転職する際は、SPIによる適性試験を設けている企業も多い。新卒採用をする企業では多く取り入れられているが、近年では中途採用でも行われている。
しかし、年齢を重ねるとどのような内容だったのか覚えていない方も多いのではないだろうか。
本記事では、転職時に行うSPIの概要と4つの実施方法と対策方法を紹介する。
これから転職活動を行う方はぜひ参考にしてほしい。
そもそもSPIとは
そもそもSPIとはどのような内容なのだろうか。
主に以下の2つの検査を行うためである。
能力検査
能力検査とは、2分野の問題から知的能力を測る検査のこと。
- 言語分野:言葉や例文から適切な言語・要旨を答える質問
<例>下記の文と意味が最も合致するものを1つ選びなさい。 【例をあげる】 ・旗をあげる ・腕をあげる ・お金をあげる ・全力をあげる ・具体案をあげる(答え) |
- 非言語分野:数学的な基礎計算や思考力を測る問題
<例>ある書店で、Aさんは300円の本を4冊と500円の雑誌を1冊購入した。 Bさんは500円の本を1冊と400円の雑誌を2冊購入した。 AさんはBさんより何冊本を多く購入したのか ・1冊 ・2冊 ・3冊(答え) ・4冊 |
上記の例のように、決して難しい問題ではなく、基礎能力を測る内容となっている。いわゆる能力検査とは、ある程度の知識、思考力があるのかをチェックするための問題として認識してよいだろう。
性格検査
名前の通り、その人の性格を図るための審査だ。どのような人材でどの部署に向いているのかをチェックするために行う。問題に関しても正解がないものも多い。
一例を紹介すると、以下の問題が挙げられ、4つの選択肢からあてはまるかをチェックする。
・常に自信に満ちあふれている ・好奇心旺盛だ ・継続が大切だと思っている ・立ち直りまで時間がかからない欲は少ない方である 〔選択肢〕 あてはまる どちらかといえばあてはまる どちらかといえばあてはまらない あてはまらない |
企業側が取り入れる理由とは
そもそも企業側がSPI試験を導入するのはなぜだろうと疑問に思う方もいるのではないだろうか。
主な理由は以下の2つが挙げられる。
面接者数を削減する
大手の企業になると、採用件数に対しての応募数が多い傾向にある。
そのため、ひとりひとり面接していると莫大な時間を要してしまうため、ある程度の知識がある方を優先し、面接者数を減らすことを目的としている。つまり新卒採用でSPI試験に不合格となった者は「面接さえする必要がない」という意味でもある。
中途採用でも同様であるが、応募者数が多ければ、面接する手間を費やしてしまう。さらにキャリア採用はより高い能力が求められるため、企業によってはSPIの合格ラインを高くしてる場合もあり、数を絞っている可能性もある。
ある程度の能力・性格を確認するため
能力検査と知的検査では、その人の「知的能力・性格」を測定している。
物事に対して合理的な思考を持ち合わせているか、一定基準となる知力・学力があるのか、性格的な特徴を考慮して対人能力があるのかなどを総合的に判断する。
つまり「企業が求める人材ラインに達しているのか」という観点でSPIを行っている。また、中途採用ではその人の能力は前職での経歴からある程度判断することもできるが、性格に関しては不明確な部分だ。そのためSPIである程度の性格検査を行い、さらに面接時でチェックするという流れが一般的である。
4つの実施方法とは
ではSPIはどのような方法で行われるのだろうか。ここでは4つの実施方法を紹介する。
どれも各企業によって異なるため、事前に実施方法は理解しておくべきである。
WEBテスティング
PCでオンラインで行う形式。企業から問題のURLが届き、回答していく。近年ではスマホでも行えるようにしている企業も増えており、最も実査方法としては多い。
ペーパーテスティング
試験会場で紙を使って回答する方法。企業の本社などで行う場合と、会場を借りて行う場合がある。
しかし、会場費削減やペーパーレス化によって、ペーパーテスティングで実施する企業は減少傾向にある。
インハウスCBT
企業のPCを使って受験する方式。一般的に面接日に行うことが多いため、「SPIと面接はセット」と捉えてよいだろう。
結果をもとにすぐ面接を行うため、SPIで落とされるという可能性は低くなる。
テストセンター
リクナビやマイナビなど、転職エージェント企業が提供する受験方式。受験する日時を予約して行う。
具体的な対策方法とは
ではSPIを無事合格するためにはどのような対策方法が挙げられるのだろうか。ここでは2つ紹介する。
過去問題を解いてみる
書店でも数多くのSPI過去問題集の本があるため、購入して解いてみるのも一つの方法だ。
近年ではインターネットで調べれば多くの過去問題が掲載されている。
とはいえ同じ問題がでるとは限らないため、感触をつかむ程度として解いてみるようにしてほしい。そもそも難しい問題はほとんどない。基礎的な知識が身についていれば解ける問題であるため、焦らないようにしてほしい。
自分が正しいと思った答えを記入する
SPIは合格の可否より性格診断・能力検査として用いられている。
そのため自分が正しいと思った答えを書くようにするべきだ。性格検査ではさきほど解いた答えと矛盾してしまう内容も多い。途中で悩んでしまうこともあるが、それもSPIの診断方法。
ケースバイケースでの対応が求められることが多い社会人であるため、問題によって答えが矛盾することもあるだろう。その点は企業にとってマイナスな要素とならないため、自分が正しいと思った答えを記載してほしい。
後で面接時に聞かれる場合もあるため、自分の考えを優先すべきである。
まとめ
今回は、転職時に行うSPIの概要と4つの実施方法と対策方法を紹介してきた。SPIはその人の能力だけでなく、性格の判断を行うためにも行われる。採用した後の所属部署や社員とのコミュニケーションが取れるかを判断する一つの材料だ。
とはいえ大量募集となると、SPIで落とされる可能性も0ではない。
そのため過去問題を解いて感触をつかみ、自身の答えを優先して回答するようにしてほしい。