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転職2回目~転職活動は不利になる? ならない?

「転がる石はコケを蒸さず」ということわざは、かつて「何度も住居や職業をコロコロ変えている人は大成をしない」という意味で使われてきた。だが現在は、「こまめに動く人は、腐らず、いつも生き生きしている」という真逆の意味でとらえられることも多くなってきた。

それでは、「令和の時代における、複数回の転職」は、上記で挙げた言葉のどちらの意味にあたるのだろうか。

ここでは、「2回目以降の転職は不利になるのかならないのか」について解説していく

目次

転職が2回以上の層は30代ですでに半数を超えている

冒頭の設問に答えるためにはまず、「そもそもどれくらいの人が複数回の転職をしているか」について知っておきたい。
転職者のデータは数多くあり、それぞれで数字も異なるが、今回はリクナビNEXTが2017年の1月から6月までに新規登録した人の属性を取りまとめたデータを取り上げていく。

それによれば、「転職2回目」だけに限ると、20代のうちの6%が、30代のうちの16%が、40代のうちの18%が、50代のうちの17%が、これに該当することが分かっている。

少し視野を広げて、「転職回数2回目以上(2回や3回、4回や5回、6回以上も含む)20代のうちの8%程度が2回以上の転職経験があるとのことだった。

この「2回以上の転職経験がある人の割合」は、年代が上がっていくにつれて上昇していく。30代に入るとその割合は29%になり、40代になると42%、そして50代になると45%となる。

つまり、年若い20代での2回目の転職こそ少ないものの、それ以外の層では2人~3人に1人以上が2回目以降の転職を経験しているということになるのである。年功序列制度や終身雇用制度が崩壊したといわれている現在においては、複数回の転職を行う人の割合は決して少なくはないのだ。

それに呼応するように、企業側も柔軟な姿勢を見せている。今回取り上げたこのデータでは人事担当者にもアンケートをしており、そのなかに「転職歴は何回目から気になるか」という設問がある。

これによると、「1回」はわずか2%、「2回」も8%しかいない。気になる人が圧倒的に多くなるのは「3回」であり、これが40%を占めている。ちなみに2位は「4回」の16%だ。

一方で、「転職回数が何回であろうと気にならない」という人も15%いる。このデータから見ても、転職2回目の人が転職活動において不利になる可能性はほぼゼロだといえそうだ。

つまり「転がる石はコケを蒸さず」は、現在では前向きな意味にとらえられることが多い(少なくともマイナスになることはない)ということになる。

転職2回目が不利になるのはどんなとき?

ただしこのような現状のなかでも、「転職2回目」が不利に働くケースがある。たとえば、以下のようなものだ。

あまりにも短すぎるスパン(3か月など)で転職を繰り返している

あまりにも短すぎるスパンで転職を繰り返している場合、「この人はどこに行っても務まらない人だ」「たとえ雇ったとしても、すぐに辞めてしまうだろう」ととらえられてしまいかねない。たとえば、3か月程度ほど勤めてすぐにほかの職場に移ることを繰り返している、などのケースだ。

なお、当然のことではあるが、もともと短期の仕事(バレンタインの催事場で、1か月限定で働いていたなど)の場合は問題にされない。

転職理由をきちんと説明できない

転職する場合、企業は「なぜ転職をしたいと考えたのか」の回答を欲しがる。この質問に明確に答えられない場合、採用確率は大きく下降するだろう。

これは単純に「聞いたことに対する正答が得られない」という不満を企業側に与えるだけではなく、「この人は自分のことも言語化できる能力がないのか」というイメージをもたらすからである。

後ろ向きな理由に終始している

転職理由を明確に答えられたとしても、その理由が終始後ろ向きな場合はやはり敬遠される。たとえば、「人間関係が上手くいかなかった」「上司が無能だった」「待遇が悪かった」などのようなものだ。

もちろん事実を事実として伝える分には問題はないが、「自分は悪くなく、環境が悪かった」というところが目立つと、企業から忌避されやすい。

転職活動を進めるときのポイント

上記を踏まえたうえで、2回目の人が転職活動を上手く進めるときのポイントを見ていこう。

スキルの洗い出しと、これからの方向性の見定めを行う

すべての転職・就職活動は、まずはスキルの洗い出しと、これからの方向性の見定めから始まる。
自分が学生時代から前職時代までに培ってきたスキルと成し遂げた実績を明確に文章化し、それをアピールしていく方法を考えていくのだ。

また、「どのような企業に転職したいか」「自分のキャリアアップをどう考えているのか」「自分が本当に不満に思っていたことは何だったのか」を、しっかり考えておく工程も必要だ。それによって、どんな職場に応募するかが変わってくるからである。

履歴書の書き方を工夫する

履歴書は、もっとも初めの「関門」である。このため、履歴書は正確に、かつ自分の魅力が伝わるように書く必要がある。学歴や職歴、資格を記すことはもちろん、志望動機についてもしっかり練ろう。「貴社に感じている魅力」「自分の培ってきたスキルがどのように生かせるか」を組み込めると、書類選考に通りやすくなる。

面接の練習を行う

いくらでも書き直せる履歴書とは異なり、面接は一発勝負である。そのため、事前にしっかり練習を行っておくことが重要だ。特に、あがり症の人の場合は複数回の面接練習を行っておきたい。

面接練習では、まず面接のときによく聞かれる質問を想定し、それに対してどのように回答していくかを見る。練習の後で、フィードバックを受けられればより良いだろう。

2回目の転職も専門家の力を借りるのがおすすめ

上記で挙げた「2回目以降の転職希望者が、転職活動を有利に進めていくためのポイント」のすべてをサポートできるのが、キャリアコンサルタントである。

キャリアコンサルタントはスキルの洗い出しや方向の見定め、履歴書の書き方指導や模擬面接の実施およびフィードバックを行ってくれる。彼らの助けを借りて、転職活動を有利に進めよう。

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この記事を書いた人

IFA転職を運営し、IFA専門転職支援サービスを展開。創業から100名以上のIFAへの転職を支援。また、アドバイザーナビ経由でのIFAになった方の転職者のコミュニティ「Club IFA」も運営しており、IFA業界の転職市場に精通している。

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