「税理士としてある程度キャリアは積んだ。転職して年収を上げたい」
「税理士としてのキャリアを構築しつつ、年収をあげる転職先はどこだろうか?」
とお考えの方。
せっかく転職するのであれば年収は上げたい、と考えるのは当然だ。できることであれば、自分の専門性を高めたい。また今までの経験を活かしつつ業務の幅を広げたいところだろう。
そこで今回の記事では、税理士の主な転職先3つと、それぞれの年収増加の可能性について触れる。また、会計事務所については事務所の規模や年齢による違いをデータを提示して説明する。
年収を軸に転職を考えている税理士の参考になるはずだ。
事務所の規模によって年収水準は異なる 税務を極める「会計事務所・税理士事務所」
税理士の平均年収は600万円
税理士事務所に勤務する税理士の給与水準は相対的には高い。厚生労働省のデータから計算すると、公認会計士・税理士の概算年収は600万円だ。
概算年収(千円) | きまって支給する現金 給与額 | 年間賞与その他特別給与額 | |
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概算年収(千円) | きまって支給する現金 給与額 | 年間賞与その他特別給与額 | |
公認会計士,税理士 | 6,007.1 | 414.5 | 1,033.1 |
年齢と勤務先の規模によって大きく異なる年収水準
下の表は、厚生労働省の調査による「公認会計士・税理士」に支払われる給与データから加工したものだ。
まず、従業員数「100~999人」の大規模事務所と「10~99人」の中小事務所を比較する。25歳から59歳までの広い年齢層で、大規模事務所の推定年収が圧倒的に高い。
中小規模の税理士事務所に勤務している場合、大規模事務所に転職することで年収を上げるという選択肢はより現実的と考えられる。
次に従業員1,000人以上の超大規模税理士法人と大規模事務所とを比較する。25~29歳のレンジでは超大規模税理士法人の方が年収は高い。しかし30歳以降の超大規模税理士事務所では空欄(データなし)や大規模事業法人より年収面で劣っている年代も散見される。
このことから、超大規模税理士法人では若手中心の人員構成になっていること。管理職に慣れるのはわずかであること。などが推察される。超大手税理士法人で一定程度の業務経験を積み重ねた後は、中小規模の税理士法人に転職して年収水準をあげるキャリア形成方法もあることが考えられる。
事務所規模別、年齢別年収水準
税理士事務所を卒業!事業会社、金融機関への年収水準は?
年収は給与規定に従う 専門家としてのポジションを社内で確立できる「事業会社」
残念ながら、税理士が事業会社に転職した際の年収水準を名言することはできない。なぜなら事業会社での年収はその企業の給与規定と業績によって左右されるからだ。
事業会社に転職するメリットは、社内で「税務の専門家」としての立場を確立できる点にある。大企業でもない限り税務専門家は社内でも少数であり、頼りにされることも多い。責任は重大である一方、やりがいが感じられるポジションのはずだ。
年収水準は総じて高い 特殊な会計・税務処理に特化「金融機関」
金融機関の年収水準は総じて高い。銀行・信用金庫、証券会社などの決算業務を担当することが多いだろう。またリース会社やREIT(不動産投資信託)などでもニーズは高い。
注意点としては、金融業界の会計方法や税務処理は事業会社とは異なる点も多い。従って、ほかの業界への転職が難しくなることが考えられる。高年収をキープしつつ専門性を高めるキャリアを選ぶ人には向いているといえよう。
転職で年収を上げたい税理士はエージェントを利用しよう
年収UPを狙う税理士には転職エージェントの利用をおすすめしたい。その主な理由は以下の3つだ。
税理士の求人は非公開案件が多いから
高いポジションの案件は、秘密裡に勧められることも多い。また、税理士の採用は一度に1~数名であることが大半だ。わずかな人数のために高額な求人広告の出稿費用を支払う企業も多い。
このような理由から税理士の求人は非公開であることが多い。転職サイトで自分の条件にあう求人がないからといって気を落とすことはない。まずは転職エージェントに相談してみよう。
求職者に代わって年収UPの交渉をしてくれるから
年収UPを狙う求職者にとって、このメリットが一番大きい。なぜなら一般的に成約した求人案件の年収の3割程度が転職エージェントの収入になるからだ。
例えば、年収1,000万円で採用された場合、転職エージェントは採用企業から300万円の紹介手数料を受け取る。
このように、年収UPはエージェントの収入UPに繋がる。エージェントは求職者の年収増加に協力的なパートナーなのだ。
募集背景などの情報を入手できるから
特に、「年収UPの交渉」の力は大きい。一般的に成約した求人案件の年収の3割程度が転職エージェントの収入になる。従って、年収UPはエージェントの収入UPに繋がる。エージェントは年収増加へのインセンティブが働くからだ。
とはいえ、実際に働くにあたっては「募集背景などの情報が入手できる」点のメリットが大きいだろう。年収が高くても離職率の高い職場には何かしらの問題点が内包されていることも多い。
特別業容が拡大しているわけでもないのに、常に人材募集している企業には注意が必要だ。募集の背景や、社風などを詳しく聞き取る情報源として転職エージェントを上手に利用したい。
転職エージェントについて詳しく知りたい人はこちらの記事をご覧いただきたい。
まとめ
税理士は転職によって年収を上げることは可能だ。小規模の税理士事務所・会計士事務所に勤務しているのであれば、従業員100名以上の事務所に転職すれば年収があがる可能性が高い。従業員100名以上の事務所においてはどの年齢を比較しても従業員99名以下の事務所よりも年収は高いからだ。
事業会社への転職の場合は、その会社が属する業界に注目したい。業界ごとに給与水準は異なる。年収が高いのは金融業界だ。だが金融は特殊な経理処理を求められたり、業務上のプレッシャーが高かったりする。転職する場合は勤務の実態を良く確認するようにしたい。
このように税理士の年収は事務所の規模や業界の水準によって一定程度決まってくる。しかし、転職は年収以外にも着目すべき点が多い。だから忙しい税理士が転職するにあたって1人で情報収集するのはなかなか大変だ。それ故転職の際には転職エージェントを使うことをおすすめする。
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