資系金融の主な特徴は次の通りである。

・給与水準・待遇が他業界の日系・外資系企業よりも高い傾向がある
・年功序列ではなく実力主義の社風で、成果に応じた年収・キャリアアップを狙えるケースが多い
・グローバルな仕事に従事できるやりがいがある
・多様性を認める文化など、風通しのよい社風が多い
・終身雇用ではないので実力・方針によっては安定した働き方が難しい
・退職金制度がない、または年俸の中に退職金が含まれているケースがある

実力主義の傾向は日本の金融機関にも見られるが、外資系の場合はより顕著である。転職を検討する際は、双方の違いをしっかり押さえておこう。

主な外資系金融企業の種類

日本に参入している主な外資系金融企業の種類として、「投資銀行」「保険会社」「クレジットカード会社」「投資ファンド」の4つが挙げられる。

投資銀行(証券会社)

投資銀行とは、証券引受業務や資金調達業務、M&A仲介業務など、法人をターゲットにした業務を行う金融機関である。

一般的な銀行との大きな違いは、預金業務を取り扱わないという点だろう。投資家と法人を仲介し、手数料やコンサル料を得るビジネスモデルとなっている。具体的な仕事内容としては、主に次のものが挙げられる。

IBD部門(Investment Banking Division部門)資金調達の提案や、M&Aなどに関するコンサルタント業を行う部門
マーケット部門株式・債券・投資信託などの金融商品の営業・売買を行う部門
アセット・マネジメント部門顧客から預かった資産で資産運用を行い収益を出す部門
リサーチ部門金融商品や経済動向など金融に関する調査・分析を行う部門
バックオフィス部門契約書や資料の作成、社内のITインフラ整備などのバックオフィスを担当する部門
参考:en world「外資系投資銀行とは?仕事内容・年収から転職方法まで徹底解説」,michaelpage「外資系金融の特徴や仕事内容は?求人についても教えて!」

性質としては証券会社に近い。実際に、投資銀行と証券会社の業務を兼ねるところも多くある。

代表的な企業として、ゴールドマン・サックス証券株式会社、モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社、クレディ・スイス証券株式会社、シティグループ証券株式会社などが挙げられる。

保険会社

日本の保険会社と外資系保険会社の大きな違いとして、外資系は生命保険・損害保険問わず、オーダーメイド型商品を主として販売している点だろう。

パック型の保険商品を販売する日本の保険会社と違い、顧客のニーズや希望を汲み取り、オリジナルの保険を組み立てるのが外資系の保険会社である。

そのため営業職は、日本の保険会社で勤めるよりも、資産運用の知識・ヒアリング力・提案力などが必要になる可能性がある。

代表的な企業として、プルデンシャル ジブラルタ ファイナンシャル生命保険株式会社(PGF生命)、メットライフ生命保険株式会社(旧アリコ)、アクサ損害保険株式会社などが挙げられる。

クレジットカード会社

クレジットカード会社は、クレジットカードの発行数や加盟店の増加を目的とした営業、顧客の信用調査、サービス・キャンペーンに関するマーケティングや機能拡充などを行う。

クレジットカード業界においては、日本においても非常に高い知名度を誇る企業が多い。VISA、Mastercard、American Express Japan(アメリカン・エキスプレス・ジャパン株式会社)などが挙げられる。代表的な日本企業は、JCB(株式会社ジェーシービー)が該当する。

投資ファンド

投資ファンドは、顧客となる投資家や法人の資産を預かり、その資産を運用して増やしていくビジネスである。また、投資先の開拓や投資の提案、投資先の売却なども投資ファンドの業務となる。

代表的な企業として、ベインキャピタル、KKRジャパン、ブラックストーン・グループなどが挙げられる。

外資系金融業界の年収・福利厚生

外資系転職に強い転職サービスであるロバート・ウォルターズen worldの調査によると、外資系金融企業の平均年収は1,000万~2,000万円にも上る。40代以上や役員レベルになると3,000万円、成績によっては、億プレイヤーも夢ではない。

外資系は、実力・成果に応じたインセンティブ制度での給与が大きく占めるため、実力によって年収額は大きく変わってくる。あくまで傾向ではあるが、年功序列による給与体系が多い日系の金融よりも平均年収額は高くなっている。

逆に実力が足りなければ社風についていけず、退職を検討することになるかもしれない。

また、外資系企業は基本給のベースが高い一方で、住宅手当・家族手当などの福利厚生がほとんどない傾向にある。充実した福利厚生によるサポートを期待する場合は、日本の金融機関のほうが優れているだろう。

厚生年金や雇用保険、健康保険などの社会・労働保険は、日本の法律に則り原則として加入となる。ただし、雇用契約ではなく業務委託契約の場合は例外なので注意が必要だ。

外資系金融への転職を成功させるポイント

難易度が高い外資系金融へ転職を成功させるには、語学力のアピールやスキルの習得などがポイントになる。具体的に見ていこう。

英語を含む語学力をアピールする

外資系金融では、諸外国の企業・経営者とのやり取りが頻繁に発生する。英語を含む語学力をアピールできるかによって、外資系金融転職の成功率が大きく変わるだろう。

英語力であれば、TOEIC700点以上・TOEFL80点以上など、具体的な数値を採用基準とする企業は多い。

近年では英語の他にも、アジア市場への進出を狙う企業からのニーズが高い中国語などが評価されやすい傾向がある。

年齢に応じたスキル・実績を手に入れておく

年功序列の傾向が少ないのが外資系金融の特徴ではあるものの、年齢が上がるほど求められるスキル・実績が求められるのも事実である。

提案力・金融知識・業界経験・プロジェクト実績などに自信がない場合は、現職で手に入れておく、または別業界への転職に変更するなどの対応が必要だろう。

もし金融業界未経験でも、職種ごとに必要なスキル・実績があれば採用担当者から一定の評価は得られる。営業職なら営業スキル、バックオフィス系なら管理能力、IT系部門ならITスキルなどが例として挙げられる。

また、外資系金融企業からの評価が高い資格を取得するのも効果的だ。非常に難易度が高いものの、MBA(経営学修士)や日商簿記(1~2級)、米国会計士などは評価されやすい。国際的なFP(ファイナンシャルプランナー)資格である、CFPなどもおすすめだ。

転職エージェントで求人を探す

外資系金融企業は、転職エージェントを通じて求人を出すことが少なくない。理由は次の通りである。

  • 優秀な人材を求める外資系金融にとって、事前に応募者をスクリーニングし自社に合う人材を紹介してくれるのはありがたいから
  • 求人掲載から面接までの流れを、転職エージェントがサポートしてくれるから
  • 新規事業立ち上げやコア事業の採用など、他社に知られたくない求人を非公開で出せるから

また、転職エージェントの利用は、求職者側にとってもメリットが大きい。

履歴書・職務経歴書の書類添削、企業の内部情報の提供、模擬面接実施などの面接対策、非公開求人の紹介といった、さまざまな転職サポートが無料で受けられるからである。

転職エージェントの中には金融系に特化していたり、外資系求人を多数保有していたりなど、外資系金融転職が得意なサービスがある。転職活動の際はぜひ活用してほしい。

外資系金融転職を成功させキャリアアップを目指そう

外資系金融業界への転職ハードルは高いものの、成功できれば大きなキャリアアップや年収アップが見込める。とくに、実力主義の社風やグローバルな仕事へのやりがいなどを求める方は、外資系金融への転職を検討するとよいだろう。

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この記事を書いた人

IFA転職を運営し、IFA専門転職支援サービスを展開。創業から100名以上のIFAへの転職を支援。また、アドバイザーナビ経由でのIFAになった方の転職者のコミュニティ「Club IFA」も運営しており、IFA業界の転職市場に精通している。

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