銀行の法人営業は、融資を通じて企業の事業支援を行う業務だ。銀行の花形ともいえるポジションで、収益面でも大きな役割を担う業務である。しかし、ハードワークからのストレスや、営業ノルマへのプレッシャーによって、転職を考える人も少なくない。
そこで本記事では、銀行の法人営業からの転職先や、取得しておくべき資格について解説していく。
会員数8万名以上、日本最大級のハイクラス転職サイト。テレビ・新聞・雑誌など多くのメディアで紹介されている。
株式会社マイナビの人材紹介サービス。業界職種に精通したキャリアアドバイザーからの転職活動アドバイスや転職ノウハウなどの情報提供を受けられる。
銀行の法人営業からの転職先とは?
銀行の法人営業では、財務分析スキルや顧客との折衝スキル、営業スキルなど様々な経験・スキルが身につけられる。まずは、銀行の法人営業の強みが活かせる転職先について紹介していこう。
ベンチャー企業・スタートアップ企業
銀行の法人営業の経験を活かせる転職先として、ベンチャー企業やスタートアップ企業が挙げられる。設立から間もない新興企業では、財務部門における専門人材を求めていることがあり、銀行の法人営業の経験が直接活かせる可能性がある。
銀行の法人営業は、ビジネスマッチングやM&A仲介、金融商品の提案など多くの業務を取り扱うが、メインは法人顧客への貸付業務である。融資を通じて企業の事業支援を行うためには、まず企業の財務状況や経営状況を細かくチェックして、「融資を行っても問題のない企業である」という判断を下さなければいけない。
銀行の法人営業を通じて身につけた財務分析スキルや、事業支援のノウハウは、ベンチャー企業・スタートアップ企業でも即戦力として歓迎される。銀行でのキャリアや保有資格によっては、CFO(最高財務責任者)のポストを用意されるケースもみられる。
コンサルティング会社
銀行の法人営業の転職先として、コンサルティング会社も挙げられる。銀行の法人営業では、顧客の求めるニーズを汲み取り、それに見合った解決方法やサポート方法を提示するコンサルティングスキルを身につけられる。
担当する顧客の業種や業況に合わせて、よりよい事業支援の手段を導き出すスキルは、コンサルティング会社でも応用が利く。
コンサルティング会社には、IT戦略コンサルや人事コンサル、業種特化型コンサルなど様々な種類があるが、銀行の法人営業経験者は財務コンサルや事業再生コンサル、事業戦略コンサルなどで力を発揮しやすいといえる。
M&A仲介業者
近年では、銀行の法人営業でもM&Aのサポートを積極的に行っている。経営者の高齢化や後継者不足は、銀行にとっても深刻な問題である。取引のある法人顧客が減少していくことは、銀行の収益機会の喪失にもつながるためだ。
そういった背景から、銀行ではM&Aの専門部署を設けるところも多く、スムーズな事業承継ができるよう力を入れている。銀行の法人営業経験者は、M&Aに携わった経験を活かしてM&A仲介業界へ進む選択肢もある。M&A仲介業務では、会計や財務に関する知識も必要となるため、銀行で身につけた知識をそのまま活用することも可能だ。
M&Aのニーズは今後さらに拡大していく期待があるため、M&A仲介業務への転職後に様々なキャリアプランを描きやすいことも魅力のひとつである。
無形商材の法人営業
銀行の法人営業という難易度の高い業務での経験は、同じ無形商材の法人営業で活用が可能だ。例えば、ITサービスやWEB業界、人材業界などは異業種であるものの、銀行で培った営業スキルが無駄になることはないだろう。
銀行の法人営業では、「商品の魅力を分かりやすく伝える力」や「顧客からの信頼を獲得するコミュニケーション能力」、「顧客のニーズに寄り添うコンサルティングスキル」が求められる。特に、銀行は「お金」という非常にセンシティブな商品を取り扱っていることから、相応の営業スキルが必要となることは言うまでもない。
「対経営者への営業経験を活かしたい」、「金融業界以外の営業職を経験してみたい」という人は、無形商材の法人営業を検討してみよう。