転職活動の面接では、必ずと言って良いほど自己紹介が求められる。「自己紹介はその場で考えれば問題ない」などと考え、志望動機や転職理由ほど準備をしない人もいるが、自己紹介で第一印象が決まるから侮ってはいけない。
本記事では、面接の自己紹介で好印象を持ってもらうためのポイントや、自己紹介に盛り込むべき内容をまとめた。
自己紹介で何を話せばよいか分からない人はもちろん、面接まで進むのに内定には至らない人は、本記事の内容をぜひ参考にしてほしい。
転職面接の自己紹介で盛り込みたい5つの項目
そもそも自己紹介とは、あなたの氏名や現職の内容、人柄などを端的に伝えるためのものである。自己紹介は自己PRとは異なり、あなたの「人となり」を知ってもらうための内容が求められることは押さえておこう。
もちろん履歴書を見れば基本的な情報はわかるものの、性格や雰囲気などは会ってみないとわからない。あなたの第一印象が決まる自己紹介は、入念に対策しよう。
そんな自己紹介には、おもに以下の役割がある。
- アイスブレイク
- コミュニケーション能力を確認
- 自社に適性があるかを判断
自己紹介はこれらの役割を果たすことから、以下の項目を盛り込むようにしよう。
- 名前
- 現職の内容や役職・役割
- 現職の実績
- 企業への適性や自身の強み
- 簡単な志望動機
名前
当然だが、最初に名前をはっきりと伝えよう。自己紹介の中でも、一言目は特に重要だ。氏名を伝えることで、面接官は応募書類とあなたの同一性を確認できる。
面接官の目を見て、早口にならないように注意しよう。
名前を伝えた後、「本日は貴重なお時間をいただきありがとうございます。」など、面接の機会が提供されたことに対するお礼を伝えると、礼儀正しさが伝わるはずだ。
現職の内容や役職・役割
現職の内容や役職・役割に関して、簡潔に伝えよう。仕事内容や役割を伝える際は、以下の項目を盛り込もう。
- 具体的な社名
- 勤務年数
- 役職の担当期間
- 担当業務
具体的には、「〇〇株式会社で法人営業を7年間担当し、今年度から3人の部下を持つマネージャー・係長として勤務しています」などのように伝えよう。
現職の実績
現職の内容に関して、実績やスキルを簡潔に説明しよう。このとき、実績をすべて伝える必要はないし、応募企業には響かないとされる実績も話さなくてよい。
- 応募企業と接点がありそうな内容
- 企業が求める人材にマッチしそうな内容
- 数字を交えてアピールできる内容
上記を意識し、アピールする実績は絞り込もう。また、面接官の聞き方を踏まえ、回答の濃度や内容を臨機応変に変えられると、コミュニケーション能力の高さをアピールできるはずだ。
企業への適性や自身の強み
応募企業への適性があること、自身の強みも伝えられるように準備しよう。要するに、自己PRを簡単に伝えるというイメージで問題ない。
たとえあなたがどれだけ優秀で、優れた実績やスキルがあったとしても、企業が求める人材にマッチしていないと採用されない。
現職の実績を伝える際と同様に、「企業における自分を採用するメリット」が伝わるよう、適性や強みを絞り込んで簡潔にまとめよう。
簡単な志望動機
自己紹介のなかでも、簡単な志望動機には触れておこう。
- 現職の内容
- 現職の実績
- 企業への適性や自身の強み
これらを踏まえれば、応募先企業を志望した理由は論理的に伝わるはずだ。
「現職で身につけた〇〇のスキルを活かして、御社で貢献したいと思います」のように話せば、簡潔で説得力のある志望動機になるだろう。
最後に、「本日はよろしくお願いいたします」などで締めると、好印象が残りやすくなるはずだ。
自己紹介の聞かれ方にもさまざまなパターンが【5種類を解説】
「自己紹介」と一口に言っても、聞かれ方次第で答えるべき内容は異なる。自己紹介の聞かれ方として、おもに以下の5パターンがある。
- 簡単に自己紹介してください。
- 自己PRや職歴を交えて自己紹介をお願いします。
- 〇〇さんについて教えてもらえますか。
- 自己紹介を1分でしてください。
- 弊社を受けようと思った理由を交えて自己紹介してください。
それぞれの質問で、自己PRを含めるべきか、性格面を伝えるべきかなどは違うはずだ。本章で紹介した5つすべてを必ず盛り込む必要はないし、追加で伝えるべき内容も存在する。
聞かれ方に応じて柔軟に対応できるよう、入念な自己分析は必須だ。
好印象を与える自己紹介のポイント4選
面接という限られた時間のなかで、第一印象を左右する自己紹介で好印象を与えるためにも、以下の4つを意識しよう。
- だらだらと話さない【目安は1分】
- 面接官の意図を汲み取って簡潔に話す
- ハキハキとした聞き取りやすい声で話す
- 背筋を伸ばし口角を上げる
だらだらと話さない【目安は1分】
自己紹介は、1分を目安にだらだらと話さないようにしよう。目安は250〜300文字だ。
用意できた自己紹介の内容は、必ず口に出して発声してみよう。
- 言い回しに違和感がないか
- 伝えたいことが伝わる内容か
- 早口になっていないか
- どれくらいの秒数になるか
発声してみると、文字に起こしただけでは分からないことも見えてくる。
自己紹介のテンプレートとして、「1分の場合はこの内容」といった形ですっきりとまとめておくと良いだろう。
面接官の意図を汲み取って簡潔に話す
面接官の意図を汲み取って簡潔に話せると、第一印象は自然とよくなるはずだ。
面接は、会話のキャッチボールをする場である。面接官としては「あなたの人となりや会社への適性、スキル」を知りたいと思っている。
実際、自己紹介の聞かれ方にもバリエーションがあり、質問の意図を汲み取った回答は、コミュニケーション能力の高さのアピールにもつながるだろう。
自己紹介だからといって、暗記した内容をそのまま話すのはNGだ。面接官が求めている内容を、簡潔に話そう。
ハキハキとした聞き取りやすい声で話す
ハキハキとした聞き取りやすい声で話せるだけでも、第一印象はガラッと変わる。
普段の会話で「お腹から」声を出す意識はあまりしていないだろう。面接の場面では、モゴモゴとした発声は自信のなさにつながるから気をつけよう。
ほかにも、緊張して話すスピードが早くなってしまうのも要注意。意識的にゆっくり話せば、聞き取りやすいスピードになっているはずだ。
背筋を伸ばし口角を上げる
発声のほかにも、背筋を伸ばし、口角を上げる意識も重要だ。
普段の姿勢が猫背になっている人は注意が必要だし、口角を上げる意識は、普段からしておいて損はないだろう。
自己紹介の内容はもちろん重要だが、話し方や表情も重要である。視線の配り方に注意し、背筋を伸ばして明るい表情を意識すれば、自然と堂々とした振る舞いになるはずだ。
面接の自己紹介でやってしまいがちなNG例3選
自己紹介を話す際、やってしまいがちなNG例を3つ紹介しよう。
- 伝えたいことを盛り込みすぎる
- これまでの経歴をすべて話す
- 志望動機や転職の理由を詳細に話す
伝えたいことを盛り込みすぎる
伝えたいことを盛り込みすぎるのは、優れた実績がある人や転職歴が多い人は陥りがちだから注意しよう。
自己紹介は、あなたの人となりや現職の仕事内容などを、簡潔に知ってもらうための内容で構わない。
あれこれと盛り込むと、結局何が伝えたいかわからなくなる。基本は1分で伝えるものとして、優先して伝えたいことだけを盛り込もう。
これまでの経歴をすべて話す
これまでの経歴を時系列ですべて話すのもNGだ。
自己紹介の聞かれ方次第ではあるものの、基本的には略歴・直近の仕事内容について話すのがベターである。実際、応募企業に関連する内容があるなら、当時の経歴を自己紹介で伝えても良いだろう。
これまでの経歴は自己PRや志望動機でも話せる可能性があるため、質問の意図を汲み取った回答を心がけよう。
志望動機や転職の理由を詳細に話す
自己紹介で志望動機などを簡単に話すほうがよいものの、詳細に話す必要はない。
まずは自分について簡単に知ってもらい、「質問内容を考えてもらうための情報提供」くらいの感覚で話すとよいだろう。
聞かれていないことを話すと、コミュニケーション能力が低いと評価されかねないから気をつけよう。
まとめ:面接官の意図を汲み取った自己紹介で第一印象アップ
面接における自己紹介は、あなたの第一印象を決める重要な項目だ。適切に準備をしておかないと自己紹介で思うように話せず、イマイチな印象を与えて挽回できないまま終了する可能性もある。
自己紹介に盛り込むべき内容はある程度決まっているから、「伝えたいことの骨子」は必ずまとめておこう。また、実際に発声して時間の長さを測っておくと、面接本番はスムーズに話せるはずだ。
自己紹介の内容がしっくりこない人は、転職エージェントを活用しよう。アドバイザーの面接対策を利用すれば、自己紹介に限らず総合的なサポートを受けられるから安心して面接に臨めるはずだ。
好印象の残る自己紹介を準備して、転職活動をスムーズに進めよう。