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転職が決まったにも関わらず引き止めにあっている……どうすればいい?

「転職」は個人にとって重要なターニングポイントだが、企業にとっても同じように非常に重要な問題になりえる。「人員不足なのでこの人に辞められたら困る!」「新入社員のときから時間をかけて育てたのに、今さらほかの会社に移られるなんて!」ということで、辞めていこうとする社員を引き止める企業は少なくはない。

ではこのような引き止めに合ってしまった場合、従業員はどうすればよいのだろうか?

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目次

転職・退職を引き止められるだけの法的根拠は基本的にはない

従業員の転職・退職を引き止めようと考えた場合、企業側はあの手この手を使ってくる。もちろんその引き止め方法(たとえば「年収を1.5倍にアップする」など)によっては転職・退職を辞めるのも一つの手ではあるが、そうではない場合は振り切ってしまってもまったく問題はない。

なぜなら、法的に見たとき、従業員の立場は非常に強いからである。

基本的には、企業側には転職・退職を禁止するだけの法的な力はない。詳しくは後述するが、雇用期間に定めのない雇用形態の場合は、転職・退職の14日前に退職届を出せば、企業側が抗弁しようとも辞めることができるのである。また、雇用期間の終了に関しては、従業員側からいつでも申し立てられる。たとえ繁忙期であろうと、人員不足の状況であろうと、辞めることが可能なのだ。

また、非常に重要なことなのだが、この基本は就業規則に優先される。就業規則に「転職・退職をする場合は、3か月前に申し出ること」と書かれていたとしても、これは法律に優先されるものではない。民法627条において、「いつでも雇用の解約の申し入れができ、雇用の解約は2週間の経過を以って終了する」とされている。

拘束力の強さは、民法(法律)>就業規則であるため、就業規約に書かれた「転職・退職の際には〇か月前に申し出ること」の文章は無視することができるのである。また、「入るときに『最低でも1年は勤めてほしい』と言われて入社した」という場合も、この言葉が民法以上に優先されることはない。

ただし、期間を定めた労働の場合はこの限りではない。この場合は、その期間が終了するまでは、退職をすることはできない。ちなみに有期労働契約の上限は、基本は3年、一部の仕事においては5年とされている。

もっともこのように期間を定めた労働であっても、やむを得ないと判断される場合は即時辞めることは可能だ。なお「何を以ってやむを得ないと判断されるか」は個別の事情によって異なるため、ここでは断言は避ける。

引き止められても、「退職届」を出してから14日経てば辞められる

上記では、「民法に定めがあるため、たとえ引き止められたとしても退職の意志を示してから14日経てば辞められる」とした。これについてもう少し詳しく見ていこう。

転職・退職を行う場合、上司に対して「退職願い」などを出す必要はない。「退職届」を出してから14日経ってしまえば、それで退職できる。なお、企業側は正答な理由なしには、退職届の受理を拒否することはできないとされている。

ただし「退職届を送っているにも関わらず、相手がそれを受け取らない」という場合、退職こそできるものの、退職の後に行わなければならない手続き(離職票の交付など)が受けられない可能性がある。こうなってしまうと、次の会社に移るときあるいは転職活動を行うときに不利になってしまう。

このような状況に陥った場合、まずは提出したことを証明するために、内容証明郵便などで送ることを検討してほしい。
それでもなお相手がかたくなな態度を取る場合は、一人で解決するのが難しいと思われる。そうなったら、労働基準監督署や労働相談センターの力を借りよう。

また、弁護士という「法のスペシャリストにして、依頼人の味方」を頼るのも一つの手だ。

理想的なのは円満に退職すること

日本の法律において従業員の立場はかなり強く、企業側に対して辞職・転職の意志を貫くことはそう難しいことではない。
ただ、理想的なのは円満に退職することだ。

そのため、もし就業規則に「辞めるときは3か月前に告知すること」と書かれているのであれば、それを守る方が望ましいだろう。就業規則に書かれた「辞めるまでの期間」は、すでに述べた通り、絶対的なものではたしかにない。しかしこの期間をきちんと守ってあげることで、企業側は後継者を見繕ったり、新しい人材を募集したりしやすくなる。

また、繁忙期は避けた時期に辞める方が望ましい。企業によっても異なるが、新入社員の教育に人手を割かれる4月なども、辞職を言い出すタイミングとしては不適当と考えられるかもしれない。

理想的なのは、「次世代の人」「自分の後継者」を見つけ出し、教育してから辞めることだ。その人に自分の学んできたことを伝え、仕事の内容ややり方を伝えてから辞めるようにすると、周りも混乱しにくい。もし可能ならば、後継者が一人で見たときにもすぐに仕事内容やトラブルシューティングの方法が分かるようなマニュアルを作っておくようにしよう。特に、「小さな会社なので、経理部門は私1人しかいなかった」「ほかに代われる人のいない仕事だった」という場合には、この引き継ぎを丁寧に行うことが求められる。

日本語のことわざに、「立つ鳥後を濁さず」というものがある。もちろん企業側が違法で強引な引き止めを行ってくる場合はこの限りではないが、そうではないのなら、共に働いてきた仕事仲間に迷惑をかけないためにも、このような姿勢を取りたいものだ。

言いにくいことは第三者を通して!

「転職・退職をしたいのに、企業に引き止められる」「新しい転職先が決まっているにも関わらず、前の会社がそれを認めようとしない」と悩む人は、それほど少なくはない。また、「会社の上司が非常に居丈高な人で、そもそも転職・退職の意志を伝えるのが怖い」という人もいるだろう。

そのような場合は、第三者を通じて退職の意志を表明することを考えてほしい。キャリアコンサルタントも力になれるし、労働組合を頼ってもいい。一番確実なのは、弁護士を通すことだ。

また、トラブルが起きた場合も、労働基準監督局や労働相談センター、弁護士の力を借りるとよいだろう。

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この記事を書いた人

IFA転職を運営し、IFA専門転職支援サービスを展開。創業から100名以上のIFAへの転職を支援。また、アドバイザーナビ経由でのIFAになった方の転職者のコミュニティ「Club IFA」も運営しており、IFA業界の転職市場に精通している。

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